海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン7第14話は、嵐に見舞われた一日が舞台です。ジェイとグロリアの家が停電すると、ジェイが買っておいた新しい発電機が動き出し、やがてほかの家族もこの家に集まってきます。
停電をどう言い表すのか、発電機で何を動かすのか、嵐の間をどう過ごすのか。劇中の場面を手がかりに、アメリカの家庭の停電への備えと、それにまつわる日常の英語を順に見ていきます。
「The power just went out」――停電を英語で言う
停電に気づいたマニーが、まず声を上げます。それを受けて、ジェイが発電機の話を始めます。
Manny: Oh, don’t tell me the power just went out!
(ああ、まさか停電したんじゃないでしょうね!)Jay: Calm down.
(落ち着け。)Jay: This is exactly why I sprung for a new generator.
(だから新しい発電機を奮発したんだ。)Jay: Which, you’re welcome, just kicked in.
(で、礼には及ばんが、ちょうど今動き出した。)Jay: Now, granted, it doesn’t power everything.
(まあ、確かに全部に電気が行くわけじゃない。)Jay: I had to make some hard choices.
(厳しい選択をしなきゃならなかったんだ。)Modern Family Season7 Episode14 (The Storm)
英語の power は「電気、電力」を指し、The power went out. で「停電した」という意味になります。go out は火や明かりが「消える」という句動詞です。ほかに We lost power. や There’s a power outage. という言い方もあり、outage は「供給の停止」を表す名詞です。
ジェイの sprung for は spring for ~ の過去形で、「〜を奮発して買う」というくだけた言い方です。kick in は機械や効果が「作動し始める」という意味で、停電を受けて発電機が動き出したことを伝えています。
it doesn’t power everything では、power が「電気を供給する」という動詞として使われています。同じ語が名詞にも動詞にもなるので、停電の場面ではどちらの使い方も耳にします。
アメリカでは、雷雨やハリケーンなどの嵐で停電が起きることがあり、家庭用の発電機を備える家もあると言われます。ただ、備え方は地域や住まいによってさまざまです。
発電機で何を動かす?「essentials」と「didn’t make the cut」
ジェイの言う「厳しい選択」の中身を、家族はすぐに確かめます。
Manny: Hmm.
(ふうん。)Manny: That’s it? The bar and the pool table?
(それだけですか? バーとビリヤード台?)Joe: The frigerator’s black.
(れいぞうこ、まっくら。)Gloria: Okay, Jay, you’re not leaving until you put power in the important things.
(いいわね、ジェイ、大事なものに電気を回すまで出かけさせないわよ。)Modern Family Season7 Episode14 (The Storm)
一般に、家庭用の発電機は容量に限りがあり、どの回路や家電に電気を回すかを選ぶ必要があるとされています。ジェイの hard choices は、まさにその選択を指しています。hard choices は「難しい決断」という意味で、本来は仕事や重い決断にも使われる表現です。発電機の配分という身近な話に使うことで、ジェイの言葉には少し大げさな響きが出ています。
バーとビリヤード台には電気が来ているのに冷蔵庫は消えている、という組み合わせが、この場面の笑いどころです。
グロリアの put power in the important things は「大事なものに電気を回す」という意味です。その後、ジェイは家族にこう告げます。
Jay: I powered up all your essentials.
(お前らの必需品には全部電気を回したぞ。)Jay: Now I’m gonna go meet my buddies.
(じゃあ、俺は仲間に会いに行くからな。)Manny: I see my espresso machine didn’t make the cut, but I’ll manage.
(僕のエスプレッソマシンは選に漏れたようですが、まあ何とかします。)Modern Family Season7 Episode14 (The Storm)
power up は「電源を入れる、電気を通す」、essentials は「欠かせないもの、必需品」です。停電の備えとして、懐中電灯や電池、水などの必需品をそろえておく、といった話題でも使われることがある語です。
make the cut は「選考に残る」という意味で、didn’t make the cut なら「選に漏れた」になります。発電機の容量という限られた枠をめぐって、マニーが皮肉を言っている場面と読み取れます。
「ride out the storm」――嵐をやり過ごす
嵐の中、ミッチェルとキャメロンはリリーの誕生日会の子どもたちを連れて、ジェイの家にやって来ます。
Cameron: Okay, princesses, your castle awaits!
(さあ、お姫様たち、お城が待ってるよ!)Jay: What gives?
(どうしたんだ?)Mitchell: The roads were starting to flood, so we were hoping to ride out the storm here.
(道路が冠水し始めたから、ここで嵐をやり過ごさせてもらえたらと思って。)Jay: Yeah, sure.
(ああ、いいとも。)Modern Family Season7 Episode14 (The Storm)
ジェイの What gives? は「どうしたんだ、何事だ」というくだけた問いかけで、家にやって来た二人を迎える第一声です。
ride out ~ は、嵐や困難を「乗り切る、やり過ごす」という意味です。ride out the storm は文字どおりの嵐にも、不況のような比喩としての嵐にも使われます。We decided to ride out the storm at home.(嵐の間は家で過ごすことにした)のように、出かけずにその場でやり過ごす場合にも使われます。
ジェイの家に着いたあと、子どもたちと音楽をかけようとしたミッチェルは、電源がないことに気づきます。
Mitchell: Okay, girls.
(よし、みんな。)Mitchell: Uh, let’s get some music started here, huh? Oh.
(えっと、音楽でもかけようか? あっ。)Mitchell: Oh, God, Cam, there’s no power.
(ああもう、キャム、電気が来てないよ。)Cameron: There’s Cam power.
(キャム・パワーがあるさ。)Modern Family Season7 Episode14 (The Storm)
there’s no power は「電気が来ていない」ことを最も短く伝える一文です。キャメロンはその power に自分の愛称を重ねて、Cam power と返しています。
まとめ|停電の一日に出てくる英語
The power went out.、generator、kick in、essentials、didn’t make the cut、ride out the storm。停電の一日を追うと、電気の言い方から発電機で何を動かすかの選択まで、暮らしに根ざした英語が並んでいることが分かります。
嵐の場面を思い出しながら、『モダンファミリー』の英語をこれからも味わっていきましょう。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、誕生日会の準備やジェイの仲間の集まりをめぐる英語も扱っています。


コメント