海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
自分の存在が、仲の良い二人の関係にひびを入れてしまうかもしれない——そんなふうに悩んだ経験はありませんか。
そんな気持ちを言い表す「come between」を、『フレンズ』シーズン4第8話の終盤、キャシーが箱の中のチャンドラーに別れを告げるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「come between」の意味とニュアンス
come between
意味:(二人の)間に割って入る、仲を裂く、不和の原因になる
come between は、物理的に「二者の間に入る」という意味から転じて、「人間関係を邪魔する」「仲を引き裂く」という比喩的な意味で使われる表現です。日常会話では、この比喩の用法が中心になります。
典型的な形は come between A and B で、「AとBの間に割って入る」「AとBの仲を裂く」を表します。恋人同士、友人同士、家族といった親密な関係の「あいだ」に、第三者や何らかの物事が入り込んでしまう場面で使われます。
主語には人だけでなく、物事も置けます。Don’t let money come between us.(お金のことで私たちの仲を壊さないで)のように、感情や状況が二人の関係を邪魔する、という言い方もよく登場します。誰かを責めるというより、「関係にひびが入る」という状況そのものを描く表現です。
【ここがポイント!】
- 核は「二人のあいだ(between)に入り込む」という空間のイメージ
- come between A and B の形で、親しい二者の仲を裂く場面に使う
- 主語は人だけでなくお金・仕事など物事も置けるのが読みどころ
『フレンズ』S04E08のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
チャンドラーとジョーイの友情は、キャシーへのキスがきっかけで壊れかけています。その原因の一端が自分にあると感じたキャシーは、箱の中にいるチャンドラーのもとを訪れ、静かに別れを切り出します。ここで come between が使われます。
Kathy: I don’t want to be someone who comes between two best friends.
(私、親友同士の仲を裂くような女にはなりたくないの。)Kathy: I can’t stand seeing what this is doing to you guys, and I don’t want to be the cause of that.
(これがあなたたちに与えてる影響を見ているのがつらいし、その原因になりたくない。)Friends Season4 Episode8(The One With Chandler In A Box)
シーン解説と心理考察
キャシーが自分を someone who comes between two best friends と表現しているところに、彼女の心情がにじみます。「私が悪い」と直接責任を口にするのではなく、「二人のあいだに入り込む存在」という距離を置いた言い方を選ぶことで、自分の立場を静かに見つめている様子が伝わってきます。
come between の「あいだに入る」というイメージが、この別れの場面と重なっています。チャンドラーとジョーイという固い友情の「あいだ」に、意図せず立ってしまった自分。その位置から身を引くことでしか、二人の関係を元に戻せない——キャシーはそう考えたのでしょう。箱の中で言葉を発せないチャンドラーを前に、一方的に別れを告げるという構図も、彼女の決意の切なさをやわらかく見せています。責める相手のいない、静かな幕引きの場面です。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
come between は、「肩を組んだ二人のあいだに、third person がすっと入り込む」という絵で覚えると定着します。between という前置詞が「二者のあいだ」を指し、そこへ come(やって来る)することで、仲のよかった二人が引き離される——空間の動きがそのまま意味になっています。
このシーンなら、チャンドラーとジョーイが並んで立っているところに、キャシーが自分から一歩下がって「あいだには入らない」と選ぶ絵を思い描いてみてください。come between が「あいだに入って引き裂く」なら、キャシーの決断はその逆で、「あいだから身を引く」こと。空間のイメージで捉えておくと、否定形や応用形が出てきても迷わず意味がつかめます。
例文で覚える「come between」
親しい関係に第三者や物事が入り込む場面で活躍するフレーズです。3つの場面で使い方の幅をつかんでみましょう。
Nothing could come between the two sisters.
(何ものも、その姉妹の仲を裂くことはできなかった。)
固い絆を強調する場面です。Nothing を主語にすることで、「どんなものも二人を引き離せない」という強い結束が表現されます。
Don’t let a small misunderstanding come between you and your best friend.
(ちょっとした誤解で、親友との仲を壊さないで。)
忠告する場面です。let ~ come between の形で、「〜が仲を裂くのを許すな」というニュアンスになります。
A: I heard work has been putting a strain on their marriage.
B: Yeah, it’s sad when a job comes between two people who love each other.
(A:仕事が二人の結婚生活に負担をかけてるらしいよ。)
(B:うん、愛し合ってる二人の仲に仕事が入り込むのは切ないよね。)
友人同士の会話です。主語に job(仕事)という物事を置き、「仕事が二人の仲を裂く」という比喩的な使い方を示しています。
あわせて覚えたい関連表現
get in the way of
(〜の邪魔をする)
come between が「二者の仲」に入り込むのに対し、get in the way of は「物事の進行」を邪魔する、より広い表現です。関係だけでなく、計画や目標の妨げにも使えます。
drive a wedge between
(〜の間にくさびを打ち込む、仲を引き裂く)
come between より意図的で強い表現です。wedge(くさび)を打ち込むイメージで、「わざと二人を仲たがいさせる」というニュアンスが加わります。come between が結果を、こちらは能動的な行為を指します。
stand in the way
(立ちはだかる、妨げになる)
何かの進行や実現を妨げる、という意味の表現です。come between が「二者の関係」に特化しているのに対し、stand in the way は道の途中に立ちふさがる、より一般的な障害を表します。
Note|「仲を裂く」を英語はどう空間で捉えるか
come between を日本語にすると「仲を裂く」「間に割って入る」となりますが、英語のもとの発想は、日本語の関係語彙とは少し起点が違います。そこを知っておくと、この表現がぐっと立体的に見えてきます。
日本語の「仲を裂く」は、「仲(=関係)」という抽象的なものを「裂く」という発想です。一方 come between は、あくまで between(二者のあいだの空間)に come(やって来る)という、物理的な位置関係から出発しています。英語には、人間関係を「空間の配置」で捉える表現が数多くあります。close to someone(誰かと親密=距離が近い)、drift apart(疎遠になる=漂って離れる)、stand by someone(味方する=そばに立つ)、そして come between(仲を裂く=あいだに入る)。いずれも、感情や関係の変化を「人と人との物理的な距離や位置」に置き換えて表現しています。この発想を知っていると、come between が単なる暗記フレーズではなく、「あいだに入り込む」という一枚の絵として記憶に残ります。キャシーが自分を「二人のあいだに入る存在」と位置づけ、そこから退くことで関係を修復しようとしたのも、この空間的な発想と自然に重なります。
関係を「距離」で語る英語の感覚がつかめると、似た表現も芋づる式に理解できるのですね。
まとめ|キャシーの決断に見る「あいだ」の言葉
come between は、親しい二者の「あいだ」に入り込み、その仲を裂いてしまう状況を表す表現です。come between A and B の形を軸に、主語には人だけでなくお金や仕事といった物事も置けます。
人間関係の変化を「空間の位置」で捉える——この英語ならではの発想をつかんでおくと、come between だけでなく、drift apart や stand by someone といった仲間の表現までまとめて身につきます。キャシーのように、自分の立ち位置を見つめ直す場面で、静かに効く一言です。
大切な関係について語る場面で、come between を表現の引き出しに加えてみてくださいね。


コメント