「move on」の意味と使い方|『フレンズ』S02E17で学ぶ英会話

「move on」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

終わったことだと頭ではわかっているのに、つい何度も口にしてしまう。そんな相手に、あるいは自分に、「もう次に進もう」と言いたくなる瞬間はありませんか。

そんなときにぴったりの「move on」を、『フレンズ』シーズン2第17話の序盤、ルームメイトを失ったチャンドラーを、ロスがまるで失恋した友人のように慰めるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「move on」の意味とニュアンス

move on
意味:前に進む、次に進む

過去の出来事や関係に区切りをつけて、そこにとどまるのをやめることを表します。失恋からの立ち直りを語る場面でよく使われますが、それだけにとどまらない広い表現です。

move は「動く」、on は「先へ」の方向を示します。今いる場所から足を上げて、線の先へ体を運ぶ。その位置の変化が、この句動詞の芯にあります。振り返らないという強い意志ではなく、単に前へ移るという動作を指しているのが特徴です。

恋愛や人間関係だけでなく、転職や引っ越しといった生活の転換にも、会議で次の議題へ移るときにも使えます。move on to ~ の形にすると、移る先を具体的に示せます。

【ここがポイント!】

  • 核は「今いる場所から足を上げて先へ移る」という位置の変化のイメージ
  • 失恋に限らず、仕事・生活・会議の進行まで幅広く使える汎用の一言
  • move on to ~ で移る先を示せる、この形を押さえておくと応用が利くのがコツ

『フレンズ』S02E17のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ジョーイが部屋を出ていったあと、チャンドラーは平静を装いながらも、そのことを何度も口にしてしまいます。友人たちは、その様子をまるで恋人に振られた人を慰めるように扱います。ロスの言葉づかいも、ルームメイトの解消ではなく、別れた恋人について語るときのそれです。

Chandler: I just think he might be having second thoughts, you know?
(あいつ、考え直してるかもしれないだろ?)

Ross: Look, Chandler, he has moved on, okay? You have to too. You’re just going to have to accept the fact that you’re just friends now.
(いいかい、チャンドラー。あいつはもう前に進んだんだ。君もそうしなきゃ。もう「ただの友達」だって事実を受け入れるしかないんだよ)

Chandler: I know. I know that.
(わかってる。わかってるよ)

Friends Season2 Episode17(The One Where Eddie Moves In)

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シーン解説と心理考察

ロスは、チャンドラーが事実から目をそらしていることに気づいています。だからこそ、あえて容赦のない言い方を選びます。he has moved on という言葉は、恋人の心が離れたことを告げるときの語り口そのものです。

チャンドラーは反論せず、わかっていると二度繰り返します。二度繰り返すという事実そのものが、彼がまだ受け入れられていないことを示しています。一度で済むなら、それは本当にわかっているときです。

ルームメイトの解消を、失恋になぞらえて語る。友情を恋愛の言葉で包むこの語り口が、深刻になりすぎず、それでいて本当のさびしさを漂わせる場面を作っています。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

move on は、一本の線の上に立っている自分を思い浮かべると覚えやすくなります。足元には、そこで起きた出来事が置かれたままになっている。move on は、その場所から足を上げて、線の先へ体を運ぶことです。

劇中で、実際に部屋を出ていったのはジョーイのほうです。物理的に移動したのは彼で、チャンドラーは同じ部屋にとどまっています。ロスの he has moved on という一言は、その物理的な移動と、心の区切りとを重ねて放たれています。

実際に部屋を出た人と、まだ出られない人。線の上に立つ二人の姿を思い描くと、この句動詞が持つ「移動」と「区切り」の二重の意味が、一度に頭に収まります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「move on」

move on は、区切りをつけて次へ進む場面で活躍します。感情の話から会議の進行まで、3つの使い方を見ていきましょう。

It took her a year, but she finally moved on.
(一年かかったけれど、彼女はようやく前に進んだ)
誰かの立ち直りを振り返って語る場面です。かかった時間を添えると、その区切りの重さが伝わります。

Let’s move on to the next item on the agenda.
(次の議題に移りましょう)
会議を進行する立場で発言する場面です。move on to の形にすることで、移る先をはっきり示せます。

A: Are you still upset about what he said?
B: No, I’ve moved on. It’s not worth it.
(A:彼の言ったこと、まだ気にしてる?)
(B:ううん、もう吹っ切れた。気にするだけ損だから)
過去のわだかまりに区切りをつけたと伝える会話です。完了形にすると、その区切りがすでについていることが強調されます。

あわせて覚えたい関連表現

get over
(乗り越える)
痛みや困難を克服する過程に焦点がある表現です。move on が克服の有無を問わず「次へ進む」位置の変化を指すのに対し、get over は苦しみを越えたことに重心があります。

put ~ behind one
(過去のものにする)
出来事を自分の背後に置くという空間的な言い方です。move on よりも、意識的に断ち切って忘れようとする色合いが強く出ます。

turn the page
(ページをめくる)
新しい章の始まりを強調する比喩的な表現です。日常会話よりも、あらたまった場面や書き言葉で選ばれやすく、区切りの前向きさを印象づけます。

Note|on が示す「継続」と「先」

move on の on を「上」という意味だと思っていると、この表現はうまく理解できません。ここでの on は、何かの上にあることではなく、動きが先へ続いていくことを示しています。

英語の句動詞では、on がこの「継続・前進」の意味で使われる例が数多くあります。go on(続ける)、carry on(やり続ける)、drive on(先へ進む)。いずれも、ある動作が止まらずに先へ延びていく感覚を on が担っています。move on もこの仲間で、移動という動作が前方へと続いていくことを表しています。

この on を「上」とだけ覚えていると、なぜ move on が「前に進む」になるのかが見えてきません。逆に、on に「先へ」という方向の感覚があると知っておくと、初めて出会う句動詞でも意味の見当がつきやすくなります。前置詞や副詞の小さな語が、句動詞全体の意味を大きく左右しているわけです。

劇中でロスが he has moved on と言ったとき、その on は、ジョーイの生活が前へ延びていくさまを指していました。部屋を出て、新しい暮らしへと続いていく。その前進の方向が、たった二文字の語に収まっています。

小さな語ほど、大きな方向を指していることがあります。

まとめ|前に進めない人の「わかってる」

move on は、過去に区切りをつけて次へ進むことを表す表現です。on が「先へ」の方向を示すことを思えば、この句動詞が単なる移動ではなく前進を意味する理由も見えてきます。get over が痛みを越える過程を指すのに対し、move on は位置を変える動作そのものを指しています。

失恋からの立ち直り、生活の転換、会議の進行。区切りをつけて前へ進みたい場面で、move on は幅広く使えます。痛みを越えないまま move on することもある。そのことも、あわせて覚えておくと使い分けに役立ちます。

もう次に進もう、と誰かに伝えたくなったとき、この表現を思い出してみてください。表現の引き出しに加えてみてください。

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