家族に「私の料理、ずっとまずかったの?」と聞かれたら、何と返す?|『モダンファミリー』S08E13で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 家族に「私の料理、ずっとまずかったの?」と聞かれたら、何と返す?|『モダンファミリー』S08E13で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン8第13話では、クレアとヘイリーが、クレアがテレビ番組を見てきたシェフの料理教室に参加します。教室に申し込んだのはヘイリーで、そこには本人に言えない理由がありました。

家族の手料理の感想を面と向かって聞かれると、答えに迷うものです。この回には、本人に言えない本音、間に入って言い直す言葉、相手を傷つけない答え方までがそろっています。

目次

「We can’t tell her」本人に言えない本音

教室に申し込んだ理由を、ヘイリーはこう語ります。

Haley: We can’t tell her how bad her food is because that would destroy her.
(ママの料理がどれだけひどいかなんて言えないよ。そんなことしたら、ママは立ち直れないもん。)

Haley: So when I found out Chef Dumont was coming to town, I signed us up for his class, so he could do it.
(だからシェフのデュモンが街に来るって知って、二人で彼の教室に申し込んだの。彼に言ってもらおうと思って。)

Modern Family Season8 Episode13 (Do It Yourself)

We can’t tell her ~ は「彼女には〜なんて言えない」と、本人に伝えられない事情を打ち明ける形です。how bad her food is のように how + 形容詞 + 主語 + 動詞 を続けると、「どれほど〜か」という程度を目的語にできます。that would destroy her の would は「もし言ったら」という仮定を含み、destroy は「打ちのめす」という強い言い方になっています。

sign 人 up for ~ は「人を〜に申し込む」で、signed us up なら「自分たち二人を申し込んだ」という意味です。最後の so he could do it の do it は、直前の「料理の出来を伝える」ことを指します。自分では言えない役目を、第三者に任せようとしているのが分かります。

一方のクレアは、教室で課題の料理を聞くと I could make this chicken in my sleep.(この鶏料理なら寝ててもできる)と口にし、ヘイリーに How about we try it awake?(起きてやってみたら?)と返されます。in my sleep は「目をつぶってもできる」に近い、慣れていることを強調する言い方です。

「I think what he’s trying to say is」間に入って言い直す

試食の場面で、シェフはクレアの料理にこう反応します。

Charles Dumont: Oh, this is unique.
(おお、これは独特だ。)

Claire: Yes, thank you very much.
(ええ、どうもありがとう。)

Claire: You know how on your show you were always taking chances and trusting your instincts? Well, that is what I did.
(番組でいつも冒険して、自分の勘を信じていらしたでしょう? 私もそうしたんです。)

Charles Dumont: That’s because I have good instincts.
(それは私の勘がいいからだよ。)

Claire: Mm-hmm.
(ええ。)

Charles Dumont: What’s something you do well?
(あなたが得意なことは何かな?)

Modern Family Season8 Episode13 (Do It Yourself)

unique は「ほかにない、独特の」で、ほめ言葉にも、はっきり言いにくいときの遠回しな言い方にもなります。クレアはこれを礼で受け取り、番組での taking chances(思い切ってやってみる)と trusting your instincts(自分の勘を信じる)を自分も実践したと説明します。シェフの What’s something you do well? は、料理以外の得意分野を尋ねる形の問いです。「Cook?」という答えには、すぐに「No.」と返されます。

ここでヘイリーが間に入ります。

Haley: Uh, Mom, I think what he’s trying to say is that you should more closely follow his recipe.
(あー、ママ、先生が言いたいのは、もっとちゃんとレシピどおりに作れってことだと思う。)

Haley: You know, use the ingredients that he mentions.
(ほら、先生が言う材料を使うとか。)

Haley: Measure stuff.
(ちゃんと量るとか。)

Haley: Right?
(ですよね?)

Charles Dumont: Not at all.
(まったく違う。)

Modern Family Season8 Episode13 (Do It Yourself)

I think what he’s trying to say is ~ は「彼が言おうとしているのは〜だと思う」と、相手の発言をやわらかく言い直すときの決まった前置きです。follow the recipe は「レシピどおりに作る」、measure は「分量を量る」。具体的な改善点に置き換えて角を取ろうとする言い直しを、シェフは Not at all.(まったく違う)の一言で退けます。同僚の発言を補うときなど、ほかの場面にも応用しやすい組み立てと言えます。

「Have I been serving you garbage?」と聞かれたら

シェフの講評を受けて、クレアは言い返し、最後にヘイリーへ問いかけます。

Claire: Wait a second.
(ちょっと待って。)

Claire: I have been making this food for my family for months now.
(私はこの料理を、もう何か月も家族に作ってきたのよ。)

Claire: I make a big meal every Sunday.
(毎週日曜日にはごちそうを作ってる。)

Claire: I’m a working mom.
(働く母親なの。)

Claire: It’s my one chance a week to give my family something and make up for the time I haven’t spent with them.
(家族に何かしてあげて、一緒に過ごせなかった時間の埋め合わせをする、週に一度の機会なのよ。)

Claire: Are you telling me that I have been giving my family garbage? Wait, uh Haley, honey, have I been serving you garbage?
(つまり私が家族にずっとゴミを出してたって言うの? 待って、ねえヘイリー、私、あなたにゴミを出してた?)

Modern Family Season8 Episode13 (Do It Yourself)

make up for ~ は「〜の埋め合わせをする」。have I been serving you ~? は現在完了進行形で、「これまでずっと〜を出してきたのか」と、過去から今まで続いてきたことを問う形です。ヘイリーの答えはこうです。

Haley: She is the best cook ever.
(ママは最高の料理上手だよ。)

Haley: We love all of her meals.
(家族みんな、ママの料理が全部大好きなの。)

Modern Family Season8 Episode13 (Do It Yourself)

the best cook ever は「史上最高の料理人」、love all of her meals は「どの料理も大好き」と、全面的にほめる言い方です。教室に申し込んだ理由として語った本音とは別の答えを選んでいる点が、この場面の見どころです。同じように相手を気づかって答えるなら、I love your cooking. や It’s always delicious. のように、評価をまるごと肯定する言い方もあります。

その後、クレアはフィルにシェフが had the audacity to tell me that I can’t cook(図々しくも私は料理ができないと言った)と話し、ヘイリーが straighten him out(彼の考えを正す)してくれたと受け取っています。お祝いの夕食を作ると言うクレアに、フィルは I can’t wait!(待ちきれないよ!)と返します。

まとめ|言えない本音と、傷つけない答え

We can’t tell her ~ で打ち明ける言えない事情、I think what he’s trying to say is ~ の言い直し、unique の遠回しな響き、そして She is the best cook ever. という答え。本音と気づかいの間で揺れる英語が、料理教室の一日に詰まっていると言えます。

『モダンファミリー』を観るときは、家族が言葉を選んで気持ちを守る場面にも目を向けると、物語の見え方が変わってきます。

乾燥機を自分で直そうとするフィルの英語や、コーチとジェイのやり取りは同じ回のほかのコラムで、個々の表現の使い方はフレーズ記事で扱っています。

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