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『モダンファミリー』シーズン4第12話では、ミッチェルが、教職に戻ったキャメロンは仕事でうまくいっていないと思い込みます。ところが、キャメロンの口から出てきたのは正反対の話でした。
新しい職場や学校に「なじめない」「なじめた」は、英語ではどう言うのでしょうか。動詞 click を軸に、思い込みを謝る言い方や、話を最後まで聞いてほしいときの一言もあわせて見ていきます。
「none of it’s clicking」で、うまくいっていない様子を言う
ミッチェルは、キャメロンの近況についてこう語ります。
Mitchell: I know Cam’s been struggling since he went back to teaching.
(キャムが教職に戻ってから苦労してるのは分かってる。)Mitchell: The students, the faculty– none of it’s clicking.
(生徒も、教員仲間も……何ひとつかみ合ってない。)Mitchell: The last thing he needed was me going on about my latest work triumph.
(キャムに一番必要なかったのは、僕が最近の仕事の手柄をべらべら話すことだったのに。)Modern Family Season4 Episode12 (Party Crasher)
click はもともと「カチッと鳴る」という意味の動詞です。そこから、部品がカチッとはまるように「物事がうまくかみ合う」「人と気が合う」という意味でも使われます。none of it’s clicking は「何ひとつかみ合っていない」で、生徒とも同僚の先生たちとも、うまくいっていないと言い表しています。
struggling は「苦戦している」で、been struggling since ~ の形にすると「〜して以来ずっと」という時間の幅が加わります。going on about ~ は「〜について長々としゃべる」という意味で、相手の状況も考えずに自分の手柄を話してしまったと、ミッチェルが自分の振る舞いを振り返る言い方になっています。
ここで押さえておきたいのは、none of it’s clicking がミッチェルの見立てだという点です。キャメロン本人がそう言ったわけではなく、この思い込みが後の場面の行き違いにつながっていきます。
- A: How’s the new job going?
(新しい仕事はどう?) - B: Honestly, it’s not clicking yet.
(正直、まだしっくりきてないんだ。)
「I clicked with」と「I belonged」で、なじめたことを伝える
別の場面で、ミッチェルはキャメロンに謝ります。それに対するキャメロンの返事は、ミッチェルの予想とは違うものでした。
Mitchell: Hey, Cam, I-I’m so sorry that I insulted you earlier.
(ねえ、キャム、さっきは君をけなすようなことを言って、本当にごめん。)Mitchell: I thought that there was something going on at work, and, ugh, obviously, I was wrong.
(仕事で何かあったんだと思ってたけど、うう、どう見ても僕の勘違いだった。)Cameron: Well, you’re wrong again.
(いや、また外れだよ。)Cameron: It is about work.
(仕事のことなんだよ。)Mitchell: This is a fun game.
(これは楽しいゲームだな。)Modern Family Season4 Episode12 (Party Crasher)
I’m so sorry that I ~ earlier は、少し前の自分の言動を具体的に挙げて謝る形です。obviously, I was wrong と自分の誤りを認めたところへ、キャメロンは you’re wrong again と返します。「仕事の話ではなかった」というミッチェルの訂正を、もう一度ひっくり返す切り返しです。This is a fun game. は、当てては外れる流れを皮肉まじりに言った軽口と読み取れます。
Cameron: I didn’t bring it up before because I was embarrassed.
(前に言わなかったのは、恥ずかしかったからさ。)Cameron: But yesterday was the best day I’ve had at work yet.
(でも昨日は、仕事を始めてから最高の一日だったんだ。)Cameron: I clicked with the students, the teachers.
(生徒とも、先生たちとも打ち解けられた。)Cameron: I finally felt like I belonged.
(やっと居場所ができたって思えたんだよ。)Modern Family Season4 Episode12 (Party Crasher)
click with + 人 は「〜と気が合う、打ち解ける」です。ミッチェルの none of it’s clicking と同じ動詞が、ここでは正反対の意味の報告に使われているのが面白いところです。I felt like I belonged. は「自分の居場所だと感じた」で、belong 一語で「その場の一員になれた」という感覚を表せます。finally が入ることで、そう感じられるまでに時間がかかったことも伝わります。
前置きの I didn’t bring it up before は「前は話を持ち出さなかった」で、bring up は「話題に出す」という句動詞です。
- A: How was your first month at the office?
(職場での最初の1か月はどうだった?) - B: Great. I really clicked with my team.
(よかったよ。チームのみんなとすっかり打ち解けたんだ。)
「I get it」と「I’m in the middle of my story」
キャメロンの話の途中で、ミッチェルが相づちを入れます。
Mitchell: I get it.
(分かるよ。)Cameron: You couldn’t possibly get it.
(分かるはずないよ。)Cameron: I’m in the middle of my story.
(まだ話の途中なんだから。)Mitchell: I’m sorry.
(ごめん。)Modern Family Season4 Episode12 (Party Crasher)
I get it. は「分かった、理解した」という相づちで、相手に寄り添う気持ちを伝えるときに使われることが多い表現です。ただ、話の結論が出る前に言うと、「最後まで聞いていない」と受け取られることもあります。キャメロンの You couldn’t possibly get it. は、couldn’t possibly で「分かるはずがない」と強く打ち消す言い方です。続く I’m in the middle of my story. は「まだ話の途中だ」と伝えて、話を遮られたことを指摘する一言になっています。
このあとキャメロンは、毎日2時半にリリーに電話していることを話し始め、話題はリリーとの関係へと移っていきます。I get it. で話を先回りせず、相手の話を最後まで聞くかどうかで受け取られ方が変わる場面です。
| 表現 | 意味 |
|---|---|
| none of it’s clicking | 何ひとつかみ合っていない |
| click with + 人 | 〜と打ち解ける |
| I felt like I belonged. | 居場所ができたと感じた |
| I was wrong. / you’re wrong again | 自分の誤りを認める / 再び訂正する |
| I’m in the middle of my story. | まだ話の途中だ |
まとめ|click が映す職場のなじみ具合
none of it’s clicking と I clicked with ~ は、同じ click で職場になじめない様子とうまくいった喜びを言い分けられます。I felt like I belonged. や I’m in the middle of my story. も、人間関係の話で役立つ表現です。
次回も『モダンファミリー』の会話を手がかりに、英語のニュアンスを一緒に読み解いていきましょう。
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