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『モダンファミリー』シーズン2第22話では、子どもたちを叱る役に疲れたクレアが、子どもたちに優しく接する側のフィルに役割の交代を持ちかけます。叱り役に回ったフィルと、楽しませる役に回ったクレアの一日は、どちらも思いどおりには進みません。
今回は2人の台詞から、役割分担を表す bad cop の言い方と、親が決定権を示すときの言い方、そして役を入れ替えてみた結果を伝える言い方を順に見ていきます。
「the bad cop」で役割分担を言い表す
子どもたちのけんかを叱ったあと、クレアはフィルに You sold me out behind my back. と抗議します。フィルは、クレアが時々厳しくなりすぎるので、子どもたちにまだ愛されていると伝えるために自分が割って入っているのだと説明します。そのあとのやり取りが次の場面です。
Phil: Honey, these are just the parts that we’re playing.
(ハニー、これは俺たちがそれぞれ演じてる役ってだけだよ。)Phil: Am I wrong, or has it been working? I feel like it’s been working.
(俺の勘違い? それともうまくいってる? うまくいってる気がするんだけどな。)Claire: I am tired of being the bad cop.
(悪い警官役はもううんざりなの。)Claire: You need to discipline them sometime and let me swoop in with all the love.
(たまにはあなたがあの子たちをしつけて、私に愛情たっぷりで割って入らせてよ。)Phil: Shouldn’t we stick with the stuff we’re good at?
(お互い得意なことを続けたほうがよくない?)Modern Family Season2 Episode22 (Good Cop Bad Dog)
good cop, bad cop は、取り調べで厳しく当たる刑事と優しく接する刑事が役を分ける手法を指す言い回しです。日常会話では、厳しく言う側と優しくなだめる側の分担を指して使われることもあります。クレアは tired of being ~(〜でいるのに疲れた)と組み合わせ、自分がいつも厳しい側に立っていることへの不満を言葉にしています。
フィルの these are just the parts that we’re playing は、part(役)という語で2人の分担を芝居の配役にたとえた言い方です。クレアの swoop in は「さっと割って入る」という意味で、フィルが直前の説明で自分の行動に使った語をそのまま返しているのが面白いところです。フィルの stick with ~ は「〜を続ける」で、現状維持を提案する返事になっています。
その前のフィルの Am I wrong, or ~? は、「自分の思い違いかもしれないけれど」と一歩引いた形をとりながら、実際には自分の見方への同意を求める聞き方です。続けて I feel like it’s been working. と言い足しているところからも、フィルが今の分担を変えたくないことが台詞の上で読み取れます。
「Because I say so」と「You poked the bear」で叱り役を演じる
クレアはバスルームの掃除を娘たちにさせる件をフィルに任せ、自分はルークとマニーをゴーカートに連れて行くことにします。出かける前、クレアに「決めるのはパパ」と振られたフィルが、娘たちに向けて言うのが次の台詞です。
Phil: Dad wants to go go-karting.
(パパはゴーカートに行きたいよ。)Phil: I would really like it if you would clean your bathroom.
(君たちがバスルームを掃除してくれたら、すごく助かるんだけどな。)Alex: But my movie
(でも私の映画が……)Haley: Why do we have to do it now?
(なんで今やらなきゃいけないの?)Phil: Because Claire says so.
(クレアがそう言ってるから。)Phil: Because I say so and because I’m your dad and I’m older than you and I call the shots around here.
(俺がそう言ってるからだ。俺は君たちのパパで、君たちより年上で、ここで決めるのは俺だからだ。)Modern Family Season2 Episode22 (Good Cop Bad Dog)
Because I say so は、理由を細かく説明せずに言いつける側の権限で押し切る言い方で、親が子どもに使う決まり文句として知られています。フィルは一度クレアの名前を出して理由を言いかけてから言い直しており、叱り役の理由をクレアに預けそうになった一言が笑いを生んでいます。call the shots は「決定権を持つ、仕切る」という意味の言い回しです。
後の場面で、車で出ようとする娘たちをフィルが呼び止めます。アレックスは直前に、聞こえないふりをするようヘイリーに言っていました。
Phil: I know you can hear me!
(聞こえてるのは分かってるんだぞ!)Alex: Oh, my God! He’s coming towards the car!
(うそ! 車のほうに来る!)Haley: Oh, my God!
(うそでしょ!)Phil: Stop this car!
(車を止めろ!)Alex: We’re sorry, Dad.
(ごめんなさい、パパ。)Haley: We couldn’t hear you!
(聞こえなかったの!)Phil: No more lies! You poked the bear, girls! You poked him!
(嘘はもうたくさんだ! 君たちはクマをつついたんだ! つついたんだぞ!)Modern Family Season2 Episode22 (Good Cop Bad Dog)
poke the bear は、クマをつついて怒らせるという絵から「怒らせてはいけない相手をわざわざ刺激する」ことを表します。フィルは自分をクマにたとえ、him と三人称で言い直して念を押しています。
「a good bad cop」で役割を元に戻す
話の終盤、ルークが車の中で吐いてしまったことをクレアが話し、フィルが娘たちに一日食事をさせていなかったことも分かります。クレアがフィルに切り出すのが次の台詞です。
Claire: Phil, honey, this isn’t working.
(フィル、ねえ、これじゃうまくいかないわ。)Claire: Listen to me.
(聞いて。)Claire: You are not a good bad cop and I’m a very bad good cop.
(あなたは悪い警官役が上手じゃないし、私は良い警官役がすごく下手なの。)Claire: We need things to go back to the way they were.
(元のやり方に戻さなきゃ。)Modern Family Season2 Episode22 (Good Cop Bad Dog)
a good bad cop は「上手な悪い警官役」、a very bad good cop は「すごく下手な良い警官役」という意味です。good と bad が「上手・下手」と「良い・悪い」の2つの働きで並び、同じ単語の組み合わせを入れ替えただけで互いの不向きを言い表しています。
this isn’t working は、役割の話を始めたときにフィルが投げかけた has it been working? と対になる一言です。go back to the way they were は「元どおりに戻る」という意味で、試したやり方をやめる提案に使えます。
まとめ|役を入れ替えて分かる言葉の使い分け
the bad cop で役割を名指しし、Because I say so や call the shots で決定権を示し、poke the bear で相手に警告する。最後の a good bad cop と a very bad good cop まで、役割をめぐる言い回しが一続きに並んでいると言えます。
2人の役割がどう落ち着くのか、『モダンファミリー』の会話を追いながら英語表現を拾っていきましょう。
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