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『フレンズ』シーズン1第16話では、ジョーイがフィービーの双子のきょうだいアースラを気に入り、デートに誘ってもいいかとフィービーに尋ねます。そのときに出た OK は、後の場面で取り消されることになります。
許可を求める言い方、迷いながら出す OK、そして取り消すときの it’s not okay と I’m not okay with it。同じ okay が何について言われているのかに注目しながら、順に見ていきます。
「Do you think it would be okay if ~?」で、遠慮がちに許可を求める
モニカとレイチェルの部屋に仲間が集まっているところへ、アースラの働く店に行っていたジョーイが戻ってきます。アースラは自分を気に入っているようだと話すジョーイに、チャンドラーは、何かする前にフィービーに話しておくよう促します。そこでジョーイがフィービーに向けた問いと、そのあとのやりとりがこちらです。
Joey: Do you think it would be okay if I asked out your sister?
(お前のきょうだいをデートに誘っても、大丈夫だと思うか?)
Phoebe: Why? Why would you want to do that? Why?
(なんで? なんでそんなことしたいの? なんで?)
Joey: Well, so that if we went out on a date she’d be there.
(だって、デートに行ったときに彼女がそこにいるようにさ。)
Friends Season1 Episode16(The One with Two Parts, Part 1)
Do you think it would be okay if I ~? は、Can I ~? よりも一歩引いた許可の求め方です。Do you think で相手の考えを尋ね、would と過去形の asked で「もし〜したとしたら」という仮定の形にしているため、相手が断る余地を残した聞き方です。ask out は「デートに誘う」という句動詞で、ask your sister out の語順でも使われます。
フィービーは Why? を3回くり返し、would を使って「なぜそうしたいのか」と相手の意図を問い返します。これに対してジョーイは、so that ~(〜するように)の形で、デートの場に彼女がいるようにと答えます。フィービーが聞いたのは誘いたい理由であり、ジョーイの答えは問いとかみ合っていません。
自分の頼みごとに置き換えるなら、Would it be okay if I left a little early today?(今日は少し早めに帰っても大丈夫ですか?)のように、would と過去形を組み合わせると控えめな響きが出せます。
「Why not? Okay.」と「I’m fine.」で、迷いを残したまま応じる
フィービーは、自分はきょうだいの何でもないことや、二人が疎遠になっていることなど、いくつか前置きを重ねたあとで返事をします。
Phoebe: I don’t know. Why not? Okay.
(わかんない。いいんじゃない? オッケー。)
Joey: Cool. Thanks.
(よし。ありがとな。)
Ross: You okay?
(大丈夫か?)
Phoebe: Yeah. I’m fine.
(うん。平気。)
Friends Season1 Episode16(The One with Two Parts, Part 1)
Why not? は「断る理由はない」という意味から、「いいんじゃない?」と提案や頼みを受け入れる返事として使われます。ここでは直前に I don’t know が置かれているため、きっぱりした賛成ではなく、迷いを残したまま出した OK として聞こえます。最後の Okay. の一語で、フィービーは返事を締めくくっています。
ジョーイは Cool. Thanks. と短く礼を言って部屋を出ていき、残ったフィービーにロスが You okay? と声をかけます。Are you okay? の are you を省いた口語の形で、相手の様子を気づかうときの短い問いです。
フィービーの I’m fine. は、こうした問いへの返事としてよく使われる言い方です。ただ、このあとの場面で彼女は OK を取り消します。そのことを踏まえると、ここでの I’m fine は、相手の気づかいをいったん受け止めて話を終わらせる返事として働いていると読み取れます。この場面では、言葉そのものと本人の気持ちが一致しているとは限りません。
「it’s not okay」と「I’m not okay with it」で、出したOKを取り消す
別の場面で、ジョーイはアースラへのプレゼントのカーディガンの試着をフィービーに頼み、アースラのことが好きだと話し始めます。その言葉をフィービーがさえぎったあとのやりとりがこちらです。
Joey: Hey, Phoebe, I asked you and you said it was okay.
(おい、フィービー、俺はちゃんと聞いたし、お前もいいって言ったよな。)
Phoebe: Alright, well, maybe now it’s not okay.
(わかった、じゃあ、今はもうよくないのかも。)
Joey: Well, maybe now I’m not okay with it not being okay.
(じゃあ、今は俺のほうが、それがよくないってことに納得できないのかもな。)
Phoebe: Okay.
(あっそう。)
Friends Season1 Episode16(The One with Two Parts, Part 1)
ジョーイの I asked you and you said it was okay. は、前に取った許可を持ち出す言い方です。said に合わせて it was okay と過去形になっており、「あのときは OK だった」ことを確認しています。フィービーは maybe now(今となっては)を前に置き、it’s not okay と応じます。この it は、ジョーイがアースラと付き合うことそのものを指しています。
ジョーイはその言い方をそのまま借りて、I’m not okay with it not being okay と言い返します。be okay with ~ は「〜を受け入れられる」という意味で、主語には人が来ます。with のあとの it not being okay は「それが OK ではないということ」という動名詞のまとまりです。
| 形 | 何についての okay か |
|---|---|
| It’s okay. / It’s not okay. | 物事や状況が許されるかどうか |
| I’m okay with it. / I’m not okay with it. | 人がそれを受け入れられるかどうか |
| I’m okay. / You okay? | 本人の調子や気分 |
同じ okay でも、主語が状況か人かで意味が変わります。ジョーイの言い返しは、この違いを使って、フィービーの取り消しに自分の側の不同意を重ねた形になっています。
まとめ|okay が何について言われているかを見分ける
Do you think it would be okay if ~? で許可を求め、Why not? Okay. で迷いながら応じ、it’s not okay と I’m not okay with it で取り消しと不同意を言い分ける流れを見てきました。主語に注目すると違いが見えてきます。
二人の短い応酬を、『フレンズ』を観ながら追ってみるのも一案です。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、やり残しを指摘されたときの返し方なども取り上げています。


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