「a voice for the voiceless」の意味と使い方|『モダンファミリー』S05E16で学ぶ英会話

「a voice for the voiceless」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

新しい仕事に就くとき、自分は何のために働くのかを、誰かに話したくなったことはありませんか。

そんな場面にぴったりの「a voice for the voiceless」を、『モダンファミリー』シーズン5第16話の序盤、ミッチェルが新しい職場について語るシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「a voice for the voiceless」の意味とニュアンス

a voice for the voiceless
意味:声を上げにくい人たちの代弁者

a voice for the voicelessは、自分の意見を伝える場や手段を持たない人たちに代わって、その立場を訴える人や役割を表す慣用的な言い方です。voiceは「声」、voicelessはvoiceに「〜がない」を表す接尾辞のlessがついた語で、文字どおりには「声のない」という意味になります。そこにthe(定冠詞)が付いてthe voicelessとなると、「声のない人たち」という集団を表します。

ここでのvoicelessは、話す能力がないという意味ではありません。声が届きにくい立場にいる、意見を聞いてもらう機会が少ない、といった状況を比喩的に言い表しています。そのため、a voice for the voicelessは「声なき人々の声になる人」「声を上げられない人たちのために声を上げる人」と訳すとしっくりきます。

使い方の基本は、be a voice for ~の形です。「She wants to be a voice for the voiceless.」のように、自分がその役割を担いたいと言うときにも、誰かをその役割の人として紹介するときにも使えます。forの後ろの名詞を入れ替えて、a voice for the homelessのように対象を具体的にする形もあります。

【ここがポイント!】

  • 「a voice for the voiceless」の核は、声を持たない人たちのために声になる、という代弁者のイメージ
  • 「the + 形容詞」で、voicelessが人々の集団を表している形
  • 職業や活動への思いを語る場面で、自分の役割を言い表すのに使える表現

『モダンファミリー』S05E16のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ミッチェルが新しい仕事先について語る場面です。職場の名前にキャメロンが冗談めかした一言を添え、ミッチェルはその団体の説明と、自分の役割への意気込みを続けます。会話の流れの中で、フレーズがどの位置に出てくるかに注目です。

Mitchell: I have accepted a job at the C.F.J., The the Center For Justice.
(僕はC.F.J.、ええと、センター・フォー・ジャスティスの仕事を引き受けたんだ。)

Cameron: Not, it turns out, a secret headquarters for superheroes.
(スーパーヒーローの秘密基地じゃなかった、ってことだね。)

Mitchell: No, it it kind of is. It’s a legal-aid society founded by a law-school friend of mine. I will be an advocate for the people, a voice for the voiceless. And just as important
(いや、まあ、ある意味そうなんだ。ロースクール時代の友人が立ち上げた法律扶助の団体でね。僕は人々の代弁者になる、声なき人々の声になるんだ。それと同じくらい大事なのが)

Cameron: Oh, thank you. Tonight, I am chaperoning the Spring-A-Ding-Fling, a fundraiser, a dance, which, under my stewardship, has shattered school records.
(あ、ありがとう。今夜、僕は「スプリング・ア・ディング・フリング」の付き添い役なんだ。資金集めのダンスパーティーで、僕が仕切るようになってから学校の記録を塗り替えてるんだよ。)

Modern Family Season5 Episode16 (Spring-a-Ding-Fling)

シーン解説と心理考察

ミッチェルは、C.F.J.、つまりセンター・フォー・ジャスティスで働くことにしたと切り出します。途中で言い直すような話し方に、新しい仕事を口にする話し方の特徴が表れています。

団体の名前について、キャメロンは「スーパーヒーローの秘密基地ではなかった」と冗談めかして返します。ミッチェルは「ある意味そうなんだ」と応じて、法律扶助の団体であることを説明します。冗談を打ち消さずに受け止めてから、本題に入る返し方です。

そのうえでミッチェルは、自分の役割を「an advocate for the people」、続けて「a voice for the voiceless」と言い換えます。人々の代弁者という言い方をもう一度、声を持たない人たちの声という形で言い直しているところに、仕事への意気込みが重なっています。弁護士として働いてきたミッチェルが、その経験を生かす場所に向けて語る理想の言葉として響きます。

「And just as important」と話を続けようとしたところで、キャメロンは「Oh, thank you.」と返し、話題を今夜のダンスパーティーへ移していきます。ミッチェルの新しい仕事の話と、キャメロンが付き添うダンスパーティーの話が、同じ会話の中で並んでいる形です。それぞれが自分の事情を語る、二人のやり取りの空気が伝わってきます。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

マイクを持っていない人たちの隣に立って、その人たちの代わりにマイクを持つ姿を思い浮かべてみましょう。「声(voice)を持たない(-less)人たちのための声」という言葉どおりの絵が、そのまま「代弁者」の意味につながります。

ミッチェルの場合は、マイクを向けられる側ではなく、マイクを持って隣に立つ側に回ると宣言した形です。an advocate for the peopleが「立場を擁護する人」を言い表し、a voice for the voicelessが「その人たちの声になる」場面を思い浮かべさせます。二つの言い方が並ぶと、代弁者という役割が二方向から描かれます。

覚えるときは、voiceとvoicelessの対応に注目するのが近道です。voiceに「ない」を表すlessを付けただけの語なので、fearless(恐れのない)やhomeless(家のない)と同じ作りだと分かります。そのうえでthe voicelessと冠詞を付ければ、「声のない人たち」という集団を指せます。

例文で覚える「a voice for the voiceless」

仕事への思いや活動の目的を語るときに使えるa voice for the voicelessを、3つの例文で確認していきましょう。

She became a lawyer to be a voice for the voiceless.
(彼女は、声を上げられない人たちの代弁者になるために弁護士になりました。)
仕事を選んだ理由を紹介する場面です。to be以下が目的を表していて、職業と役割を結びつける言い方になります。

Good reporters try to be a voice for the voiceless.
(良い記者は、声なき人々の代弁者であろうとします。)
報道の役割を語る場面です。tryと組み合わせると、その役割を目指して続けていく姿勢が出ます。

A: Why did you take that job at the legal clinic?
B: I wanted to be a voice for the voiceless.
(A:どうして法律相談所の仕事を選んだの?)
(B:声を上げられない人たちの代弁者になりたかったんだ。)
転職の理由を尋ねる会話です。wanted to beで、仕事を選んだ動機をそのまま答えています。

あわせて覚えたい関連表現

an advocate for ~
(〜の擁護者、代弁者)
ミッチェルが同じ発言の中で直前に使っていた言い方です。advocateは職業や立場としての「擁護者」を指し、a voice for the voicelessは対象を「声を上げられない人たち」と印象的に言い表す点が違います。

speak up for ~
(〜のために声を上げる)
speak up forは「その人のために発言する」という動作を表す動詞表現です。a voice for the voicelessは、その動作をする人や役割を名詞で表す点が違います。

stand up for ~
(〜を擁護する、守る)
stand up forは批判や攻撃から守る姿勢に重点があります。a voice for the voicelessは、代わりに主張するという働きに重点がある点が違います。

Note|名詞で言うか、動詞で言うか、代弁の表現を並べてみる

誰かのために発言する、という同じ内容でも、英語には名詞で言う形と動詞で言う形があります。ここでは、a voice for the voicelessとその周りの表現を、形の面から整理します。

a voice for the voicelessとan advocate for ~は、どちらも「人」を表す名詞の形です。be動詞のあとに置いて、「私は〜の代弁者になる」と自分の役割を言い切れます。ミッチェルが「I will be an advocate for the people, a voice for the voiceless.」と、二つの名詞を並べたのもこの形の特徴です。一方のspeak up for ~は動詞表現で、「〜のために声を上げる」という行動そのものを表します。「I will speak up for the people.」のように、主語が何をするかを言う形です。

この違いは、伝えたい重点の違いにつながります。名詞の形は、自分の立場や役割を宣言する言い方に向いています。動詞の形は、目の前の出来事に対して何をするかを言う言い方に向いています。stand up for ~は同じ動詞表現でも、批判や攻撃から守るという方向が加わる点が異なります。

ミッチェルの発言は、これから始まる仕事での立場を語る場面でした。行動の予告ではなく、役割の宣言なので、名詞の形が選ばれています。同じ内容でも、名詞にするか動詞にするかで、話し手が示したいものが変わります。

役割を名乗るときは名詞、行動を述べるときは動詞、と使い分けると整理しやすくなります。

まとめ|「声になる」と宣言する一言

a voice for the voicelessは、声を上げにくい人たちの代わりに、その立場を訴える人や役割を表す表現です。the voicelessという「the + 形容詞」の形で、声のない人たちという集団を一言でまとめています。

仕事への思いを語るときにも、誰かの活動を紹介するときにも、自分の役割を名詞で言い切る形として使えます。an advocate for ~やspeak up for ~との違いを押さえておくと、名詞と動詞のどちらで言いたいかに合わせて言い分けられます。

新しい職場への意気込みを、言い直しのあとに言い切ったミッチェルの一言は、この表現が持つ宣言の響きをよく示していました。表現の引き出しに加えてみてください。

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