海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン2エピソード13は、高級車ディーラーの事件を追う捜査回です。今回は、営業マンのキンジーが口にした「soap opera lives」という一言と、ジェーンにそれを茶化されたあとの「on the way up」という切り返しを通して、金持ちへの皮肉と本音を語る英語を読み解きます。
事件の内容から離れ、キンジーという一人の営業マンの人物像に表れる言葉選びに目を向けていきます。
「soap opera lives」-客の私生活を皮肉る一言
盗まれたフェラーリの行方を尋ねられたキンジーは、依頼客夫婦が別居中であることを説明しながら、こうこぼします。
Rich people and their frickin’ soap opera lives.
(金持ちってやつは、まったくメロドラマみたいな暮らしをしてる。)The Mentalist Season2 Episode13 (Redline)
soap opera は、昼間に放送される連続ドラマ(メロドラマ)を指す言葉で、そこから soap opera lives は「ドラマさながらの波乱に満ちた私生活」という意味の比喩として使われています。裕福な客の家庭内のいざこざを、大げさな連続ドラマになぞらえて皮肉る言い方です。台詞の中の frickin’ は、悪態というほど強くはないものの、あきれた気持ちを軽く滲ませる婉曲的な強め言葉として使われており、キンジーの本音めいた口調をよく伝えています。そばで聞いていたジェーンは、キンジーのこの一言をそのまま拾い上げ、引用符付きで繰り返してみせます。
“Rich people and their frickin’ soap opera lives.”
(「金持ちってやつは、まったくメロドラマみたいな暮らしをしてる」ね。)The Mentalist Season2 Episode13 (Redline)
相手の言葉をそのまま引用して茶化すこの言い方は、皮肉を返す会話の技術の一つです。自分の意見を新たに述べるのではなく、相手自身の発言をそっくり繰り返すことで、「よくもまあそんなことを」というニュアンスを添えています。
「on the way up」-皮肉の裏にある本音
キンジー自身の言葉を引用したジェーンは、続けてこう切り込みます。
You don’t really like rich people much, do you, Kinsey?
(本当は金持ちが好きじゃないんだろう、キンジー?)The Mentalist Season2 Episode13 (Redline)
キンジーは即座にこれを否定し、自分の本音を語り始めます。
Are you kidding? I love ‘em.
(冗談だろ、大好きだよ。)I’m on the way up, my friend. Rich people are taking me there.
(俺は今、成り上がっている最中なんだ。金持ちたちが俺をそこへ連れて行ってくれる。)The Mentalist Season2 Episode13 (Redline)
on the way up は「上昇の途中にある、出世の道の途中にある」という意味の言い回しです。地位や収入が上がっていく過程を指す表現で、ここではキンジーが自分自身の成功への道のりを語る言葉として使われています。似た意味を持つ言い方に moving up in the world(世の中で昇っていく、身を立てていく)がありますが、on the way upのほうが「今まさに途中である」という進行中の感覚が強く出る言い方です。裕福な客たちを皮肉りながらも、その同じ相手を自分の成功への足がかりとみなしているのが、このやり取りの面白いところです。皮肉と本音が矛盾なく同居しているところに、キンジーという人物の言葉選びの率直さが表れています。take someone there という言い方も、比喩的に「(人)をある状態・場所へ連れて行く」という意味で使われており、rich peopleを主語にすることで、自分の成功が他者次第であることを軽い調子で認めている点も見どころです。
まとめ|皮肉と本音が同居する、率直な言葉選び
soap opera livesは相手の私生活を皮肉る比喩、on the way upは自分の上昇志向を語る言い回しです。皮肉を口にしながらも本音を隠さないキンジーらしい言葉選びが、ふたつの表現から伝わってきます。
『メンタリスト』の何気ないやり取りにも、こうした人物像を映す表現が見つかっていきそうです。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


コメント