海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
会議で本筋から外れた細かい話にどんどん踏み込んでしまい、隣の同僚から「そろそろ本題に戻りましょう」と目配せされるような場面が、仕事の現場にはよくあります。
そんな話が細部に入り込みすぎている状態を表す「get into the weeds」を、『メンタリスト』シーズン5第10話、ホテルでのおとり捜査中、言い争いが本筋からそれかけたのをリズボンが見抜くシーンから、一緒に見ていきましょう。
「get into the weeds」の意味とニュアンス
get into the weeds
意味:(話や作業が)細部に入り込みすぎる、本筋から外れて瑣末なことにこだわる
このフレーズは、会議や議論の場で、全体像や結論から離れて、些細な詳細にばかり時間をかけてしまっている状態を指摘するときに使われます。get too into the weedsやbe in the weedsのように、程度を強調する形でもよく使われます。
weeds(雑草)という単語が示すとおり、整った芝生や道から外れて、生い茂った雑草の中に足を踏み入れてしまうイメージが土台にあります。抜け出しにくく、視界も悪くなる雑草地帯に迷い込む様子が、瑣末な議論に時間を取られてしまう感覚とよく重なります。
ビジネスの会議で頻繁に使われる一方、日常会話でも話が細かくなりすぎていることを指摘する軽い一言として使うことができます。
【ここがポイント!】
- weeds(雑草)に迷い込むイメージが示す、本筋から外れた状態
- 会議やビジネスの議論で頻繁に使われる定番フレーズ
- 「そろそろ本題に戻ろう」という軌道修正の合図としても機能
『メンタリスト』S05E10のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ジェーンとリズボンは、事件の鍵を握る新種のマリファナの種を巡って、対立する二人の売り手をホテルの一室に呼び出すおとり捜査を仕掛けます。二人が互いの正当性を主張し始め、話が本筋から逸れていくのを、隣室でモニターを見ながらリズボンが指摘する場面です。
フランチェスカ: I don’t know what you have, but my product is authentic. I hired the team that grew it.
(あなたが何を持っているか知らないけど、私の商品は本物よ。育てたチームを雇ったのは私なんだから。)マシュー・ゴールド: You poached a kid that I trained.
(お前は俺が育てた子を引き抜いたんだ。)フランチェスカ: Thanks for the head start.
(下地を作ってくれて助かったわ。)リズボン: We’re getting into the weeds here.
(話が細かいところに入り込みすぎてるわね。)ジェーン: I’m on it.
(任せてくれ。)The Mentalist Season5 Episode10 (Panama Red)
シーン解説と心理考察
フランチェスカとマシューは、互いに相手を出し抜こうとする駆け引きの中で、いつしか誰がどちらの功績を持っているかという言い合いに熱くなっていきます。事件の核心である種の在りかからは、少しずつ話題がずれていく様子が伝わってきます。
リズボンの話が細かいところに入り込みすぎているという一言は、捜査官としての冷静な観察眼を映し出しています。感情的な応酬を俯瞰しながら、作戦の本来の目的を見失わないよう軌道修正を図る姿勢がうかがえます。
対するジェーンの短い返事I’m on it.には、迷いのない身のこなしが表れています。イヤホン越しにリグズビーへ次の一言を吹き込み、会話の流れを再び本筋へと引き戻していく手際の良さが、この後の展開への布石になっています。
『メンタリスト』流・覚え方のコツ
きれいに刈られた芝生の道を歩いていたはずが、いつの間にか足元に雑草が生い茂り、抜け出しにくくなっている状況を思い浮かべてみてください。get into the weedsのweedsは、まさにその視界を遮る雑草そのものです。
このシーンでは、言い争いに夢中になる二人を横目に、リズボンだけが一歩引いた視点を保っていました。会議や議論が細部に迷い込みかけたとき、この一言で本筋の道に引き戻す感覚とセットで覚えると、実際の場面でも使いやすくなります。
例文で覚える「get into the weeds」
会議での軌道修正から、雑談の中の一言まで、幅広い場面で活躍する表現です。3つの例文で確認しましょう。
Let’s not get into the weeds on pricing details today. We can discuss that separately.
(今日は価格の細かい話には踏み込まないようにしましょう。それは別の機会に話せますから。)
会議の進行役が、議題を整理するときによく使う一言です。
He tends to get into the weeds whenever someone asks a simple question.
(彼は誰かが簡単な質問をするたびに、細かい話に入り込みがちだ。)
同僚の話し方の癖を説明する、少しユーモラスなニュアンスの使い方です。
A: Can you give me the short version?
B: Sure, sorry. I was getting into the weeds there.
(A:手短にまとめてもらえる?)
(B:了解、ごめん。ちょっと細かい話に入り込みすぎてた。)
自分から話を軌道修正する、謙虚な一言としても使えます。
あわせて覚えたい関連表現
lose sight of the big picture
(全体像を見失う)
get into the weedsが細部への没入そのものを指すのに対し、こちらはその結果として本来の目的や結論を見失う状態に焦点があります。
nitpick
(些細な点をあら探しする)
細部にこだわる点は共通していますが、こちらは相手の欠点を細かく指摘するという、より批判的なニュアンスを持つ表現です。
bring it back on track
(話を本筋に戻す)
get into the weedsで逸れてしまった話を、もとの道筋に戻す行為を表す表現で、セットで使われることの多い言い回しです。
Note|厨房と会議室、二つの weeds
weeds を使う言い方には、ビジネス会話とは別に、飲食業界で使われる用法があります。
飲食業界の in the weeds は、ランチタイムなどの混雑で注文が重なり、対応しきれなくなったスタッフの状態を指します。厨房やホールで身動きが取れないほど仕事に追われる感覚を、雑草に足を取られるイメージで表す言い方です。
一方、ビジネス会話の get into the weeds は、話が細部に入り込みすぎる様子を表します。両者の直接的な派生関係ははっきりしていませんが、片方は業務量に埋もれ、もう片方は議論の細部に埋もれるという、共通のイメージを持っています。
リズボンが会議室ならぬホテルの一室で発したこの一言も、まさに感情的な言い合いという名の雑草に、二人が足を取られかけていたことを的確に言い当てていました。
まとめ|本筋を見失わないための一言
get into the weedsは、雑草地帯に迷い込むイメージを土台に、話や作業が細部に入り込みすぎている状態を表す表現です。会議の軌道修正から、日常の雑談まで幅広く使える便利な一言です。
言い争いに夢中になる二人を前に、リズボンだけが一歩引いた視点を保っていた場面でした。感情に流されそうになったとき、誰かがそっとweedsという言葉を差し出してくれる、そんな瞬間が印象に残ります。


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