海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン7第10話には、隠していたことを打ち明ける場面が二つあります。誕生日の準備が間に合わなかったヘイリーたち3人と、友人夫婦との食事の席で事情を問い詰められるフィルです。
言いにくいことほど、どう切り出すか最初のひと言に迷うものです。二つの場面には、打ち明ける側の切り出し方や受け止める側の返し方、それを止めようとする口止めの言葉までがそろっています。
期待に応えられなかったと打ち明ける「let someone down」
ミッチェルのために特別な1日を用意するはずだった3人は、行き先に迷いながらその日を過ごします。浮かない様子の理由を居合わせた人に聞かれて、アレックスはこう説明します。
Alex: We just really feel like we let our uncle down.
(おじさんをがっかりさせちゃったなって、本当に思ってて。)Alex: We were supposed to plan a special day for his birthday, and we totally flaked.
(誕生日に特別な1日を計画するはずだったのに、完全にすっぽかしちゃったの。)Modern Family Season7 Episode10 (Playdates)
let someone down は「(期待を裏切って)人をがっかりさせる」という句動詞です。We just really feel like ~ と気持ちから入ることで、言い訳ではなく反省として伝わります。We were supposed to ~ は「本当は〜するはずだった」と、果たせなかった予定を自分から認める形です。
flake は口語で「約束をすっぽかす、当てにならない」という意味の動詞で、totally が付いて「完全にやらかした」という響きになります。名詞の flake は「当てにならない人」を指すことがあります。
謝罪の言葉が続いたあと、ミッチェルはこう返します。
Mitchell: Don’t say that.
(そんなこと言わないで。)Mitchell: I kind of figured you didn’t have anything by the second verse of the omelet dance.
(オムレツの歌の2番あたりで、何も用意してないんだろうなって薄々分かってたよ。)Modern Family Season7 Episode10 (Playdates)
Don’t say that. は、自分を責める相手を止めるときの短いひと言です。I kind of figured ~ は「〜だろうと薄々思っていた」で、kind of が断定をやわらげています。打ち明けられた側が、責めずに受け止める返し方の一例です。
観念して話し始める「if you have to know」
もう一つは、クレアとフィルが友人夫婦のトムとリサと食事をする席です。フィルが「払うしかなかった」と言ったことで、その理由が問題になります。クレアに名前を呼ばれ、フィルはついに口を開きます。
Claire: Phil?
(フィル?)Phil: Fine if you have to know every last detail about my life I lost a bet to Tom in Cabo.
(わかったよ、俺の人生の細かいことまで全部知りたいって言うなら……カボでトムとの賭けに負けたんだ。)Modern Family Season7 Episode10 (Playdates)
Fine は「わかったよ」と渋々引き下がる前置きで、続く if you have to know ~ は「どうしても知りたいなら」という意味です。every last detail は「細かいことまで一つ残らず」と、大げさに言い返す強調の形です。every last ~ は every をさらに強めた言い方で、every last penny(最後の1セントまで)のようにも使われます。
この組み立ては、隠していたことを話し始めるときの合図になります。If you must know, I forgot.(どうしても知りたいなら言うけど、忘れてたんだ。)のように、must を使った形もあります。どちらも「言わされている」という少しむっとした響きがあるため、相手が身構えない場面では To be honest, ~(正直に言うと)から入るほうが穏やかです。
口止めされても「They’re gonna figure it out」
打ち明けた後も、クレアの質問は続きます。トムはフィルを止めようとしますが、フィルは隠し通せないと考えます。
Claire: Why didn’t you just say that?
(なんでそう言わなかったの?)Phil: Th– there’s no reason.
(べ、別に理由はないよ。)Phil: I don’t
(俺は……)Claire: What was the bet?
(何の賭けだったの?)Tom: Phil, I mean it don’t say another word.
(フィル、本気だぞ。それ以上ひと言も言うな。)Phil: They’re gonna figure it out, Tom.
(どうせばれるって、トム。)Tom: How could they figure out, Phil?
(どうやってばれるっていうんだ、フィル?)Modern Family Season7 Episode10 (Playdates)
Why didn’t you just say that? は「なんでそう言わなかったの?」で、just が「ひと言言えば済んだのに」という気持ちを加えます。それに対する There’s no reason. は、理由を言わずにかわす返し方です。
トムの I mean it は「本気で言っている」と念を押す言い方で、don’t say another word は「それ以上ひと言もしゃべるな」という口止めです。フィルの They’re gonna figure it out. は「どうせ気づかれる」という意味で、figure out は「(答えに)たどり着く」を表します。
トムに「どうやって?」と問い返されても、フィルは同じ言葉を繰り返します。口止めされても、隠し通せないと判断している様子が分かります。
賭けの中身が明かされたあと、フィルはクレアにこう言います。
Phil: You’re missing the silver lining here, honey.
(いい面を見落としてるよ、ハニー。)Phil: I lost the bet.
(俺は賭けに負けたんだ。)Modern Family Season7 Episode10 (Playdates)
silver lining は「(悪いことの中にある)明るい面」を指す言い方です。打ち明けたあとで、負けたことを、むしろ良い面として示そうとするひと言です。
まとめ|打ち明けるときの切り出し方
we let ~ down や We were supposed to ~ で自分から非を認める言い方、if you have to know で観念して話し始める前置き、I mean it と don’t say another word の口止め。言いにくいことを口にする場面の英語が、二つの筋に分かれて描かれていると言えます。
次回も『モダンファミリー』と一緒に、場面ごとの英語を集めていきましょう。
3人が予定を慌てて考える場面や、食事の会計をめぐる文化は、同じ回のほかのコラムで、個々の表現はフレーズ記事でも扱っています。


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