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『メンタリスト』シーズン2エピソード21には、CBIの捜査官が容疑者アレック・モスカの部屋を訪れる場面があります。モスカは訪問者を借金の取り立て屋だと勘違いし、大慌てで対応したあと、身分が分かってから取り繕うユーモラスなやり取りを見せます。今回は、そのひと幕から「I’m good for the rest」と「That’s how the bad guys do it」を読み解きます。
勘違いから始まる、テンポの良い言葉のやり取りを見ていきます。
I’m good for the rest ― 大慌てで払える額を伝える一言
窓辺に近づいたモスカに捜査官が手を見せるよう指示すると、モスカは借金の取り立てだと思い込み、慌てて現金を差し出します。
All right! Okay. No problem. You see that? There’s $14,000 in it. Take that to Mike.
(分かった!オーケー、問題ない。見ての通り、1万4千ドル入ってる。マイクに渡してくれ。)Tell him I’m good for the rest. On my sister-in-law’s grave, I swear!
(残りもちゃんと払えるって伝えてくれ。義理の姉の墓に誓って!)The Mentalist Season2 Episode21
I’m good for the restのgood forは「~の分の支払い能力がある、信用できる」という意味の口語表現です。be good for a sum of moneyの形で、金額を支払う余力・信用があることを表します。モスカは違法賭博の借金を抱えていたことがのちに明らかになりますが、その手口には触れず、ここでは大慌てで身の潔白ならぬ支払い能力を訴える様子だけに注目します。誓いの言葉まで添えて必死に取り繕う口調に、思い込みの勢いがそのまま表れています。
We’re like the FBI, only more conveniently located ― 身分を明かす軽口
手を頭に乗せさせられ、バッジを見せられたところで、モスカはようやく相手がCBI(カリフォルニア州捜査局)の捜査官だと気づきます。捜査官は名称を尋ねられ、こう軽口を返します。
We’re like the FBI, only more conveniently located.
(FBIみたいなものだが、もっと便利な場所にあるんだ。)The Mentalist Season2 Episode21
only more conveniently locatedは「ただし、より便利な場所にある」という意味で、組織の格を張り合うのではなく、立地の利便性という軽い切り口でからかう言い方です。緊張した取り違えの場面のあとに、こうした軽口を挟むところに、捜査官同士の余裕がうかがえます。
That’s how the bad guys do it ― 開き直りのユーモラスな切り返し
身分が分かったモスカは謝罪しますが、捜査官から「バッジを見せて名乗ったはずだ」と指摘されると、映画の見過ぎだとばかりに軽口で切り返します。
We showed you our badges and identified ourselves.
(バッジを見せて、名乗ったはずだが。)You never watch movies? That’s how the bad guys do it.
(映画観ないのか?悪党はそうやって騙すんだよ。)No, it’s not. Sit down.
(いや、違う。座れ。)The Mentalist Season2 Episode21
That’s how X do itは「それが~のやり方だ、~はそうやるものだ」という定型表現で、一般論を持ち出して自分の行動を正当化するときによく使われます。モスカは一度は謝罪しておきながら、映画の悪党のバッジ偽装というフィクションを引き合いに出して開き直ってみせますが、捜査官の素っ気ない切り返しで即座に片付けられてしまいます。取り繕おうとする一言と、それをあっさりいなす一言の落差がユーモラスな場面です。
まとめ|取り繕う言葉といなす言葉の落差
I’m good for the restは大慌てで支払い能力を訴える一言、That’s how the bad guys do itは開き直りの軽口です。いずれも、思い込みから始まったやり取りを取り繕おうとする言葉であり、それをあっさりいなす捜査官の返しとの落差が会話の面白さを生んでいます。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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