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『モダンファミリー』シーズン7第21話では、一家が列車でポートランドへ向かいます。その車内で、フィルとキャメロンは大好きな作家に出会い、さっそく声をかけます。
憧れの人を前にすると、何から切り出せばいいのか迷いがちです。声のかけ方、気持ちの伝え方、質問の仕方、そして約束の言葉まで、二人と作家のやりとりには一連の流れがそろっています。場面の順に、その言い方を見ていきます。
「We hate to bother you」――声をかけて好きだと伝える
フィルは、その作家サイモン・ヘイスティングスを、ミステリー小説のシリーズを生み出した「天才」だと紹介しています。そして二人で声をかけます。
Phil: Hey! We hate to bother you, but you are our favorite author.
(どうも! お邪魔して悪いんですけど、あなたは俺たちのいちばん好きな作家なんです。)Simon Hastings: Gentlemen, the words are all out there.
(諸君、言葉はすべて世の中に転がっている。)Simon Hastings: I just arrange them in a financially rewarding way.
(私はそれを、金になるように並べているだけだ。)Modern Family Season7 Episode21 (Crazy Train)
We hate to bother you, but ~ は「お邪魔して申し訳ないのですが」と断ってから用件に入る形です。hate to ~ は「〜したくはないのだが」という意味で、I hate to interrupt, but ~(話の途中ですみませんが)のように、相手の時間をもらうときの前置きになります。ここでは二人なので主語が We です。
続く you are our favorite author は、favorite で「いちばん好き」とまっすぐ伝える一言です。You’re my favorite singer. のように職業名を入れ替えれば、そのまま使えます。作家のほうは、自分の仕事を「言葉を並べているだけ」と返します。
キャメロンが新作のことを尋ねたあと、会話はこう続きます。
Cameron: It’s not even out yet, and I’m sad about finishing it.
(まだ出てもいないのに、読み終わるのが悲しいよ。)Simon Hastings: Well, I hope you won’t be disappointed.
(まあ、がっかりさせないといいがね。)Simon Hastings: Lovely to meet you.
(会えてうれしいよ。)Modern Family Season7 Episode21 (Crazy Train)
not even ~ yet は「まだ〜すらしていない」と強める形です。発売前の本について「読み終わるのが悲しい」と言うのは大げさなほめ言葉で、それだけ待ち遠しいという気持ちが伝わってきます。作家の I hope you won’t be disappointed. は期待を寄せられた側の控えめな返しで、Lovely to meet you. は Nice to meet you. と同じ場面で使えるあいさつです。lovely はイギリス英語でよく耳にする語と言われることが多く、やわらかな響きがあります。
「What’s your process?」――質問攻めと、やんわり止める提案
あいさつのあとも、二人の質問は止まりません。
Phil: What’s your process?
(どうやって書いてるんですか?)Cameron: Are the characters just speaking through you?
(登場人物があなたを通して勝手にしゃべる感じなの?)Phil: How important is plot?
(筋書きってどのくらい大事なんですか?)Simon Hastings: Here’s an idea how would you two like to sit quietly and read the first chapter?
(ひとつ提案だ。君たち二人、静かに座って第1章を読んでみるのはどうかね?)Modern Family Season7 Episode21 (Crazy Train)
What’s your process? は「どんな手順で仕事を進めているのか」を尋ねる質問です。process は「過程」「手順」という意味で、作家や画家、料理人などに仕事の進め方を聞くときに使われます。
キャメロンの speak through ~ は「〜を通して語る」という形で、「書いているというより、登場人物が勝手に語り出すのか」という問いです。フィルの How important is plot? は、創作で何を大事にしているかを聞く言い方と言えます。
三つの質問が立て続けに出たところで、作家は Here’s an idea と切り出します。「ひとつ提案がある」という前置きです。How would you like to ~? は相手に何かを勧めるていねいな言い方で、ここでは「静かに座って第1章を読むのはどうか」と勧めています。質問に一つずつ答える代わりに読む物を差し出す、という返し方が面白いところです。
「Rest assured」と「I can’t believe ~」――約束とお礼の言葉
作家の提案を受けて、フィルはこう約束します。
Phil: Rest assured.
(ご安心を。)Phil: Your treasure is in good hands.
(あなたの宝物は、ちゃんと大事にお預かりします。)Phil: We are also members of the artistic community.
(俺たちも芸術の世界の人間なんで。)Cameron: Clown.
(ピエロ。)Phil: Magician.
(マジシャン。)Modern Family Season7 Episode21 (Crazy Train)
Rest assured. は「ご安心ください」という決まった言い方で、相手が心配しそうなことを先に打ち消すときに使います。be in good hands は「信頼できる人の手にある」、つまり「大切に扱う」という意味です。ここでの treasure(宝物)は、作家が読ませてくれる第1章を指していると読み取れます。Don’t worry. Your dog is in good hands.(心配しないで。犬はちゃんと見ておくから)のように、ペットや荷物を預かる場面でも使えます。
二人はさらに、自分たちも芸術の世界の人間だと言い、それぞれ Clown.(ピエロ)と Magician.(マジシャン)を付け加えます。
この回の終盤、作家は二人にこう告げます。
Simon Hastings: This is brilliant! I can’t believe you two clowns have saved my book.
(これは見事だ! まさか君たちピエロ二人に、私の本を救われるとはな。)Cameron: Actually, it’s just one clown.
(実は、ピエロは一人だけなんだ。)Phil: One magician.
(マジシャンが一人。)Modern Family Season7 Episode21 (Crazy Train)
I can’t believe ~ は「〜だなんて信じられない」という驚きの言い方で、ここでは感謝の気持ちとも重なります。This is brilliant! は「見事だ」とたたえる一言です。clown には「おどけ者」という意味もありますが、二人は最初の名乗りを持ち出して、ピエロは一人だけ、もう一人はマジシャンだと言い直します。
まとめ|憧れの人と言葉を交わすときの英語
We hate to bother you, but ~ で声をかけ、favorite や I’m sad about finishing it で好きな気持ちを伝えます。What’s your process? で尋ね、Rest assured. と in good hands で約束する流れが、二人と作家の会話から見えてきます。
これからも『モダンファミリー』の会話を手がかりに、英語の言い回しを集めていきましょう。
乾杯の言葉をめぐるきょうだいの会話は同じ回のほかのコラムで、個々の表現の使い方はフレーズ記事で扱っています。


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