海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン1第8話は、モーテルの一室で起きた二重殺人をきっかけに、CBIと地元デイビス市警が同じ事件を追うことになる回です。今回は、二つの捜査チームが顔を合わせる場面で交わされる、縄張り意識がにじむ英語表現に注目します。
立場の違うチーム同士が距離を測り合う会話の中に、どんな言葉が使われているのか、場面の流れに沿って見ていきましょう。
「Don’t freeze ‘em out」―合同捜査への釘刺し
モーテルの現場に到着したCBIチームに、上司のミネリが被害者の身元を説明したあと、こう釘を刺す場面から話は始まります。
Minelli: Davis P.D. is still running the Carris case, by the way,so we have to work with them. Don’t freeze ‘em out.
(ちなみに、この事件はまだデイビス市警が担当している。彼らと協力する必要がある。仲間外れにするなよ。)The Mentalist Season1 Episode8 (The Thin Red Line)
freeze someone outは、直訳すると「凍らせて締め出す」ですが、実際には「人を仲間外れにする」「よそよそしい態度で遠ざける」という意味で使われる表現です。coldという語が「よそよそしい」というニュアンスを持つのと同じ発想で、freeze(凍らせる)もまた、人間関係の温度が下がって関わりを断つ様子を表しています。ミネリのこの一言は、CBIチームに対して「デイビス市警を蚊帳の外に置くな」と、合同捜査の心構えを最初に示す釘刺しになっています。
その直後、現場に挨拶に来たデイビス市警のブレイクリー刑事も、似た距離感を言葉ではっきりさせます。
Blakely: Listen, uh, just so we’re clear, now you can call us “liaisons” if you like, but this is still a Davis P.D. case.
(聞いてくれ、はっきりさせておきたいんだが、俺たちを「連絡役」と呼びたければそれでもいいが、これはあくまでデイビス市警の事件だ。)The Mentalist Season1 Episode8 (The Thin Red Line)
liaisonは「連絡係」「橋渡し役」を意味する語で、複数の組織が関わる捜査でよく使われる立場です。ブレイクリーは「連絡役と呼んでもいい」と一定の協力姿勢を見せながらも、”this is still a Davis P.D. case”と付け加えることで、事件の主導権は渡さないという線引きを崩していません。just so we’re clearは「はっきりさせておくが」という前置きで、これから言うことが譲れない主張であることを予告する働きをしています。
「That’s our bust. Hand him over.」―対立が噴き出す一触即発の英語
物語後半、地元警察が容疑者リック・カリスの身柄確保に合同チームの到着を待たずに踏み込もうとする場面で、両者の緊張は言葉の応酬として噴き出します。
Preciado: That’s our bust. Hand him over.
Lisbon: The hell we will. Walk away.
(「これは俺たちの手柄だ。そいつを引き渡せ」「冗談じゃない。引きなさい」)
The Mentalist Season1 Episode8 (The Thin Red Line)
bustは警察の隠語で「摘発」「逮捕」を意味し、”that’s our bust”は「これは俺たちの手柄だ」というニュアンスで所有権を主張する言い方です。hand overは「引き渡す」という意味の句動詞で、命令形で使うと相手に有無を言わせず要求する響きになります。対してリズボンが返すwalk awayは、その場から身を引かせる命令で、”the hell we will”(冗談じゃない)という強い否定とセットになることで、一歩も譲らない姿勢を鮮明にしています。
| 表現 | 使われ方 |
|---|---|
| hand over | 相手に何かの引き渡しを命令口調で求める |
| walk away | その場から立ち去る/手を引くよう命じる |
同じ「命令形の一言」でも、hand overは相手に行動を差し出させる言葉であり、walk awayは相手をその場から遠ざける言葉です。管轄という縄張りを巡るやり取りが、こうした短いフレーズの応酬として表れている様子が見えてきます。
まとめ|組織同士の距離感を映す英語
freeze out・liaison・hand over・walk away――今回取り上げた表現には、複数の組織が同じ現場に関わるときに生まれる距離感や緊張が映し出されています。短い一言に立場や主張が凝縮されている様子が伝わってきます。
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