海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン2第22話では、仕事の助言を求めるギレルモをグロリアがジェイに紹介し、ジェイが事業案に率直な評価を伝えます。人の頼みを断れないグロリアに「断ることを覚えろ」と言うジェイも、話の終盤には自分が no と言わなければならない場面を迎えます。
今回はこの2人のやり取りを中心に、頼みごとや提案をはっきり断るときの英語表現を場面ごとに見ていきます。
「learn to say no」と「Other people.」
ゴルフに出かけようとするジェイに、グロリアは食料品店で働くギレルモを紹介し、仕事について少し助言がほしいのだと説明します。ジェイの返事を待たずに、グロリアは頼む時間の長さを自分から短くしていきます。
Gloria: Jay, he knows how successful you are and all he wants is an hour of your time half hour.
(ジェイ、彼はあなたがどれだけ成功してるか知ってて、あなたの時間を1時間だけほしいって言ってるの……30分。)Gloria: Ten minutes! I promise him.
(10分! 彼に約束しちゃったのよ。)Jay: Honey, I love you, but why do you drag me into these things? You’ve got to learn to say no to people.
(ハニー、愛してるが、なんで俺をこういうことに巻き込むんだ? 人に断ることを覚えなきゃだめだ。)Gloria: Fine.
(いいわよ。)Gloria: Ask me if you can go golfing now.
(じゃあ今、ゴルフに行っていいか私に聞いてみて。)Jay: Other people.
(ほかの人に、だ。)Modern Family Season2 Episode22 (Good Cop Bad Dog)
グロリアの an hour から half hour、Ten minutes と下げていく言い方は、相手が渋る前に条件を小さくして頼みを通そうとする流れになっています。
ジェイの drag ~ into … は「〜を…に巻き込む」という意味です。I love you, but と先に愛情を示してから本題に入る組み立てで、苦言の角を少し丸めています。そのうえで learn to say no to people と、断ることを身につけるべきだと伝えます。
グロリアの切り返しは、断ることを覚えるなら手始めにジェイのゴルフを断る、という意味になります。ジェイの Other people. は、断る相手は「ほかの人」だと自分を例外にする一言で、短い名詞句だけで訂正を済ませているのが面白いところです。
「Your idea is not good.」で結論をはっきり伝える
ギレルモは犬のしつけの事業案をジェイに説明し、最後は投資を持ちかける形で話を締めます。説明を聞き終えたジェイは、評価をそのまま伝えます。
Jay: Here it is.
(じゃあ言うぞ。)Jay: Your idea is not good.
(お前のアイデアは良くない。)Guillermo: Oh.
(ああ……)Gloria: No, what Jay means is that
(違うの、ジェイが言いたいのはね……)Jay: What I mean is it stinks.
(俺が言いたいのは、ひどいってことだ。)Modern Family Season2 Episode22 (Good Cop Bad Dog)
Here it is. は「では言います」と、これから結論を出すことを予告する前置きです。続く Your idea is not good. は、遠回しな言葉を挟まずに評価だけを述べる形になっています。
グロリアは「ジェイが言いたいのは」と言い換えて和らげようとしますが、ジェイは同じ形の What I mean is ~ で引き取り、it stinks(ひどい、最悪だ)とさらに強い言葉で言い切ります。相手の言い換えを同じ構文で打ち消すため、和らげる余地がなくなるという流れです。
ただしジェイは、このあとギレルモの魅力や意欲は認めたうえで What you need is a better idea. と伝えています。評価の対象を人ではなく案に絞っている点も、はっきり断る場面の組み立てとして参考になります。断る言葉が強くても、何を断っているのかが明確なら、相手が次に何をすればよいかも伝わりやすくなると言えます。
「just say no」と言えない場面
話の終盤、グロリアは、ギレルモが学校に戻ることになり、姉か妹のところで暮らすために犬を手放さなければならなくなったとジェイに伝えます。ジェイはそれを聞いて、次のように話します。
Jay: And there’s a lesson in there for you too.
(お前にとってもいい教訓だな。)Jay: ‘Cause sometimes things go better when you just say no.
(ただ断るだけで、物事がうまくいくこともあるってことだ。)Jay: No, no, no.
(いや、いや、いや。)Jay: What did you do?
(何をしたんだ?)Modern Family Season2 Episode22 (Good Cop Bad Dog)
just say no の just は「ただ〜するだけ」と、断ることの簡単さを強める働きをしています。その直後、ジェイは No, no, no. と繰り返して問いただしており、教訓を口にした直後に自分が no を連発する流れになっています。続くグロリアとの会話が次の場面です。
Gloria: He was going to take her to the pound.
(彼、この子を保護施設に連れて行くつもりだったのよ。)Jay: That’s his business.
(それはあいつの問題だ。)Gloria: Ay.
(ああ。)Gloria: But look at her little face.
(でも、この子のちっちゃな顔を見てよ。)Modern Family Season2 Episode22 (Good Cop Bad Dog)
That’s his business. は「それは彼が決めることだ」と、他人の事情に深入りしないよう諭す言い方です。グロリアの look at her little face は、理屈ではなく目の前の犬の姿に目を向けさせる頼み方になっています。これに対するジェイの返事が続きます。
Jay: No.
(だめだ。)Jay: You don’t even want a dog.
(お前は犬なんか欲しくもないだろう。)Gloria: I know.
(分かってる。)Gloria: I have a problem.
(私、困ったところがあるのよ。)Modern Family Season2 Episode22 (Good Cop Bad Dog)
ジェイは No. の一語で答えてから理由を添えています。You don’t even want ~ の even は「〜さえ」で、そもそもの前提から相手の行動を問い直しています。グロリアの I have a problem. は、自分の弱点を認める短い一言として使えます。I know. と相手の指摘をまず認めてから続けているため、言い訳をせずに非を受け止める返事として聞こえます。
まとめ|断る言葉と、断れない気持ち
learn to say no と Other people. の切り返し、Here it is. からの What I mean is ~、そして just say no と That’s his business. まで、断るための言い方がジェイの台詞にそろっています。断れないグロリアの言葉と並べると、その違いが際立ちます。
次回も『モダンファミリー』の家族の会話から、英語表現を一緒に拾っていきましょう。
この回のほかのコラムやフレーズ記事では、別の家族の場面から英語表現を取り上げています。


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