海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
微妙な判定をめぐって、決断をまるごと相手にゆだねる瞬間が、ドラマにはよくあります。
そんな一幕にぴったりの「it’s your call」を、『フレンズ』シーズン5第24話、クラップステーブルから転がり落ちたサイコロの出目をめぐって、二人が真剣な顔で判定を下すシーンから、一緒に見ていきましょう。
「it’s your call」の意味とニュアンス
it’s your call
意味:君の判断次第だ、君が決めることだ
it’s your call は、決定権が相手にあることを示し、判断をゆだねるときに使うカジュアルな表現です。call には「判定を下す、決定する」という意味があり、it’s your call で「それは相手の判定・決定だ」というニュアンスになります。
責任の伴う重要な決定について使われることもあれば、どちらでもいいような些細な場面で、あえて相手に決めさせるという軽いニュアンスで使われることもあります。曖昧でどちらとも言い切れない状況において、相手の判断を仰ぐ場面でよく登場する表現です。
似た形で make the call(判断を下す)という言い方もあり、call という一語が「決定・判定」の意味を担っている点を押さえておくと、応用の幅が広がります。
【ここがポイント!】
- it’s your call の核は「決定権は相手にある」と判断を委ねること
- call は「判定・決定」を表し、重大な場面でも些細な場面でも使える
- make the call(判断を下す)と合わせて覚えると応用が利くのがコツ
『フレンズ』S05E24のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。クラップステーブルで振ったサイコロの一つがテーブルの下に転がり込み、二人はあわてて床を探し回ります。ようやく見つけたサイコロの出目が微妙な判定になり、片方がその判断を相手にゆだねる場面です。
Monica: Okay, you look that way, I’ll look this way!
(よし、あなたはそっちを見て、私はこっちを見るから!)Chandler: Here it is. Here it is.
(あった、あった。)Monica: That could be a four or a five. It’s your call.
(それ、4かもしれないし5かもしれない。あなたの判断次第よ。)Chandler: It’s a four.
(4だ。)Monica: I think so, too.
(私もそう思う。)Friends Season5 Episode24(The One in Vegas, Part 2)
シーン解説と心理考察
サイコロ一つの出目という些細な出来事に、二人がやけに真剣な顔で向き合っている様子がこの場面の面白さです。「それ、4かもしれないし5かもしれない」という迷いに対して、「It’s your call」と判断を丸ごと相手に預けてしまう潔さには、酔った勢いで盛り上がるテンションの高さがにじみます。
本来なら責任の重い決定を委ねる場面で使われることの多い言い回しが、ここではサイコロの目という他愛のない判定に使われることで、ギャンブルにのめり込む二人の姿を軽妙に描くセリフになっています。「4だ」「俺もそう思う」と即座に同意し合う流れにも、深く考えずに勢いで進んでいく夜の空気が表れています。
冷静に見ればどうでもいい判定に、大げさな真剣さを持ち込む――そんなギャップがこのやり取りの見どころと言えます。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
it’s your call を覚えるコツは、審判が笛を鳴らして判定を下す瞬間をイメージすることです。call という一語には、スポーツの判定のような「決定を言い渡す」響きが込められています。曖昧な状況で誰かに「さあ、決めてくれ」とボールを渡すような感覚で覚えると、意味がすっと入ってきます。
サイコロの出目という小さな判定にこの言葉を使った二人の姿も、この審判のイメージと結びつけて覚えておくと定着しやすくなります。重大な決断でも、些細な判定でも、判断を相手に委ねる瞬間には同じ一言が使えるのだと思うと、応用のイメージがつかみやすくなります。
例文で覚える「it’s your call」
相手に判断を委ねるときに使える it’s your call を、3つの例文で使い方を確かめていきましょう。
We could go with either design, but it’s your call since you’ll be using it every day.
(どちらのデザインでもいいと思うけど、毎日使うのは君だから君の判断次第だよ)
仕事の場面で、相手の意見を尊重して決定権を渡す言い方です。理由を添えることで、丸投げではなく配慮のある提案に聞こえます。
Honestly, I don’t have a strong opinion either way, so it’s your call.
(正直どちらでもいいと思ってるから、君が決めて)
日常会話で、自分に強いこだわりがないことを伝える場面です。相手に気を遣わせないよう、率直に判断を委ねる言い方です。
A: Should we tell them the truth or wait until tomorrow?
B: It’s your call. You know the situation better than I do.
(A:本当のことを話すべきか、明日まで待つべきか)
(B:君の判断次第だよ。俺よりも状況をわかってるから)
やや踏み込んだ相談の場面です。判断を委ねる理由を添えることで、信頼して任せているというニュアンスが伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
up to you
(相手次第、お任せする)
決定を相手に委ねる、より口語的でカジュアルな表現です。it’s your call が「判定・決定権」という響きを持つのに対し、up to you はより軽く「好きにしていいよ」というニュアンスに近い違いです。
your decision
(相手の決定)
決定そのものを名詞でストレートに表す言い方です。it’s your call がカジュアルな響きを持つのに対し、your decision はやや事務的・フォーマルな場面にも馴染みやすい表現という違いがあります。
make the call
(判断を下す、決定する)
it’s your call と同じ call を使った動詞表現で、「実際に決定を下す」という行為そのものを指します。it’s your call が決定権の所在を示すのに対し、make the call は決定という行為に焦点がある違いです。
Note|スポーツの判定用語から広がった call
it’s your call という言い方の背景には、スポーツの審判が下す「判定」という文化があります。野球の球審が「ボール」「ストライク」を宣告する行為や、アメリカンフットボールの審判が反則の有無を告げる行為は、英語でどちらも call と呼ばれます。フィールド上の絶対的な決定権を持つ審判の判断そのものを指す言葉として、call は長く使われてきました。
この「決定的な判断を下す」という核となる意味が、スポーツの枠を飛び出して日常会話にも広がっていったのが it’s your call です。試合の判定のように、白黒はっきりつけがたい状況で、最終的な決定を誰かに委ねる場面に使われるようになりました。make the call(判断を下す)、a tough call(難しい判断)といった表現にも、同じ call のニュアンスが息づいています。
『フレンズ』のこの場面でサイコロの出目という些細な判定に it’s your call が使われているのも、審判のような真剣さで小さな出来事に向き合う、というギャップの効果を狙った使い方と読み取れます。
スポーツの現場で鍛えられてきた一語が、日常のやり取りにもしっかり根を張っています。
まとめ|迷ったときに使える「委ねる」一言
it’s your call は、決定権が相手にあることを示す、カジュアルながらも重みのある表現です。call が持つ「判定・決定」のニュアンスを押さえておけば、重大な場面でも些細な場面でも、幅広く使いこなせます。
仕事で相手の意見を尊重したいときも、日常会話でこだわりのなさを伝えたいときも、この一言があれば判断を丁寧に委ねられます。サイコロの出目という小さな判定にまで本気で向き合った二人のように、些細なやり取りにこそ効く表現でもあります。
迷ったときに相手へ判断を差し出す表現として、会話の引き出しに加えてみてください。


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