海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン7第10話では、クレアとフィルが、旅先で知り合った友人夫婦のトムとリサと食事をします。テーブルに置かれた会計を、今回は誰が払うのかが、駆け引きになります。
友人との食事で「今日は誰が払う?」と迷うのは、身近な悩みの一つです。この回の食事の場面を手がかりに、アメリカの外食で会計をめぐって交わされる習慣と、そこで使われる英語を見ていきます。
町に来るたびに会う友人夫婦との食事
トムとリサがどんな相手なのかは、クレアとフィルの説明から分かります。
Claire: Last summer, Phil and I went to Cabo for five days, and we met Tom and Lisa Delaney, and we had so much fun, we make sure to see them every time they’re in town.
(去年の夏、フィルと5日間カボに行ったとき、トムとリサ・デラニーに出会ったの。すごく楽しかったから、2人がこっちに来るたびに必ず会うようにしてるのよ。)Phil: Tom’s a hugely successful investment banker.
(トムは投資銀行家として大成功してるんだ。)Modern Family Season7 Episode10 (Playdates)
make sure to ~ は「必ず〜するようにしている」と習慣を強調する言い方で、every time they’re in town は「2人がこの町に来るたびに」という意味です。旅先で知り合った相手と、相手の訪問に合わせて食事をする付き合い方が描かれています。
アメリカの飲食店では、食事が終わるころに店員が会計の伝票をテーブルに持ってきて、席で支払いを済ませる流れが多いと言われます。伝票は check と呼ばれることが多く、bill も同じ意味で使われます。この回でも、両方の語が出てきます。
会計を引き受けることは pick up the check と言い、pick up the tab という言い方もあります。おごる側のひと言としては It’s on me.(ここは私が)や My treat.(私のおごり)、割り勘にするなら Let’s split the check. がよく知られた言い方です。友人同士でどう払うかは、相手との関係や地域によって異なると言われます。
テーブルに置かれたままの会計と「It’s rude」
トムとリサが到着する前から、会計をめぐる不満が出ています。
— I just don’t like it when the bill sits there.
(会計がそのまま置いてあるのが嫌なだけ。)— It’s awkward.
(気まずいし。)Modern Family Season7 Episode10 (Playdates)
the bill sits there は「伝票がそこに置かれたままになっている」様子です。sit は人だけでなく物にも使え、「動かされずにそのままある」という意味になります。続く It’s awkward. の awkward は「気まずい、ばつが悪い」で、誰も伝票に手を付けない時間の居心地の悪さを短く言い表しています。
食事の席でも、会計はしばらくテーブルに置かれたままです。こんな言葉も出ます。
— There is no way you are paying that bill.
(あの会計を払うなんて、絶対にだめだからね。)— It has been out there forever, and he hasn’t even pretended to reach for his wallet.
(ずっと置きっぱなしなのに、財布に手を伸ばすふりすらしないんだから。)Modern Family Season7 Episode10 (Playdates)
reach for one’s wallet は「財布に手を伸ばす」で、払う意思を示すしぐさを指します。実際に払うかどうかとは別に、払うそぶりを見せること自体が礼儀として受け取られる場面がある、という感覚が読み取れます。
やがてリサが、夫のトムにこう言います。
Lisa: Tom, you should have paid the check.
(トム、あなたが会計を払うべきだったのよ。)Lisa: It’s rude.
(失礼でしょ。)Phil: He’s not rude.
(トムは失礼なんかじゃない。)Phil: He’s wonderful.
(最高の男だよ。)Phil: I had to pay.
(俺が払わなきゃいけなかったんだ。)Modern Family Season7 Episode10 (Playdates)
should have paid は「払うべきだったのに」と、過去の行動を指摘する形です。リサが It’s rude. と言い切ることから、相手に払わせたままにすることが失礼と受け取られうる、という感覚が伝わってきます。一方フィルの I had to pay. は、払うことに事情があったことを示しています。
「I owe him five meals」と、おごりの貸し借り
フィルは、カボでトムとの賭けに負けていたことを明かし、続けてこう言います。
Phil: Now I owe him five meals.
(それで、今はトムに食事5回分の借りがあるんだ。)Modern Family Season7 Episode10 (Playdates)
owe は「借りがある」という動詞で、I owe him five meals. は「彼に5回分の食事をおごる借りがある」という意味になります。お金そのものではなく、食事の回数で貸し借りを数えている点が特徴です。
日常の会話でも、I owe you one.(借りができたね)や I owe you a drink.(今度1杯おごるよ)のように、ちょっとした恩を「次は自分がおごる」形で返す言い方が使われます。友人同士で交代におごったり、前回のお礼に次の食事を持ったりする付き合い方もよく見られると言われますが、どこまで細かく数えるかは人や関係によってさまざまです。
なお、アメリカの飲食店では会計にチップを添える習慣が広く知られています。誰が会計を持つかを決めるときは、チップを含めて払うのが一般的とされますが、金額の目安は店の種類や地域によって異なります。
この回の食事は、払わない側と払い続ける側の両方に、それぞれの事情があったことが分かる場面です。
まとめ|外食の会計をめぐる英語
check と bill、会計を引き受ける pick up the check、払う意思を示す reach for one’s wallet、そして I owe him five meals. の貸し借り。友人との外食で誰が払うかという身近な話題に、アメリカの習慣と英語が重なって見えてきます。
『モダンファミリー』の食事の場面を観ながら、会計をめぐる言葉にも耳を傾けてみると、新しい発見がありそうです。
3人が予定を慌てて考える場面や、隠していたことを打ち明ける英語は、同じ回のほかのコラムで扱っています。


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