「an accident waiting to happen」の意味と使い方|『メンタリスト』S02E07で学ぶ英会話

「an accident waiting to happen」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

まだ何も起きていないのに、この人と一緒に仕事をするといつか事故が起きる、と身構えてしまう相手が職場にいた経験はありませんか。

そんな警戒心をひとことで言い切ってしまうのが「an accident waiting to happen」です。『メンタリスト』シーズン2第7話の序盤、上司の部屋でボスコが、ジェーンとの合同捜査に難色を示す場面に登場します。どんな流れでこの一言が出てくるのか、一緒に見ていきましょう。

目次

「an accident waiting to happen」の意味とニュアンス

an accident waiting to happen
意味:いつ事故や問題が起きてもおかしくないもの(人)

直訳すると「起きるのを待っている事故」。事故のほうが順番を待っていて、あとは出番が来るだけ、という構図の表現です。

ポイントは、まだ何も起きていない段階で使われることにあります。すでに起きた出来事を指すのではなく、条件が揃いすぎていて発生は時間の問題だ、という見立てを述べるための言い方です。

対象は物にも人にも広がります。手すりのない急な階段、点検されていない配線、無謀な運転をする同僚。物や状況に使えば安全上の指摘ですが、人に向けると「この人自体が事故のようなものだ」という置き換えが起きるため、評価としてはかなり強くなります。

英語ではこの waiting to happen の型が生きていて、disaster waiting to happen のように名詞を入れ替えて使うこともできます。何が待っているのかを変えるだけで、想定される被害の大きさが変わる仕組みです。

【ここがポイント!】

  • 核は「事故はもう配役済みで、あとは出番を待つだけ」というイメージ
  • 物に使えば安全上の指摘、人に向けるとかなり踏み込んだ人物評になる一言
  • まだ起きていない段階で言うのがコツ。起きた後なら was で「言った通り」の含みに

『メンタリスト』S02E07のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ミア・ウェストレイク誘拐事件をめぐり、ボスコの班とリズボンの班が同じ現場に踏み込み、危うく撃ち合いになりかけたところから物語が動き出します。上司のミネリは両班に合同捜査を命じますが、ボスコはジェーンが現場に加わることに納得していません。懸念があるか、と問われたボスコが、言葉を探しあぐねた末に口にするのがこの一言です。

Minelli: YOU HAVE CONCERNS.
(何か懸念があるようだな)

Bosco: I DO. THIS MAN IS A… A… I-I DON’T EVEN KNOW WHAT HE IS. HE’S AN ACCIDENT WAITING TO HAPPEN.
(あります。この男は…その…何なのかも分からない。いつ事故を起こしてもおかしくない)

Minelli: SAM, BE FAIR.
(サム、公平に見ろ)

Bosco: IN MY OPINION, THIS IS A MISTAKE.
(私の意見では、これは間違いです)

The Mentalist Season2 Episode7(Red Bulls)

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シーン解説と心理考察

ボスコが名前を出さずに「この男は」と切り出し、二度言いよどんでから断定に入る流れが、この場面の見どころです。適切な名詞が見つからないという素振りを挟むことで、感情的な拒否ではなく評価を下した結果なのだ、という体裁が整えられています。

言い直しの末に選ばれたのが、人ではなく出来事を指す表現だった点にもボスコの視線が表れています。ジェーンという人物を評するのではなく、これから起きる事故として名指すことで、議論の対象を人格から危険性へ移そうとしている構図です。

一方でミネリの「公平に見ろ」という短い返しは、ボスコの言い分を頭から否定せず、しかし受け入れもしないという立ち位置を示しています。結局この直後に合同捜査は確定し、ボスコの懸念は記録として残っただけで終わります。反対意見が形式的に処理されていく空気が、この短いやり取りに重なっています。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

舞台袖に立っている役者を思い浮かべてみてください。まだ照明は当たっていませんが、台本にはすでに名前が載っていて、出番が来れば必ず舞台に出てきます。an accident waiting to happen が描いているのは、この待機している状態です。

危ないのは「今起きていること」ではなく、「もう配役が決まっていること」。ボスコが言いよどんだ末にこの表現を選んだのも、目の前のジェーンではなく、これから起きる出来事のほうを名指したかったからだと読み取れます。

袖で待っている事故の姿とセットにしておくと、まだ何も起きていない段階で使う表現だという感覚が、身体で掴めるはずです。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「an accident waiting to happen」

物にも人にも使える表現なので、対象を変えて三つ並べてみます。響きの強さがどう変わるかに注目してみてください。

That staircase is an accident waiting to happen.
(あの階段、いつ事故が起きてもおかしくないよ)
古い建物を案内されて、手すりのない急な階段を見上げたときの一言。物を主語にした最も基本の形で、ここから覚えると使い分けが早くなります。

Running the system without backups is an accident waiting to happen.
(バックアップなしでシステムを動かすのは、事故を待っているようなものだ)
職場で運用体制のリスクを指摘する場面。動名詞を主語にすると、担当者個人ではなくやり方そのものへの指摘になります。

A: Is he really joining the team?
B: Yeah. Honestly, he’s an accident waiting to happen.
(A:彼、本当にチームに入るの?)
(B:うん。正直、いつ問題を起こしてもおかしくない)
人事の噂を同僚とやり取りする場面。人に向けるとかなり強い評価になるため、honestly のような前置きで一拍置くのが自然です。

あわせて覚えたい関連表現

a ticking time bomb
(時限爆弾)
同じく「いずれ起きる」を指しますが、爆発までの時間が刻々と減っている切迫感が中心です。an accident waiting to happen が時期を特定しないのに対し、こちらはもう秒読みが始まっているという含みがあります。

a disaster waiting to happen
(大惨事の予備軍)
waiting to happen の型はそのままに、accident を disaster に入れ替えた形。個別の事故ではなく、取り返しのつかない規模の失敗を想定するときに使われます。

asking for trouble
(自ら面倒を招いている)
こちらは行為者の選択を責める言い方です。an accident waiting to happen が本人の意図を問わず状態を評するのに対し、asking for trouble は「わざわざそんなことをするから」という非難が前面に出ます。

Note|「これから起きること」で人を名指す言い方

an accident waiting to happen を日本語にしようとすると、「いつ事故を起こしてもおかしくない人」のように、どうしても説明的な一文になります。英語のほうは名詞ひとつで済んでいるのに、なぜ日本語では文になってしまうのでしょうか。

理由のひとつは、英語がこの表現で人を「出来事」として言い切っている点にあります。He is an accident は、直訳すれば「彼は事故である」。日本語ではこの等号がうまく成立せず、「事故を起こしそうな人」のように、人と出来事のあいだに関係を補ってやる必要が出てきます。同じ構造は a walking disaster(歩く災害)や a train wreck(列車事故のような状態の人)にも見られ、英語では人を出来事や現象そのものに置き換える言い方が定型として根づいています。日本語にも「歩く広告塔」のような言い方はありますが、否定的な評価でこの型が使われる場面はかなり限られます。

この違いを知っておくと、an accident waiting to happen が人に向けられたときの重さが掴みやすくなります。性格を評しているのではなく、その人の存在そのものを事故と同一視している。だからこそ、ボスコの一言はあれほど強く響いていました。

人を出来事として名指す。英語のこの手つきは、慣れると少し怖くもあります。

まとめ|ボスコの言いよどみが選んだ一言

an accident waiting to happen は、まだ起きていない事故を先取りして名指す表現です。危険なのは今ではなく、条件がすでに揃っていること。その見立てを名詞ひとつで言い切れるところに、この表現の強さがあります。

物や状況に使えば安全上の指摘として機能し、人に向ければ相当に踏み込んだ人物評になります。この振れ幅を知っておくと、聞こえてきたときに話し手がどこまで本気なのかを測る手がかりにもなります。

ボスコが言葉を探しあぐねた末に、人ではなく出来事のほうを名指したこと。その選択ごと覚えておくと、使いどころを外しにくい、そんな一言です。

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