「writer’s block」の意味と使い方|『モダンファミリー』S07E21で学ぶ英会話

「writer's block」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

締め切りが迫っているのに、画面の前で手が止まったまま、一文字も進まない。そんな状態に、心当たりはありませんか。気合いが足りないわけではなく、言葉そのものが出てこなくなる、あの感覚です。

その状態をずばり言い表す「writer’s block」を、『モダンファミリー』シーズン7第21話の中盤、作家のサイモン・ヘイスティングスが語る一言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「writer’s block」の意味とニュアンス

writer’s block
意味:ライターズブロック(文章が書けなくなる状態)、スランプ

writer’s block は、書き手が言葉やアイデアを出せなくなり、筆が止まってしまう状態を指す名詞です。writer’s は「書き手の」、block は「ふさぐもの、妨げ」という意味で、書き手の前に何かが立ちふさがっているような状態を言います。

writer’s block は、冠詞を付けない形で辞書に載っています。a や the を付けず、writer’s block とそのままの形で、状態の名前として使います。ドラマの台詞では paralyzing writer’s block となっていて、paralyzing が前に付いた形です。paralyze は「麻痺させる、身動きを取れなくする」という意味の動詞なので、paralyzing は「身動きを取れなくするほどの」という意味の形容詞として働きます。

使える場面は、物語を書く人に限りません。仕事の報告書や企画書、ブログの記事、メールなど、書く作業の途中で言葉が出なくなったときにも言えます。「書けない」状態に絞った名詞なので、行き詰まり全般を指す言葉とは区別されます。

日本語に置き換えるときは、「ライターズブロック」とカタカナのまま言うか、「書けなくなるスランプ」と言い換えるのが自然です。「作家のブロック」と直訳すると、何のことか分かりにくくなります。

【ここがポイント!】

  • 「writer’s block」の核は、書こうとしても言葉が出てこない、筆が止まった状態
  • 冠詞を付けずに、状態の名前としてそのまま使う
  • paralyzing のような形容詞を前に付けると、状態の重さを強調できる

『モダンファミリー』S07E21のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

列車でポートランドへ向かう旅の途中で、キャメロンとフィルが、ミステリー作家のサイモン・ヘイスティングスに話しかけます。ふたりは、シルバートンのミステリー小説の作者であるこの作家のファンです。キャメロンが、悩みが解決したのかとたずねると、ヘイスティングスが長い間の悩みを語り始めます。今回のフレーズは、その語りの中に出てきます。

Cameron: Hey. Just checking in. Hi. Ooh, celebrating solving your problem?
(やあ、様子を見に来たよ。どうも。おや、悩みが解決したお祝いかい?)

Simon Hastings: After 10 years of paralyzing writer’s block, I at last felt that I was drinking directly from the teat of the muse. But she was no muse.
(10年も筆が動かなくなるスランプが続いたあと、私はやっと、ミューズから直接霊感を受け取っているような気がしたんだ。だが、彼女はミューズなんかじゃなかった。)

Phil: Such a gift for language.
(なんて言葉の才能だ。)

Simon Hastings: At the next stop, I’m going to burn this book.
(次の停車駅で、この本を燃やすつもりだ。)

Modern Family Season7 Episode21 (Crazy Train)

シーン解説と心理考察

キャメロンは Hey. Just checking in. Hi. と、短い言葉を重ねて話しかけます。check in は「様子を見に来る」という意味で、Just が付くと「ちょっと立ち寄っただけ」という軽さが出ます。Hey と Hi は、どちらも軽い呼びかけの挨拶です。続く Ooh, celebrating solving your problem? は、celebrating の前の Are you が省かれた形で、「悩みが解決したお祝いかい?」と、ヘイスティングスの状況を推し量る問いです。

ヘイスティングスは After 10 years of paralyzing writer’s block と始めます。After 10 years of … は「10年間の〜のあと」で、10年という期間の長さが先に示されています。そのあとの I at last felt that I was drinking directly from the teat of the muse では、at last が「ついに、やっと」の意味です。drinking directly from … は、霊感が自分にじかに流れ込んでくる感覚をたとえた言い方で、the muse は創作の霊感を与える存在を指します。felt that は「〜という気がした」という形で、that のあとに感じた内容が続きます。I was drinking と過去進行形になっているのは、霊感を受け取っている最中のような感覚だった、という言い方だからです。

ところが、続く文は But she was no muse. です。no muse は「ミューズなんかではない」という強い打ち消しで、いま言ったばかりの感覚を、すぐに打ち消しています。つまりヘイスティングスは、スランプが明けてよかった、という話をしているのではありません。10年続いたスランプのあと、やっと霊感を得た気がしたものの、それは本物ではなかった、と語っているのです。

フィルはそれを聞いて、Such a gift for language. と言います。a gift for language は「言葉の才能」という意味で、直前のヘイスティングスの言い回しを受けた一言です。

ヘイスティングスは At the next stop, I’m going to burn this book. と続けます。I’m going to は、これから起こす予定を述べる言い方で、At the next stop は「次の停車駅で」です。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

ペンの進む道の途中に、大きな塊がどんと置かれている。そんな姿を思い描くと、この言葉の中身がつかめます。書きたい気持ちはあるのに、塊が行く手をふさいで、言葉が先へ進めません。block は「塊、ふさぐもの」という意味の語で、その像がそのまま状態の名前になっています。

ヘイスティングスの台詞では、その塊に paralyzing が付いています。ふさがれるだけでなく、身動きまで止められてしまう。その重さが、10年という長さとあわせて伝わってくる一言です。

例文で覚える「writer’s block」

writer’s block を、3つの例文で確認していきましょう。

I’ve had writer’s block for two weeks, and the deadline is tomorrow.
(2週間ずっと書けなくて、締め切りは明日なんだ。)
締め切り前の焦りを話す日常の場面です。have の現在完了形で、書けない状態が続いてきたことを言い表しています。

A: How’s your novel coming along?
B: Not great. I’ve had writer’s block since March.
(A:小説、どんな調子?)
(B:いまひとつ。3月からずっと書けなくて。)
友人どうしの会話です。since March と起点を添えると、書けない状態が3月から続いていることが伝わります。

She finally got over her writer’s block after a long walk.
(彼女は長い散歩のあと、ようやくスランプを抜け出した。)
身近な人の回復を話す場面です。get over は「乗り越える、立ち直る」という意味の句動詞で、書けない状態から抜け出したことを表します。

あわせて覚えたい関連表現

be stuck
(行き詰まっている)
be stuck は、書くこと以外にも使える一般的な言い方です。writer’s block は、「書けない」状態に限った名詞です。

hit a wall
(壁にぶつかる、行き詰まる)
hit a wall は、突然進めなくなる動きを表し、分野を問いません。writer’s block は、書く行為に特化した名詞です。

slump
(スランプ、不調)
slump は、成績や調子が落ち込む幅広い不調を指します。writer’s block は、そのうち「書けない」ものに限った言い方です。

Note|writer’s block と一緒に使う動詞と、状態の重さを示す形容詞

writer’s block は名詞なので、そのままでは「書けない状態がある」と名前を挙げただけになります。動詞と組み合わせると、その状態にいる、悩まされている、抜け出した、といった経過まで言い分けられます。ここでは、組み合わせる動詞と形容詞を整理します。

まず動詞です。have writer’s block は「書けない状態にある」という、いまの状況の説明になります。suffer from writer’s block は「書けない状態に悩まされる」で、苦しさを含む言い方です。get over writer’s block や overcome writer’s block は「書けない状態を乗り越える」で、抜け出した経過を述べるときに使います。

次に形容詞です。ヘイスティングスの paralyzing writer’s block は、「身動きを取れなくするほどの」という意味の形容詞が付いた形で、状態の重さを強調しています。形容詞を足すことで、同じ writer’s block でも、軽い滞りなのか、長く続く深刻な停滞なのかを伝え分けられます。

例文の I’ve had writer’s block since March. は have の現在完了形で、「3月からずっと」と継続を示した形でした。She finally got over her writer’s block. は、get over の過去形で、抜け出したことを述べた形です。名詞を軸に、動詞と形容詞を付け替えていくと、状態の描写がぐっと広がります。

まとめ|書けない状態に名前を付ける言葉

writer’s block は、文章が書けなくなる状態を指す名詞です。冠詞を付けず、have や get over といった動詞と組み合わせて、状況や経過を言い分けます。

ヘイスティングスは、paralyzing を前に付けて、10年続いた書けない状態の重さを一言で表しました。形容詞ひとつで、名詞の印象はこれだけ変わります。

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