「have second thoughts」の意味と使い方|『フレンズ』S03E21で学ぶ英会話

「have second thoughts」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

昼間はきっぱり決めたはずのことが、夜になって急に不安になってくる場面があります。誰にも言っていないのに、頭の中だけで結論が揺れ始める。あの落ち着かない時間です。

その状態を指す「have second thoughts」を、『フレンズ』シーズン3第21話の終盤、衝動買いしたヒヨコを手放すと決めたはずのジョーイとチャンドラーが、そろって前言を撤回するシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「have second thoughts」の意味とニュアンス

have second thoughts
意味:考え直す、迷いが生じる、やっぱりどうかなと思う

直訳は「二番目の考えを持つ」。一度決めたことについて、あとから追いついてくる考えを指します。辞書はこれを「再考して生じた迷いや不安」と「考えを変えること」の両方で定義していて、どちらに寄るかは文脈が決めます。

つまり日本語にすると、「迷っている」と「やっぱりやめた」のあいだに幅があるということです。多くの場面ではまだ結論が動いていない揺れの段階を指しますが、文脈によっては翻意そのものを表すこともあります。この幅の広さが、この表現の使い勝手のよさになっています。

thoughts と複数形になるのは、あとから来る考えを数えているから。辞書もこの慣用句を「あとから浮かんでくる考えを指すもの」と説明していて、「二番目の考え」という発想がそのまま形に残っています。

もうひとつの顔が、切り出しにくいことを穏当に伝える機能です。「やめたい」と言う代わりに「迷いがある」と言えば、まだ相談の体裁が保てます。撤回の前振りとして使われることも少なくありません。

【ここがポイント!】

  • 「have second thoughts」の核は、決断のあとから追いついてくる二つ目の考え
  • 揺れている段階を指すことが多いが、文脈次第で翻意そのものも表す幅のある表現
  • 撤回の前振りとしても使える、切り出しにくさとセットの一言

『フレンズ』S03E21のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ジョーイが衝動買いしてきたヒヨコをめぐって、二人は険悪になっていました。前のシーンで「明日、店に返してくる」と合意したはずです。ところがチャンドラーは、ヒヨコを連れたまま帰ってきます。しかも「リトル・ヤスミン」と名前まで付けている。彼が持ち出す理由と、それを受けたジョーイの返しに注目です。

Joey: Oh, ah! I thought you were going to take her back to the store today.
(おい! 今日、店に返しに行くはずじゃなかったのか?)

Chandler: I did, but the store wouldn’t take her back so, then I took her to the shelter and you know what I found out? If they can’t find a home for her… And I’m not going to let that happen to little Yasmine.
(行ったよ。でも店は引き取らないって。それで保護施設に連れてったんだけど、そこで何て言われたと思う? 引き取り手が見つからなかったら……。そんな目に、うちのヤスミンを遭わせるわけにいかない。)

Joey: Okay, good, good, good ‘cause I was having second thoughts, too.
(そうか、よかった、よかった。実は俺も迷ってたんだ。)

Chandler: Okay. And it’s not just chicks, you know. It’s all kinds of other animals.
(ああ。しかもヒヨコだけじゃないんだ。ほかの動物も全部そうなんだって。)

Joey: That’s horrible! Well, you did the right thing, man.
(ひどい話だな! お前、正しいことをしたよ。)

Friends Season3 Episode21(The One with a Chick. and a Duck.)

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シーン解説と心理考察

このやりとりの妙は、二人とも「返したくなかった」と自分からは言わないところにあります。チャンドラーが持ち出すのは保護施設で聞いた話、つまり外部の事情です。情が湧いたからではなく、事実を知ってしまったから連れ帰った。そういう体裁が整えられています。

ジョーイの返しは、さらに周到です。チャンドラーが先に「返さない」と宣言したのを確認してから、「実は俺も迷ってた」と後出しする。先に言い出したほうが負け、という空気の中で、安全になってから本音に合流しています。having second thoughts が、この後出しの道具として機能しているのが見どころです。

すでに「リトル・ヤスミン」と名前が付いている時点で、勝負はついていました。名前を与えるとは、返せなくなるということです。二人が守っていたのはヒヨコではなく互いの面子だった、という構図がこの短い応酬に表れています。直後にアヒルが登場し、事態はさらに転がっていきます。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

決断を、頭の中に浮かんだ一つ目の考えだと思ってみてください。それはもう口に出してしまった。ところが少し経つと、後ろから二つ目の考えが追いついてきます。この二番目の到着が have second thoughts です。まだ並んで走っているのか、すでに追い越したのかは、文脈が決めます。追い越したとはっきり言い切りたいときだけ、change one’s mind に持ち替えます。

ジョーイもチャンドラーも、一つ目の考えを口にしたあとで、二つ目に追いつかれていました。しかも先に認めたほうが負けという空気の中で、後から「実は俺も」と滑り込む。二つ目、三つ目と数えられるものだから thoughts は複数形なのだと押さえておけば、s の付け忘れも減ります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「have second thoughts」

決断の直後から実行の一歩手前まで、揺れている時間ならどこでも使えます。三つの例文で、その守備範囲を見てみましょう。

I’m having second thoughts about the apartment.
(あの部屋、やっぱりどうかなって思い始めてる。)
契約前の物件について同居人と話す場面。about のあとに名詞を置くのが辞書にも載る基本形で、進行形にすると今まさに揺れている感じが出ます。

The board is having second thoughts about the acquisition.
(取締役会はその買収について再考し始めています。)
社内で意思決定の状況を共有する一言。組織を主語に立てられるのがこの表現の便利なところで、撤回一歩手前の空気を穏当に伝えられます。

A: You’ve been quiet since we signed the lease.
B: I know. I guess I’m having second thoughts about moving so far from work.
(A:契約してから、ずっと静かだね。)
(B:うん。職場からこんなに遠くに引っ越すの、やっぱり迷ってるみたい。)
沈黙の理由を聞かれて、ようやく口に出す会話。撤回とまでは言い切らずに不安だけを差し出せるので、相談の入り口として使いやすい形です。

あわせて覚えたい関連表現

change one’s mind
(気が変わる、考えを変える)
結論が反転しきったことを、曖昧さなく示す表現です。have second thoughts が揺れと翻意の両方を含みうるのに対し、こちらは反転した事実だけを指します。はっきり伝えたいときはこちらに持ち替えます。

get cold feet
(土壇場で怖じ気づく)
辞書は「予定していたことをするのが急に怖くなる」と定義します。理屈ではなく恐怖が主役で、結婚式や大舞台の直前が定番の舞台です。have second thoughts が頭の中の出来事なのに対し、こちらは身体の反応に近い言葉になります。

think twice
(よく考える、二の足を踏む)
決断する前に慎重に検討する意味で、しばしば否定形で使われます。決断のあとに来る have second thoughts とは、時間軸の位置がちょうど逆になります。

Note|迷いの言葉は、決断のどこに立っているか

「迷う」と訳される英語はいくつもあります。日本語ではどれも「迷う」「考え直す」で片づいてしまうのに、英語の側では立っている場所が違う。並べてみると、決断という一本の時間軸の上に散らばっているのが見えてきます。

いちばん手前にいるのが think twice です。まだ決めていない段階で、慎重に検討する。Think twice before you sign. のように、決断の前で足を止めさせます。決断をまたいだところにいるのが have second thoughts。辞書はこれを「再考して生じた迷い・不安」とも「考えを変えること」とも定義していて、四つの中でこの語だけが、揺れと翻意の両方にまたがっています。さらに進んで、実行の直前にいるのが get cold feet です。辞書の定義は「予定していたことをするのが急に怖くなる」で、理屈ではなく恐怖が主役になります。結婚式場の控室が定番の舞台なのはそのためです。そして結論が反転しきったところに change one’s mind が立っています。

この配置を知ると、幅の広さがそのまま second thoughts の武器だと分かります。他の三つは立ち位置が固定されているのに、second thoughts だけは決断の前後どちらにも寄れる。だから、まだ迷っているだけなのか、もう心が決まっているのかを、あえてぼかしたまま口に出せます。

ジョーイが選んだのが second thoughts だったのには、意味があります。cold feet では怖がっていたことになり、change one’s mind では自分から翻意したと言い切ることになる。どちらも面子が立ちません。揺れとも翻意とも取れる second thoughts なら、曖昧さを残したままチャンドラーの決定に乗れる。語の幅が、そのまま逃げ場になっています。

同じ迷いでも、どこに立っているかで言葉は変わります。

まとめ|ジョーイが「俺も迷ってた」と言えたわけ

have second thoughts は、決断のあとから追いついてくる二つ目の考えを指す表現です。揺れている最中を指すことも、翻意そのものを指すこともある。この幅を知っておけば、聞いたときに相手がどちらの意味で言っているかを、文脈から読み取れるようになります。

この一言があると、結論を出す前の曖昧な時間を、そのまま言葉にできるようになります。やめたいとまでは言い切らず、不安だけを相手に差し出す。相談の入り口としても、撤回の前振りとしても働きます。

決めたあとに湧いてくる迷いを、否定も肯定もせずにそのまま置いておける。そんな位置を持った表現と言えます。

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