海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『メンタリスト』シーズン1第8話は、殺害された証人の留守電に残されていたメッセージが、取調べの決め手として使われる回です。今回は、容疑者リック・カリスが自分の発言を切り抜けようとするやり取りに現れる、有言実行と誇張表現をめぐる英語に注目します。
問い詰める側とかわす側、それぞれの言葉がどう噛み合っていくのか、取調室のやり取りに沿って見ていきましょう。
「Are you a man of your word, rick?」―有言実行を問い詰める言い回し
取調室に連れてこられたリック・カリスに、チョウがこう切り出す場面から尋問は始まります。
Cho: Are you a man of your word, rick?
Rick Carris: I am.
Cho: You do what you say you’ll do?
(「お前は有言実行するタイプか、リック?」「そうだ」「口にしたことは、やり遂げる方か?」)
The Mentalist Season1 Episode8 (The Thin Red Line)
a man of your wordは、直訳すると「自分の言葉の男」ですが、実際には「有言実行の人」「約束を守る人」という意味で使われる決まった言い回しです。wordには「言葉」だけでなく「約束」という意味があり、a man of his word・a man of her wordのように主語に合わせて所有格を変えて使います。この問いかけのあと、チョウは殺害された証人ジョー・パーセルの留守電に残されていた、物騒な言葉を並べたメッセージを再生してみせます。カリス自身の声だったそのメッセージを突きつけられ、有言実行を問う一言が、そのまま尋問の核心へとつながっていきます。
「Hyperbole is lost on some people.」―誇張をかわす切り返し
自分の声だと認めざるを得なくなったカリスは、開き直ってこう言い返します。
Rick Carris: Hyperbole is lost on some people.
(大げさな言い方が通じない相手もいるんだな。)The Mentalist Season1 Episode8 (The Thin Red Line)
hyperboleは「誇張表現」を意味する語で、発音は「ハイパーボリー」に近く、日常会話でも「大げさな言い方」を指してよく使われます。be lost on someoneは「(冗談や皮肉などが)相手に伝わらない」という意味の言い回しで、hyperbole is lost on some peopleは「大げさな表現が通じない人もいる」、つまり「本気にされても困る」という開き直りの言い訳になっています。
続けてチョウが、留守電の内容通りに事件が起きたのではないかと追及すると、カリスは自分の言葉をあくまで大げさな言い回しだったと言い張ります。それを受けて、リズボンは皮肉たっぷりにこう切り返します。
Lisbon: Poetic license.
(詩的許容ってやつね。)The Mentalist Season1 Episode8 (The Thin Red Line)
poetic licenseは、直訳すると「詩人の特権」ですが、「事実を多少誇張したり脚色したりする表現上の自由」を指す言い回しです。詩や物語の表現で、事実そのままでなくても許容される誇張を指す言葉として使われてきました。リズボンはこの言葉をあえて選ぶことで、カリスの言い訳を皮肉交じりに切り返しています。物騒な発言を「誇張」「詩的許容」という言葉で正当化しようとするカリスと、それを見透かすリズボンのやり取りに、誇張表現を巡る攻防が表れています。
| 表現 | 使われ方 |
|---|---|
| hyperbole | 大げさな言い方そのものを指す |
| poetic license | 誇張や脚色を正当化する言い訳として使う |
まとめ|有言実行と誇張の境界線を示す英語
a man of your word・hyperbole・poetic license――取調室でのやり取りには、発言をどこまで本気に受け取るべきかという駆け引きを映す表現が並んでいます。有言実行を問う言葉と誇張をかわす言い訳との間で揺れ動く様子が読み取れます。
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