海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン8第13話では、フィルが修理業者に頼まず、家の乾燥機を自分で直そうとします。ミッチェルとキャメロンも、アプリで掃除の人を頼んでいたリリーに、自分の手で家事をすることを教えようとします。
人に任せるか、自分でやるか。英語にはその決意を短く示す言い方がいくつもあります。この回には、修理の段取りから直した話の伝え方、家族への宣言までがそろっています。
「I’ll fix it myself」と業者に頼まず直す
物語はダンフィー家の乾燥機から始まります。フィルは自分を a long line of handy men(器用な男たちの家系)の出だと語り、修理業者に頼まない理由をこう続けます。
Phil: So it made sense that I tackled the clothes dryer after the repair guy tried to rip me off.
(だから、修理屋にぼったくられそうになったあと、俺が乾燥機に取り組むのは筋が通ってたわけ。)Phil: I’m not paying $350 for a moisture sensor that costs $28.
(28ドルの湿度センサーに350ドルも払う気はないね。)Phil: I’ll fix it myself.
(自分で直すよ。)Modern Family Season8 Episode13 (Do It Yourself)
rip someone off は「人からお金をだまし取る、ぼったくる」を表すくだけた句動詞です。I’m not paying $350 for ~ は進行形を使って「〜に350ドルも払うつもりはない」と、きっぱり断る意思を表します。最後の I’ll fix it myself. では、myself の一語が「人に任せず自分の手で」という決意を担っています。handy は「手先が器用な」「修理が得意な」を表す形容詞で、handyman なら「何でも直せる人、便利屋」を指します。
修理の最中には、クレアとのこんなやり取りもあります。
Claire: I guess these are clean enough.
(これで十分きれいかな。)Phil: I’ll have this thing running in no time, honey.
(すぐに動くようにしてみせるよ、ハニー。)Phil: I have an instructional video, and I’m labeling each part as I take it out.
(解説動画もあるし、外した部品には一つずつラベルを貼ってるんだ。)Modern Family Season8 Episode13 (Do It Yourself)
I’ll have this thing running は「have + 目的語 + 〜ing」の形で、「これを動く状態にしてみせる」という言い方になります。in no time は「あっという間に」。label each part と take it out は、部品を外しながらラベルを貼る手順そのままの表現で、解説動画を頼りに段取りを整えるフィルの準備ぶりが伝わってきます。
「I fixed a dryer」と話す、「But I fixed it」と食い下がる
直した手応えは、フィルの次の行動にもつながります。空き地でジェイに投資の話をしていたフィルは、踏み切った理由を聞かれてこう答えます。
Jay: What got you off the sidelines?
(何がきっかけで、見てるだけをやめたんだ?)Phil: This is gonna sound silly, but I fixed a dryer today.
(ばかみたいに聞こえるだろうけど、今日、乾燥機を直したんだ。)Phil: I took it all apart and swapped out the sensor.
(全部ばらして、センサーを交換したんだよ。)Jay: Get out of here.
(まさか。)Phil: The guy wanted 350 bucks.
(業者は350ドルって言ったんだ。)Phil: I paid $28.
(俺は28ドルで済んだ。)Modern Family Season8 Episode13 (Do It Yourself)
off the sidelines は、試合をサイドラインの外から見ていた人がフィールドに出るイメージで、傍観をやめて動き出すことを表します。take ~ apart は「分解する」、swap out は「部品などを交換する」で、修理の説明に欠かせない句動詞です。ジェイの Get out of here. は文字どおりの「出て行け」ではなく、「まさか」「本当か」と驚きを示す相づちとして使われる言い方です。続く金額の比較は、自分でやった成果を数字で示す話し方になっています。
ところが別の場面で、フィルの電話にルークから知らせが入ります。
Phil: Luke, what’s up?
(ルーク、どうした?)Luke: Dad? I think something’s wrong with the dryer.
(パパ? 乾燥機の調子がおかしいみたい。)Phil: But I-I fixed it.
(でも、な、直したのに。)Phil: I fixed it good.
(ちゃんと直したんだぞ。)Phil: I’ll be right there.
(すぐ行く。)Luke: Hurry! I think it’s leaving.
(急いで! 出ていっちゃいそうなんだ。)Modern Family Season8 Episode13 (Do It Yourself)
something’s wrong with ~ は「〜の調子がおかしい」と不具合を伝える基本の形です。フィルの But I fixed it. は「直したはずなのに」と結果に食い下がる一言と言えます。I fixed it good. の good は、本来 well を置くところに good を使った口語的な形とされ、改まった場面では I fixed it properly. などが無難です。
「get our hands dirty」でアプリ任せをやめる
自分でやるという話は、ミッチェルとキャメロンの家にもあります。リリーがスマホのアプリで掃除の人を頼んでいたと分かる場面です。
Cameron: Wait, Lily, did you hire a cleaning lady?
(待って、リリー、掃除の人を頼んだのかい?)Lily: Yeah, with an app on your phone.
(うん、パパのスマホのアプリで。)Lily: Daddy said my room was a pig sty.
(パパが私の部屋はブタ小屋だって言ったから。)Cameron: Okay, we’ll double back to that unnecessary and inaccurate slam on pigs, and I think daddy meant for you to clean your room.
(よし、ブタへのその余計で不正確な悪口はあとで話すとして、パパは自分で部屋を掃除しなさいって意味で言ったんだと思うよ。)Modern Family Season8 Episode13 (Do It Yourself)
hire a cleaning lady は「掃除の人を雇う」、pig sty は散らかった部屋を指す「ブタ小屋」というくだけた呼び方です。mean for 人 to ~ は「人に〜してほしいという意味で言う」で、言葉の意図を言い直すときに使えます。このあとミッチェルに部屋の掃除を言われたリリーは、二人こそ use apps for everything(何でもアプリ)だと言い返します。キャメロンはみんなで self-reliant(人に頼らず自分でやる)になろうと宣言し、庭で家族にこう告げます。
Cameron: Okay.
(よし。)Cameron: Okay, no more doing chores with our phones.
(いいかい、スマホで家事を済ませるのはもうおしまいだ。)Cameron: We are going to get our hands dirty.
(自分たちの手を汚して働くんだ。)Modern Family Season8 Episode13 (Do It Yourself)
no more ~ は「もう〜はなし」と習慣をやめる宣言に使う形です。chores は「家事、雑用」で、do chores(家事をする)の形で日常的に登場します。get one’s hands dirty は文字どおり「手を汚す」のほか、「面倒な作業を自分で引き受ける」という意味でも使われます。
キャメロンはこのあと、リリーに get down on your hands and knees and pick weeds(四つんばいになって草むしり)を言い渡し、子どもの頃に畑で石を拾った話も持ち出します。アプリに頼る暮らしからの切り替えを、具体的な作業の言葉で示している点が見どころです。
まとめ|自分の手でやると決める英語
ぼったくりを断る I’ll fix it myself、take it apart や swap out といった修理の言葉、驚きの相づち Get out of here.、そして get our hands dirty の宣言。自分の手でやると決めたときの英語が、二つの家の一日にそろっていると言えます。
これからも『モダンファミリー』の家族の奮闘を手がかりに、英語の言い回しを集めていきましょう。
雇われたコーチとジェイの張り合いや、料理教室での感想をめぐる英語は同じ回のほかのコラムで、個々の表現の使い方はフレーズ記事で扱っています。


コメント