「draw someone out」の意味と使い方|『モダンファミリー』S07E10で学ぶ英会話

「draw someone out」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

口数の少ない相手に、どうすれば話してもらえるのか。そんな助言を真剣に伝える場面が、ドラマには時々あります。

そんなときにぴったりの「draw someone out」を、『モダンファミリー』シーズン7第10話の中盤、リリーに相手との話しかけ方を教えるキャメロンの台詞から、一緒に見ていきましょう。

目次

「draw someone out」の意味とニュアンス

draw someone out
意味:(内気な人などに)うまく話をさせて、気持ちや考えを引き出す

drawは「引く」、outは「外へ」を表す語で、直訳は「(その人を)引き出して外へ出す」です。人見知りや遠慮で自分から話さない相手に、質問や優しい働きかけをして、うちとけて話すように導くことを表します。

無理に聞き出すのではなく、話しやすい雰囲気を作って、相手の言葉や持ち味が外に出てくるのを助ける点が特徴です。話をさせる側の工夫が主役になるため、相手の性格を変えるというより、その場での会話を動かすための働きかけを指します。会議で発言の少ない同僚に意見を求める、緊張している来客に質問をして話してもらう、人見知りの子に声をかけて輪に入れるといった場面で使えます。

見出しのsomeoneの位置には、働きかける相手を表す語が入ります。台詞ではdraw him outの形で、代名詞のhimが入っています。代名詞のときはdrawとoutの間に置くため、draw out himとは言いません。

【ここがポイント!】

  • 「引っぱり出す」という動作が、内気な相手から言葉や本音を引き出す働きを表す
  • 目的語が代名詞のときは、draw him outのようにdrawとoutの間に入る
  • 質問や笑顔でゆっくり引き出す、やわらかな働きかけを表すのがコツ

『モダンファミリー』S07E10のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

キャメロンがリリーに、好意を寄せる相手との接し方を教える場面です。キャメロンは、リリーの気になる相手をモンテという男の子だと見ています。リリーが「どうやって?」と尋ねると、キャメロンは相手の前に座って質問する、といった具体的なやり方を挙げていきます。今回のフレーズは、その助言の核になる一言です。

Cameron: I think he likes you, too. You just have to draw him out, you know? Flirt a little.
(あの子もきみのことが好きなんだと思うよ。あとは、あの子の話を引き出してあげればいいんだ。ちょっと気を引いてみて。)

Lily: How?
(どうやって?)

Cameron: Uh, well, you just sit down in front of him, look him straight in the eye, put a big smile on your face, and ask him some questions, like, “so, do you have any hobbies? Is Canada really as beautiful as they say it is? Are you a fan of the bacon?”
(えっと、あの子の前に座って、まっすぐ目を見て、満面の笑みで、いくつか質問すればいいんだ。「趣味はある? カナダって評判どおりきれいなところ? ベーコンは好き?」って感じでね。)

Lily: Why are you blinking like that?
(どうしてそんなにまばたきしてるの?)

Cameron: Well, because I’m sending him signals.
(それはね、あの子に合図を送ってるからさ。)

Modern Family Season7 Episode10 (Playdates)

シーン解説と心理考察

助言の中心にあるのは、相手に話をさせる、という発想です。キャメロンは、相手の男の子もリリーのことが好きなのだろうと見て、あとは相手が話してくれるように引き出せばいい、と伝えます。リリーが自分の気持ちを一方的に伝えるのではなく、相手が話しやすい流れを作ること。その考え方が、draw him outの一言に詰まっています。話をさせる側に回るという立場の取り方が、この表現の核にあたります。

リリーの「どうやって?」に対する答えは、具体的な手順です。前に座る、目を見る、笑顔になる、質問をする。しかも質問の例は、趣味、カナダ、ベーコンと、相手の暮らしや好みに関わる話題ばかりです。相手が答えやすい質問から入る手順は、draw someone outの働きをそのまま形にしたものと言えます。質問の中身が自分の話ではなく相手の話であることも、見逃せない点です。

リリーにまばたきの理由を聞かれて、「合図を送っている」と答えるところには、真剣に娘の力になろうとするキャメロンのまじめさと、張り切りぶりが同居しています。助言の中身は筋が通っているのに、実演のほうが一歩先に出てしまう。その落差が、この場面のおかしみになっています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

draw outの「引き出す」という動きは、引き出しの取っ手を持って、ゆっくり手前に引く動作に重ねると覚えやすくなります。中にしまってあるのは、相手の言葉や気持ちです。力まかせに引くと引っかかりますが、手順を踏んで少しずつ引けば、すっと出てきます。

キャメロンの助言も、この動作そのものです。前に座る、目を見る、笑顔になる、質問をする。ひとつずつ手順を踏むことで、相手の引き出しが開いていくという筋立てになっています。

引き出されるのは、物ではなく人です。だからこそ、draw him outのように人を表す語をあいだに入れ、「その人を」と対象をはっきりさせて使います。手順を踏んで引く、という動きの絵を思い浮かべながら、人に対して使う場面を探してみましょう。

例文で覚える「draw someone out」

人見知りの相手、仕事の場面、会議の場面と、3つの場面で確かめていきましょう。

She’s shy, but a few friendly questions helped draw her out.
(彼女は内気だが、親しみのある質問をいくつかしたら、話してくれるようになった。)
人見知りの相手との会話を振り返る場面です。代名詞のherが、drawとoutのあいだに入る形になっています。

A good interviewer knows how to draw a guest out.
(うまいインタビュアーは、ゲストから話を引き出すこつを知っている。)
話を聞く仕事の場面です。名詞のa guestも、drawとoutのあいだに置いています。

A: Tom hardly talks in meetings.
B: Maybe we can draw him out by asking for his opinion.
(A:トムは会議でほとんど話さないね。)
(B:意見を聞いてみたら、話してくれるかもしれないよ。)
発言の少ない同僚への働きかけを相談する会話です。byのあとに手段を続けると、どうやって引き出すのかが伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

bring someone out of their shell
(内気な人を殻から出してあげる、打ち解けさせる)
bring someone out of their shellは、内気な人が打ち解けて明るくなる変化に重点があります。draw someone outは、その場で話すように導く働きかけに重点があります。

get someone to open up
(人に心を開かせる、打ち明けさせる)
get someone to open upは、本音や悩みを話させる意味合いが強い表現です。draw someone outは、より軽く、話しやすい雰囲気を作って話させる場面にも使えます。

coax something out of someone
(人から情報や言葉をなだめて引き出す)
coaxは、なだめすかして引き出すニュアンスがあり、引き出す対象のsomethingを明示します。draw someone outは、人そのものを話すように導く点が違います。

Note|目的語が代名詞のときに変わる語順、draw him outの形

draw someone outのように、動詞と副詞がセットになった表現には、目的語を置く位置に決まりがあります。台詞のdraw him outを手がかりに、整理してみます。

目的語が名詞のときは、draw the guest outとdraw out the guestのどちらの語順も使えます。ところが、目的語が代名詞になると、必ずdraw him outのようにdrawとoutのあいだに置きます。draw out himとは言えません。台詞のdraw him outは、この代名詞の形です。見出しのsomeoneは、himやherのような目的語が入る位置を示す目印になっています。

目的語が長い名詞句のときは、draw out the quiet students in the classのように、outの後ろに置くほうが読みやすくなることもあります。手段を示したいときは、draw him out by asking questionsのように、byのあとに動作を続けます。

キャメロンの台詞を聞き取るときは、drawとoutのあいだにhimが挟まれていることに気づくと、ひとまとまりの表現として認識しやすくなります。会話の中では、drawとoutが離れて聞こえるため、離れていても同じ表現だと分かっていると、意味を取り違えずに済みます。

まとめ|リリーに話しかけ方を教える、キャメロンの張り切り

draw someone outは、内気な人や口数の少ない人に働きかけて、話をさせる、持ち味を引き出すという表現です。

相手が話しやすくなるように手を貸すときの言い方なので、会議で発言の少ない同僚にも、人見知りの子にも使えます。語順はdraw him outのように、代名詞をあいだに置きます。どんな質問から入れば相手が答えやすいかを考えるところが、使いこなすための出発点になります。

質問と笑顔で相手の言葉を引き出す手順を、ひと息に語るキャメロンの助言は、この表現の働きをそのまま見せていたと読み取れます。

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