「fake it」の意味と使い方|『モダンファミリー』S05E17で学ぶ英会話

「fake it」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

詳しくない話題で盛り上がっている場に居合わせて、うなずきながら知っているふりをしてしまった経験はありませんか。

そんな場面で使える「fake it」を、『モダンファミリー』シーズン5第17話の後半、マニーの打ち明け話を聞いたキャメロンが、自分たちの本音を明かすシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「fake it」の意味とニュアンス

fake it
意味:(できる、知っているふりをして)ごまかす、知ったかぶりをする

fake it は、実際にはそうでないのに、できている、知っている、平気だ、というふりをしてその場をしのぐ表現です。fake は「偽物」や「偽る」という意味で、それが動詞として使われ、「それを偽る」という形になっています。

it は特定の物ではなく、「その状況」や「その役割」を漠然と指します。だから fake it だけで、何を偽っているのかを言わなくても、「ふりをして乗り切る」という意味が伝わります。fake a smile(作り笑いをする)のように、偽る対象を名詞で示す形と違って、it を使うと場面全体をふりで乗り切るニュアンスになります。

進行形の are faking にすると、「今まさにふりを続けている」という響きです。too を添えれば「相手だけではなく自分も同じだ」と、仲間に入れる言い方になります。自信のない場面で平気なふりをする、経験がないのにあるふりをする、感情を偽って笑顔を作る、といった幅広い場面で使えます。

【ここがポイント!】

  • 「fake it」の核は、その状況を偽物で乗り切るイメージ
  • it が場面全体を指すため、何のふりかを言わなくても通じる表現
  • 進行形と too を組み合わせると、仲間に打ち明ける響きになるのがコツ

『モダンファミリー』S05E17のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

美術展に来ているキャメロンとミッチェルが外にいるところへ、マニーがやって来ます。中でアレックスと二人きりでいた様子を語るマニーに、ミッチェルとキャメロンがそれぞれ言葉を返す場面です。キャメロンが自分たちの立場を明かす一言に注目です。

Cameron: Hey, what are you doing out here?
(あれ、こんなところで何してるんだい?)

Manny: You guys invited us so we could spend the day together. It felt wrong that you two are out here and I was in there all alone with Alex.
(二人が僕たちを誘ってくれたのは、一日を一緒に過ごすためでしたよね。それなのに、二人が外にいて、僕だけ中でアレックスと二人きりでいるのは、なんだか変な気がして。)

Mitchell: Couldn’t keep up, could you?
(ついていけなかったんだろ?)

Manny: She knows everything. She made a docent cry.
(彼女は何でも知っているんです。案内係の人を泣かせたくらいですよ。)

Cameron: It’s okay. We’re faking it, too.
(いいんだよ。僕たちも知ったかぶりしてるんだから。)

Manny: Well, duh.
(まあ、そりゃそうですよね。)

Modern Family Season5 Episode17 (Other People’s Children)

シーン解説と心理考察

外にいるキャメロンとミッチェルを見つけたマニーは、誘われたのは一日を一緒に過ごすためだったのに、自分だけ中でアレックスと二人きりでいるのは変な気がした、と理由を語ります。約束の趣旨を持ち出す言い方に、律儀に筋を通そうとするマニーらしさが出ています。

ミッチェルの「ついていけなかったんだろ」は、マニーの様子から察した一言です。マニーはそれを否定せず、アレックスは何でも知っていて、案内係の人を泣かせたくらいだと説明します。案内係が泣いたという話は、マニー自身の語りとして届くもので、アレックスの博識ぶりを強調する言い方です。

そこでキャメロンは、責めるでも笑い飛ばすでもなく、「いいんだよ、僕たちも知ったかぶりしてるんだから」と言います。ついていけなかったのはマニーだけではない、という打ち明けが、相手の肩の力を抜く働きをしています。マニーが「まあ、そりゃそうですよね」とあっさり返すのも、この場の空気をやわらげています。3人がそれぞれ、アレックスの博識の前で同じ側に立っていることが、短いやり取りの中で共有されていきます。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

舞台の書き割りを思い浮かべてみましょう。正面から見ると本物の建物に見えるのに、裏に回ると板が立っているだけです。本物の中身がなくても、外見だけを整えて場をやり過ごしている状態が、fake it のイメージです。

キャメロンの「僕たちも知ったかぶりしてる」は、この書き割りの裏側を、あえて相手に見せる一言です。マニーはアレックスの博識に押されて外に出てきましたが、外にいる二人も、実は同じ書き割りの裏に立っていました。裏側を見せ合うことで、気まずさがほどけていきます。

覚えるときは、「偽物の外見で場を乗り切る」というイメージと、it が「その場面」を指す点をセットにします。すると、何のふりかを言わなくても、fake it だけで通じる理由がつかめます。

例文で覚える「fake it」

できるふり、知っているふりでその場をしのぐ fake it を、3つの例文で確認していきましょう。

I don’t really know anything about wine, so I just nod and fake it.
(ワインのことは全然わからないから、うなずいて知ったかぶりしてるだけだよ。)
詳しくない話題についていく場面です。nod and fake it と動作をつなげると、うなずいてやり過ごす様子まで見えてきます。

She was nervous, but she managed to fake it during the presentation.
(彼女は緊張していたが、プレゼンの間はなんとか平気なふりをやりきった。)
プレゼン中に緊張を隠す場面です。managed to を添えると、ふりを最後まで貫いた頑張りが伝わります。

A: Are you actually good at cooking?
B: Not really. I’m just faking it with a recipe.
(A:料理って本当に得意なの?)
(B:そうでもないよ。レシピを見ながらそれっぽくやってるだけ。)
自分の腕前について打ち明ける往復会話です。faking it の後ろに with a recipe と手段を添えると、どうやってごまかしているのかが具体的に伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

pretend to be
(〜のふりをする)
pretend to be は、〜であるふりをして役を演じる言い方です。fake it は、特にできない、知らないことを隠してその場をしのぐ意味が強く出ます。

bluff
(はったりをかます)
bluff は、相手を出し抜くために、実際より強く、詳しく見せる言い方です。fake it は、相手を欺くよりも、その場を無難に乗り切る意味合いが前に出ます。

wing it
(ぶっつけ本番でやる)
wing it は、準備なしでその場の対応で乗り切る意味です。fake it は「できているふり」に重点があり、wing it は「準備なし」に重点があります。

Note|「ふりをする」を言い分ける4つの英語表現

「ふりをする」ことを表す英語は、fake it のほかにもいくつかあります。何のふりをするのか、何のためにするのかで選び分けるので、4つの表現を並べて整理してみましょう。

fake it は、できる、知っている、平気だ、といったふりでその場をしのぐ表現です。pretend は、〜であるふりをして役を演じることを指し、子どもの遊びから芝居までの広い場面に使えます。bluff は、ゲームや交渉などで、実際よりも強く見せて相手を出し抜くことに焦点があります。wing it は、ふりではなく準備なしのアドリブで乗り切る意味で、ここだけは「ふり」そのものは含みません。たとえば I fake it in meetings は「会議では知っているふりでしのいでいる」、I pretend to be busy は「忙しいふりをしている」、I bluffed my way through は「はったりで切り抜けた」、I winged the speech は「スピーチをぶっつけ本番でこなした」という違いになります。

作中のキャメロンは、アレックスの博識の前でついていけなかったマニーに向けて、自分たちも fake it しているのだと打ち明けていました。ここで bluff を使うと、相手を出し抜く意図が出てしまい、マニーを安心させる場面の空気には合いません。wing it なら準備なしという意味になり、知ったかぶりの意味が消えます。無難にその場を乗り切る、という意味を過不足なく伝えるのが fake it です。

ふりの対象と目的で、選ぶ表現は変わります。

まとめ|「知ったかぶり」を仲間と分け合う一言

fake it は、できる、知っている、平気だ、というふりをしてその場をしのぐ表現です。it が場面全体を指すため、何のふりかを言わなくても通じます。進行形にすれば今まさにふりを続けている響きになり、too を添えれば仲間に打ち明ける言い方になります。

詳しくない話題についていく場面、緊張を隠す場面、腕前を控えめに語る場面など、自分の弱さを軽く認める言い方として広く使えます。pretend、bluff、wing it との違いを押さえておけば、ふりの対象と目的に合わせた言い分けもできます。

キャメロンは、ついていけなかったマニーに「僕たちも知ったかぶりしてる」と打ち明け、マニーはあっさり「まあ、そりゃそうですよね」と返していました。弱さを見せ合うことで空気が軽くなる場面でした。表現の引き出しに加えてみてください。

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