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『モダンファミリー』シーズン7第21話では、ジェイの元妻ディーディーの再婚式へ向かう列車の中で、クレアとミッチェルが母への乾杯の言葉をめぐって言い合いになります。
指摘をしても「何の話?」と返されたら、どう言い返すか。クレアの反論には、仮定法を使った皮肉、実例の挙げ方、問いかけでの締め方までがそろっています。謝る側のミッチェルの言葉とあわせて見ていきます。
「I’m sorry I ~」と「Don’t use ~ against me」――謝罪から始まる応酬
この場面のやりとりは、ミッチェルの謝罪から始まります。謝っているのは、母が乾杯の言葉を頼んだのはクレアではなく自分だ、と伝えたことについてです。
Mitchell: Look, I’m sorry I told you that Mom picked me for the toast and not you.
(あのさ、母さんが乾杯の挨拶に姉さんじゃなくて僕を選んだって言ったのは、悪かったよ。)Mitchell: It’s just that I’ve always had a special relationship with her.
(ただ、僕は昔から母さんと特別な関係なんだ。)Claire: Sure, like the one between a witch and her flying monkey.
(そうね、魔女と空飛ぶサルみたいな関係ね。)Mitchell: Don’t do that.
(やめてよ。)Mitchell: Don’t use “The Wizard of Oz” against me.
(『オズの魔法使い』を持ち出して僕を責めないで。)Modern Family Season7 Episode21 (Crazy Train)
I’m sorry I told you that ~ は「〜と言ってしまって悪かった」と、伝え方や言ったこと自体を謝る形です。事実そのものではなく、自分の行動に焦点を当てた謝り方と言えます。続く It’s just that ~ は「ただ〜というだけなんだ」と事情を添える前置きで、謝罪のあとに理由を足すときに使われます。
ところが、添えた理由の special relationship(特別な関係)を、クレアは Sure, like ~ で受けて、魔女と空飛ぶサルの関係に言い換えます。「そうね、〜みたいなね」と相手の言葉を一度受け止めてから皮肉に変える返し方です。
ミッチェルの Don’t do that. は「それはやめて」という短い抗議で、相手の言い方そのものを止めたいときに使えます。use A against B は「AをBに不利になるように使う」という意味で、ここでは有名な物語のたとえを持ち出して責めないで、と言っています。Don’t use my words against me.(僕の言葉を逆手に取らないで)のように、自分の発言を持ち出されたときにも使えます。
「if only I could think of an example」――「何の話?」に実例で返す
クレアは続けて、母とミッチェルの関係について指摘します。
Claire: Mom manipulates you.
(ママはあなたを操ってるの。)Claire: She uses you against the rest of us.
(あなたを使って、私たちみんなに対抗してるのよ。)Mitchell: I have no idea what you’re talking about.
(何の話か全然わからないよ。)Claire: Oh, God, if only I could think of an example.
(あーあ、例が一つでも思いつけばいいんだけど。)Claire: Oh, wait, here’s one of 30.
(あ、待って、30個あるうちの1つがあったわ。)Modern Family Season7 Episode21 (Crazy Train)
ここにも use ~ against が出てきます。先ほどの「たとえを持ち出して責める」とは違い、use you against the rest of us は「あなたを使って、ほかのみんなに向ける」という意味です。同じ形でも、使われるのが物か人かで意味合いが変わります。
ミッチェルの I have no idea what you’re talking about. は「何の話か分からない」と返す決まった言い方です。ここでの返事が本心なのか、話を受け流そうとしたのかは、場面からは決められません。
それに対するクレアの if only I could ~ は仮定法の形で、「〜できさえすればいいのに」という願望を表します。ここではわざと「例が思いつかない」ふりをしておき、すぐに Oh, wait, here’s one of 30. と続けます。one of 30 は「30個あるうちの1つ」で、例がいくらでもあると言いたい誇張です。「思いつかない」と言った直後に例を出すことで、皮肉がはっきり伝わる組み立てになっています。
ただし、この言い方は相手をからかう響きが強いため、使うなら気心の知れた相手との軽い言い合いに限るのが無難です。
「Does that seem like ~?」と「I have some issues with ~」――問いかけで締める
クレアが挙げる実例は、アレックスの卒業式の件です。
Claire: She blew off Alex’s graduation, but she didn’t tell us.
(ママはアレックスの卒業式をすっぽかしたのに、私たちには言わなかった。)Claire: She made you do it so we would all dump on you instead of her.
(それをあなたにやらせたのよ。私たちがみんな、ママじゃなくてあなたを責めるようにね。)Claire: And now she bans me from giving a toast, and we’re fighting about it.
(で、今度は私に乾杯の挨拶をさせなくて、そのことで私たちがけんかしてる。)Claire: Come on.
(ねえ。)Claire: She’s using you like a human shield.
(あなたを人間の盾みたいに使ってるの。)Claire: Does that seem like a healthy relationship?
(それって健全な関係だと思う?)Claire: Why don’t you give that some thought while you’re getting me a refill?
(おかわりを取ってきてくれる間に、ちょっと考えてみたら?)Mitchell: When did you even drink that? You’ve been talking the whole time.
(いつ飲んだの? ずっとしゃべりっぱなしだったじゃないか。)Modern Family Season7 Episode21 (Crazy Train)
blow off は「(約束や行事を)すっぽかす」というくだけた言い方です。過去の件、今の状況と順に並べたあと、クレアは human shield(人間の盾)のたとえで要点をまとめます。この言い方の詳しい使い方は、同じ回のフレーズ記事で扱っています。
締めの Does that seem like ~? は「それって〜に見える?」と、結論を押しつけずに相手に判断をゆだねる問いかけです。Why don’t you give that some thought? の give ~ some thought は「〜について少し考える」という意味で、「考えてみたら?」と促す形になります。ミッチェルの even は「いったいいつ」と驚きを強める語で、言い合いの最後を軽い一言で受けているのが印象的です。
その後、結婚式を前に家族で話し合う場面では、二人がそれぞれこう話します。
Mitchell: I recently discovered I have some issues with Mom, but I love her.
(最近気づいたんだけど、母さんには思うところがある。でも、愛してるんだ。)Modern Family Season7 Episode21 (Crazy Train)
Claire: I love Mom, too usually.
(私もママを愛してるわ……たいていはね。)Modern Family Season7 Episode21 (Crazy Train)
have issues with ~ は「〜にわだかまりがある」という意味です。クレアは usually を後ろに足して「たいていは」と留保をつけ、同じ言葉に軽いひねりを加えています。
まとめ|「何の話?」に言い返すための英語
I have no idea what you’re talking about. と返されたクレアは、if only I could think of an example の皮肉から実例を挙げ、Does that seem like ~? の問いかけで話を締めます。謝罪の It’s just that ~ も含め、反論の組み立てが一続きで見えてきます。
次回も『モダンファミリー』と一緒に、家族の会話から英語を拾っていきましょう。
憧れの作家と話すときの英語や、toast と roast の違いは、同じ回のほかのコラムで扱っています。


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