「be out for blood」の意味と使い方|『メンタリスト』S01E08で学ぶ英会話

「be out for blood」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

止めても聞かない、待てと言われても待たない。相手を仕留めるまで引く気がない人を前にして、どう説明したものかと言葉に詰まった経験はありませんか。

そんな状態をわずか三語で言い切る「be out for blood」を、『メンタリスト』シーズン1第8話の中盤、突入班を待たずに踏み込んだ刑事たちをチョウが評するシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「be out for blood」の意味とニュアンス

be out for blood
意味:相手を叩きのめす気でいる、報復に燃えている

out for 〜 は「〜を狙って動いている」という形です。その目的語に blood が置かれることで、狩りや闘技の場のように、相手を仕留めるまで引かない状態を表します。

押さえておきたいのは、単に怒っているのとは違うところです。標的がはっきり定まっていて、しかも手加減する気がない。この二つがそろって初めて be out for blood になります。誰にともなくいらだっている状態には使いません。

主語は人だけではありません。チーム、企業、報道機関、世論など、集団を主語に置いても自然に働きます。実際に血が流れる場面である必要もなく、スポーツの試合や仕事の追及にも、誇張として気軽に使えます。

日本語にすると「本気で潰しにきている」「報復に燃えている」あたりが近く、場面によっては「頭に血が上っている」も収まります。

【ここがポイント!】

  • 核は out for 〜 の「狙って動いている」に blood が乗った形、引く気のなさが出る
  • ただ怒っているのではなく、標的が定まっていて手加減しないという二重の条件つき
  • 人にも集団にも使えて、血が流れる場面でなくても誇張として成立するのが便利なところ

『メンタリスト』S01E08のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

密告で容疑者の居場所が割れ、CBI と地元警察が合同で踏み込むはずだった現場です。ところが地元の刑事二人は突入班を待たず、自分たちだけで飛び込んでいきました。止めに入ろうとするリグスビーをチョウが引き離し、そこへ駆けつけたリスボンが状況を尋ねます。チームでいちばん冷静な人物が、その場の熱を三語で言い切ります。

Cho: Rigsby, hey, hey. Walk away. Walk away. Look at me. All right? We told ‘em not to go in. If this goes south now, it’s their necks. We don’t want to be involved in any way. Be smart. Let it go.
(リグスビー、おい。離れろ。離れるんだ。こっちを見ろ。いいか、俺たちは踏み込むなと伝えた。ここで失敗すれば、責任を負うのは向こうだ。こっちは一切関わらないほうがいい。賢くいけ。放っておけ)

Lisbon: What’s going on? What are they doing?
(何が起きてるの。あの人たち、何をしてるの)

Rigsby: Blakely and Preciado wouldn’t wait for the entry team. Tried to talk to them. They wouldn’t listen.
(ブレイクリーとプレシアドが突入班を待とうとしなくて。説得は試みましたが、聞く耳を持ちませんでした)

Cho: They’re out for blood.
(あの二人は、完全に頭に血が上ってます)

The Mentalist Season1 Episode8(The Thin Red Line)

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シーン解説と心理考察

チョウの制止は、感情ではなく計算で組み立てられています。踏み込むなと伝えた事実、失敗したときに責任を負うのは誰か、こちらが巻き込まれないための立ち位置。順を追って並べていく話し方に、この人物の一貫した冷静さが表れています。

そのチョウが、リスボンへの説明として選んだのが三語だけの一文でした。長い経緯を足さず、相手の状態を一息で確定させる。無駄を削ぎ落とすチョウの話し方と、be out for blood という表現の短さが、きれいに噛み合っています。

対比も見どころです。何年も追ってきた相手を目の前にした二人が、手順を捨ててでも取りにいこうとしている。その熱を言葉にしているのが、その場でいちばん温度の低い人物だという構図が、この一言をより際立たせています。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

匂いを捉えた猟犬が、鎖を引きちぎらんばかりに前へ出ようとしている姿を思い浮かべてみてください。呼び戻しても止まらない。獲物の方向だけを見て、手順も周囲も目に入らなくなっています。

覚え方の軸は、「怒っている」ではなく「標的が定まり、仕留めるまで引かない」という一点に置くとつかみやすくなります。out for 〜 は「〜を狙って動いている」。その先に blood が置かれることで、途中で止まる気がないという強さが出ます。

劇中でも、長く追ってきた相手を前にした刑事二人が、待てという指示を振り切って走り出しました。鎖を引く猟犬の絵と、その二人の背中を重ねておくと、この表現が運ぶ勢いが記憶に残ります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「be out for blood」

人にも集団にも使えて、深刻な場面から試合の話まで幅広くカバーします。主語の違う3つの例文で、その広がりを見ていきましょう。

After that call, the crowd was out for blood.
(あの判定のあと、観客は完全に頭に血が上っていた)
試合の様子を友人に話す場面です。集団を主語にすると、場全体の熱を一言で伝えられます。

The press is out for blood over the delayed report.
(報告の遅れをめぐって、メディアが追及の手を緩めていない)
社内で外部の反応を共有する場面です。組織や世論を主語にしても、比喩として自然に収まります。

A: Should I go ask her about the numbers now?
B: I wouldn’t. She’s out for blood today.
(A:今から数字の件、聞きに行ったほうがいいかな)
(B:やめておきなよ。今日は容赦ないから)
同僚に注意を促す場面です。警告として使うと、近づかないほうがいいという含みが自然に出ます。

あわせて覚えたい関連表現

out for revenge
(復讐しようとしている)
過去にやられたことへの仕返し、という因果がはっきりしています。理由よりも「引かない」という状態そのものに焦点がある be out for blood とは、見ている場所が違います。

have it in for someone
(〜を目の敵にしている)
特定の相手に継続的な悪意を持っている状態を指します。一時的に燃え上がっている be out for blood とは、時間の幅が違う表現です。

go for the jugular
(急所を突く、容赦なく攻める)
攻め方が的確で残酷だという点に焦点があります。be out for blood は姿勢や勢いを表すだけで、その攻撃が的確かどうかまでは含みません。

Note|「血」を比喩に使う英語と、使いにくい日本語

be out for blood を訳そうとすると、少し迷う瞬間があります。「血」を残して訳すか、消して訳すか。この迷いは、二つの言語で blood と「血」が置かれている位置の違いから生まれます。

英語には blood を核にした言い回しが数多くあります。bad blood(遺恨)、blood feud(積年の争い)、make someone’s blood boil(激怒させる)、in cold blood(冷酷に)、blood, sweat and tears(多大な労苦)、new blood(新しい人材)。どれも日常語として使われていて、口にするときに生々しさを感じさせません。長く比喩として使われてきたぶん、blood という語の生理的な手ざわりが磨り減っていて、記号として軽く扱えるようになっています。

日本語の「血」は、そこまで磨り減っていません。「血眼になる」「血の気が多い」「血で血を洗う」といった言い方は存在しますが、いずれも口にすると重さが残り、雑談で軽く使うには向きません。だから be out for blood を「血眼になっている」と訳すと原文より深刻に響き、「本気で潰しにきている」と訳すと原文にある blood の記号性が落ちます。どちらかを選ぶしかない、という状況が生まれます。

劇中のチョウの一言も、この差がそのまま出る場所です。原文の They’re out for blood. は短くて乾いた響きですが、日本語で同じ乾き方を再現しようとすると、血という語を外したほうが近くなります。

同じものを指す語でも、どこまで比喩として使い減らされているかは、言語ごとにまるで違うようです。

まとめ|引かない、という状態

be out for blood が伝えているのは、怒りの大きさではなく、引く気がないという姿勢です。標的が定まっていて、止まる予定がない。この二つがそろった状態を、たった三語で言い切れます。

会話に入れておくと、長い経緯を説明せずに相手の温度を共有できるようになります。スポーツの観客席にも、追及を強める報道にも、機嫌の悪い上司にも使えて、どこまで深刻かは場面のほうが調整してくれます。

劇中のチョウは、いちばん熱の低い場所からその一言を放ちました。冷静な人が使うからこそ、状況の熱さが際立つ。そんな一語として、会話のレパートリーに加えてみてください。

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