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『モダンファミリー』シーズン5第16話で、ミッチェルは新しい職場で働き始めます。そして上司のウェンディに、職場の人たちが言えずにいることを自分が言うと切り出し、人への接し方を正面から批判します。
今回は、綴りがよく似た2つの語 own と owe を軸に、自分の取り違えだけを認めて本題に戻る言い方と、前提ごと間違っていたと分かったときの謝り方を、場面の順に追っていきます。
「I’m sorry」で始まるのに謝っていない切り出し
この場面でミッチェルがウェンディに向けた最初の言葉は、次のとおりです。
Mitchell: Okay, Wendy, I’m sorry.
(よし、ウェンディ、悪いけど。)Mitchell: I-I have something to say to you, something that everybody else here is afraid to say.
(き、君に言いたいことがあるんだ。ここにいるみんなが怖くて言えずにいることをね。)Modern Family Season5 Episode16 (Spring-a-Ding-Fling)
ここでの I’m sorry は、謝罪ではありません。これから相手の耳に痛い話をすると予告する前置きで、日本語の「悪いけど」「失礼を承知で言うけど」に近い働きをしています。英語では I’m sorry, but ~ の形で、反論や苦情の前に添えられることが多いと言われます。
続く I have something to say to you は「あなたに言っておきたいことがある」という切り出しの定番で、話の主導権を取る一言です。さらにミッチェルは something that everybody else here is afraid to say と付け加え、自分ひとりの不満ではなく、周りの人たちの思いを代わりに伝えるのだと位置づけます。
このあとミッチェルは、ウェンディの人への接し方を責める言葉を続けます。「謝っているようで謝っていない」前置きから始まるのが、この場面の入り口です。日常でも、言いにくいことを伝える前の一言として使えます。
- A: I’m sorry, but I have something to say about the schedule.
(悪いけど、スケジュールのことで言っておきたいことがあるんだ。) - B: Sure, go ahead.
(いいよ、どうぞ。)
ただし前置きの I’m sorry は、相手によっては「謝る気がないのに謝っている」と受け取られることもあります。本当に謝りたい場面とは区別しておくと、次の own と owe の違いも見えやすくなります。
「I own that」で取り違えを認めて、本題に戻る
ミッチェルの批判に、ウェンディが聞き返したところから話が意外な方向に転がります。
Wendy: W-what are you talking about?
(な、何の話?)Mitchell: I am an experienced, respected attorney, and on my first day, you asked me to bathe Rex.
(僕は経験を積んだ、一目置かれる弁護士だ。その僕に、初日に君はレックスを洗えと言ったんだ。)Rex: I’m not comfortable with that.
(それは落ち着かないな。)Mitchell: And I’m not comfortable with that, but I did it.
(僕だって落ち着かないさ。でも、やったんだ。)Wendy: Okay, that’s Pixie.
(あのね、それはピクシー。)Wendy: This is Rex, the intern I asked you to groom.
(こっちがレックス。あなたに育ててほしいと頼んだインターンよ。)Mitchell: And that is my mistake, and I own that.
(それは僕の間違いだ。そこは認めるよ。)Mitchell: But that is still no excuse for the way that you tore into him for the outfit he wore yesterday.
(でも、だからって昨日の服装のことで彼をこき下ろしていい理由にはならない。)Modern Family Season5 Episode16 (Spring-a-Ding-Fling)
ウェンディの説明から、ミッチェルが洗ったのはインターンのレックスではなく、ピクシーだったことが分かります。groom には「動物の毛並みを整える」と「人を育てる」の両方の意味があり、そのずれが取り違えにつながったと読めます。
ここで使われる I own that の own は、「所有する」から転じて「自分のこととして引き受ける」という意味です。that is my mistake と認めたうえで、それを自分の責任として受け止めると示す言い方で、言い訳をしない姿勢が伝わります。似た形に own up to ~(〜を認める)があります。
見どころは、認めた直後に But that is still no excuse for ~ と続けている点です。「それでも〜の言い訳にはならない」という意味で、自分の非は認めつつ、相手への指摘は取り下げないという流れを作っています。取り違えた部分だけを切り分けて認め、話の軸を戻す組み立ては、仕事の話し合いでも応用できます。
「I might owe you an apology」で前提ごと謝る
ミッチェルはさらに、ほかの人たちも同じ思いだと訴えます。
Mitchell: But I-I-I’m not alone here, all right? There are people in this room who feel that you are — How did we say it? You are a tyrant with no regard for human life.
(でも、こう思ってるのは僕だけじゃないんだ、いいかい? この部屋には、君のことを……どう言ったっけ? 人の命を何とも思わない暴君だと感じている人たちがいるんだ。)Elliot: That sounds like my summation for the slum-lord case.
(それ、悪徳家主の事件で書いた私の最終弁論みたいだな。)Modern Family Season5 Episode16 (Spring-a-Ding-Fling)
エリオットの一言で、ミッチェルが根拠にした言葉は、ウェンディへの悪口ではなく事件の書面の文句だったと分かります。職場の人たちの話を聞くうちに、ミッチェルは自分の思い込みに気づき、こう言います。
Mitchell: Wendy, um I-I might owe you a little bit of an apology, so I’m sorry.
(ウェンディ、その……君に少し謝らなきゃいけないかもしれない。だから、ごめん。)Mitchell: Um, clearly, everybody here loves you, and I-I was wrong about everything.
(ええと、どう見てもみんな君のことが好きだし、僕は何もかも間違ってた。)Mitchell: So I’m sorry.
(だから、ごめん。)Wendy: You know, you you weren’t wrong about everything.
(ねえ、あなたは何もかも間違ってたわけじゃないわ。)Wendy: I mean, look, I do joke about it, but you’re right.
(つまりね、私はそのことを冗談にしてるけど、あなたの言うとおりなの。)Modern Family Season5 Episode16 (Spring-a-Ding-Fling)
owe は「借りがある」という意味で、I owe you an apology は「あなたに謝罪の借りがある」、つまり「謝らなければならない」と認める決まった言い方です。ミッチェルは might(かもしれない)と a little bit of(少し)を重ねて、まず控えめに切り出します。
そのうえで I was wrong about everything と前提ごと誤りを認め、最後は So I’m sorry. と短く言い直します。冒頭の前置きの I’m sorry とは違い、こちらははっきりした謝罪です。対するウェンディの you weren’t wrong about everything は、謝罪を受け止めながら「全部が間違いではなかった」と一部を認め返す言い方として使えます。
| 表現 | 働き |
|---|---|
| I’m sorry, I have something to say to you | 謝罪ではなく、言いにくい話の前置き |
| That is my mistake, and I own that. | 自分の非を引き受けて認める |
| But that is still no excuse for ~ | 認めたうえで指摘を続ける |
| I might owe you an apology. | 謝るべきだと控えめに認める |
| You weren’t wrong about everything. | 謝罪を受け、相手の正しさを一部認める |
まとめ|own と owe で変わる、非の認め方
前置きの I’m sorry、取り違えだけを引き受ける I own that、前提ごと誤りを認める I might owe you an apology、そして一部を認め返す you weren’t wrong about everything。綴りの近い own と owe の違いを押さえると、どこまで非を認めているのかが聞き分けられるようになります。
次回も『モダンファミリー』を観ながら、場面ごとの英語を拾っていきましょう。
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