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『メンタリスト』シーズン2エピソード13は、高級車ディーラーの事件を追う捜査回です。今回は、リグズビーとヴァンペルトが交わす短い言い合いから、「if worse comes to worst」と「thanks for your permission」という表現を通して、譲れない主張を通す言い回しを読み解きます。
事件の緊迫感とは別の、二人のやり取りに表れる駆け引きに目を向けていきます。
「if worse comes to worst」-最悪の事態を先取りする一言
事件の見立てを話す流れで、リグズビーがヴァンペルトに向けて、二人の関係が上司に知られても心配していないと切り出します。そのうえで、最悪の場合を想定した見通しを口にします。
If worse comes to worse,
(最悪の場合でも、)The Mentalist Season2 Episode13 (Redline)
if worst comes to worst は「最悪の事態になったとしても」という意味の決まり文句で、起こりうる最も悪い結果をあらかじめ想定しておくときに使われます。台本でのリグズビーの発言は worst ではなく worse が重ねられた “if worse comes to worse” という形になっており、これは口語でよく見られる崩れた言い方です。本来の worst(最上級)の代わりに worse(比較級)を使う話者は実際に多く、ネイティブの自然な会話ではこの揺れがしばしば起こります。たとえば “If worst comes to worst, we can always reschedule the meeting.”(最悪の場合でも、会議を仕切り直せばいい)のように、深刻になりすぎない話し合いの場面でもよく使われる表現です。リグズビーはこのあと、異動になるとしても遠方には飛ばされないだろうという見通しを続けており、相手を安心させようとする気遣いの言葉として使われています。もっとも、この先取りした説明そのものが、次のやり取りのきっかけになっていきます。
「thanks for your permission」-先回りされた説明への切り返し
リグズビーの見通しを聞いたヴァンペルトは、自分が異動になる前提で話が進んでいることに反応します。
Well, you’re assuming I’m the one to be transferred?
(それって、異動するのは私だって決めつけてる?)The Mentalist Season2 Episode13 (Redline)
assume は「(根拠なく)決めつける、当然のことと思い込む」という意味の動詞です。ここでは疑問文の形で使われ、相手の前提そのものに異議を唱える切り返しになっています。リグズビーが勤続年数による先任権を理由に説明を続けると、ヴァンペルトはさらに踏み込んだ一言を重ねます。
It’s my career, too, Wayne.
(私にとってもキャリアなのよ、ウェイン。)The Mentalist Season2 Episode13 (Redline)
普段は丁寧な言葉を選ぶことが多いヴァンペルトが、ここでは相手を下の名前で呼びながら立場をはっきり言い切っています。it’s my career, too は、相手の主張に対して「自分にも同じだけの利害がある」と静かに、しかし譲らずに伝える形です。リグズビーが「そういうつもりじゃなかった」と説明を重ねると、ヴァンペルトは最後に皮肉のこもった一言で締めくくります。
Thanks for your permission.
(許可をありがとう。)The Mentalist Season2 Episode13 (Redline)
thanks for your permission は、字面どおりなら「許可をありがとう」という感謝の言葉ですが、ここでは求めてもいない許可を持ち出された「君にもキャリアがあっていい」という言い方への皮肉として使われています。感謝の形を借りて「そもそも許可を求めてなどいない」という主張を伝える言い回しで、丁寧な言葉づかいのまま反論する技術がよく表れています。
まとめ|丁寧な言葉のまま譲らない、主張の通し方
if worse comes to worseは最悪の事態を先取りする言い方、thanks for your permissionは感謝の形を借りた皮肉です。口調を荒げず主張を譲らない会話の技術が見えてきます。
『メンタリスト』の二人のやり取りには、こうした駆け引きの言い回しが見つかっていきそうです。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


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