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『モダンファミリー』シーズン7第14話では、リリーの8歳の誕生日会をめぐって、ミッチェルとキャメロンが準備の方針を立て直します。気軽な会のつもりだったところに、ある女の子が来ることになり、二人の準備の事情が大きく変わっていきます。
手早く済ませる準備と、手間をかけて格を上げる準備。英語ではこの2つをどう言い分けるのかを、二人の会話に出てくる表現から順に見ていきます。
「throw together」は、ありあわせで手早くまとめる
二人はまず、リリーの誕生日会がもともとどんな会だったのかを振り返ります。
Mitchell: It’s Lily’s 8th birthday, and we had a little backyard party planned.
(リリーの8歳の誕生日でね、裏庭でささやかなパーティーをする予定だったんだ。)Mitchell: Hot dogs, some balloons you know, I mean, we really just threw it together.
(ホットドッグに風船が少し……まあ、本当にありあわせで用意しただけなんだけど。)Cameron: Kind of like my birthday party last year.
(去年の僕の誕生日パーティーみたいにね。)Mitchell: Okay, you told me that you did not want me to do anything
(ちょっと、何もしなくていいって言ったのは君だろ)Modern Family Season7 Episode14 (The Storm)
throw ~ together は、手元にあるもので手早く何かを用意するという意味の句動詞です。料理なら「冷蔵庫の残りでさっと作る」、資料なら「急ごしらえでまとめる」といった場面で使われます。ここでの it は誕生日会を指していて、ミッチェルは「凝った準備はしていない」と説明しています。
直前の a little backyard party や、Hot dogs, some balloons という並べ方も、会の規模を伝える手がかりです。料理と飾りを短く挙げるだけで、手間をかけていない様子が伝わります。
キャメロンの Kind of like my birthday party last year. は、去年の自分の誕生日会を持ち出す一言です。「あの時もありあわせだったよね」という含みがあり、ミッチェルは「何もしなくていいと言ったのは君だ」と言い返します。誕生日会の話から、夫婦の小さな言い合いに移っていく流れが見どころです。
日常会話では、I just threw something together for dinner.(夕食はありあわせで済ませたよ)のように、謙遜の一言としてもよく使われると言われます。
「up our game」は、相手に合わせて格を上げる
ところが、アシュリーという女の子が会に来ることになります。ミッチェルが理由を推し量りかけたところで、キャメロンが話を引き取ります。
Mitchell: Something must have fallen through, or
(何か予定がつぶれたのかも、それとも)Cameron: The point is, she decides who’s in and who’s out.
(肝心なのは、誰が仲間で誰が外れるかを決めるのはあの子だってこと。)Cameron: So we had to up our game.
(だから、僕たちもレベルを上げなきゃならなかった。)Mitchell: Which was a fun challenge.
(それはそれで楽しい挑戦だったよ。)Cameron: Yeah, considering it had been a while since we’d thrown any sort of fabulous birthday party.
(そうだね、すてきな誕生日パーティーなんて、しばらく開いてなかったしね。)Mitchell: You begged me not to make a fuss.
(大げさにしないでって頼んだのは君だろ。)Mitchell: You said
(君が言ったんだ)Cameron: Oh, because that sounds like me, yeah.
(へえ、いかにも僕が言いそうなことだよね。)Modern Family Season7 Episode14 (The Storm)
up one’s game の up は動詞で、「引き上げる」という意味です。game は腕前や出来を指し、全体で「レベルを上げる、本気を出す」という意味になります。似た言い方に step up one’s game や、「一段階上げる」という kick it up a notch があります。
同じ throw でも、throw a party は「パーティーを開く」です。キャメロンの we’d thrown any sort of fabulous birthday party はこちらの使い方で、throw ~ together とは意味が分かれます。together が付くかどうかで、「開く」と「ありあわせでまとめる」が入れ替わるのが面白いところです。
make a fuss は「大騒ぎする、大げさに手間をかける」という意味で、not to make a fuss で「大げさにしないで」と頼む形です。キャメロンの that sounds like me は「僕が言いそうなことだ」という意味ですが、ここでは「そんなことを僕が言うと思う?」という反語の調子で返しています。
「get ~ on board」で、場を仕切る相手を味方にする
嵐のため会場をジェイの家に移したあとも、アシュリーのひと言で、用意したピーナッツバターのサンドイッチに誰も手をつけなくなります。その話のあとで、二人はこう話します。
Mitchell: Ugh! This is ridiculous.
(もう! ばかげてるよ。)Mitchell: Are we really gonna let an 8-year-old dictate this party?
(本当に8歳の子にこのパーティーを仕切らせるつもり?)Cameron: You know how peer pressure is.
(仲間からのプレッシャーがどういうものか、分かるだろ。)Modern Family Season7 Episode14 (The Storm)
dictate は「口述する」のほかに「指図する、決定権を握る」という意味があり、let ~ dictate … で「〜に…を左右させる」という使い方ができます。let を使うことで、「そうさせておくのか」という問いかけの形になっています。peer pressure は、同じ年ごろの仲間から受ける同調の圧力を指す語です。
そこでミッチェルは、アシュリーを説得する作戦を口にします。
Mitchell: This is this is what I’m gonna do.
(こう、こうしよう。)Mitchell: If we get Ashley on board, everything else will just fall into place.
(アシュリーを味方につければ、あとは全部うまくいく。)Mitchell: I convince juries that guilty people are innocent.
(僕は陪審員に、有罪の人を無罪だと納得させてるんだ。)Mitchell: I can certainly convince Ashley that our party ideas are dope.
(アシュリーに僕らのパーティーのアイデアがイケてるって思わせるくらい、わけないさ。)Cameron: Yeah, but don’t say dope.
(うん、でも「イケてる」とは言わないでね。)Mitchell: I won’t say dope.
(言わないよ。)Modern Family Season7 Episode14 (The Storm)
get ~ on board は、相手を計画の賛同者として引き入れるという意味です。仕事の場でも We need to get the manager on board.(部長を味方につけないと)のように使われます。続く fall into place は「物事がうまく収まる」という表現で、この回のフレーズ記事で詳しく扱っています。
dope は「すごい、いい」という意味のくだけたスラングです。大人が若者ことばを使うと浮いてしまうことがあり、キャメロンの don’t say dope はそこを押さえた一言と読み取れます。
まとめ|準備の手間を言い分ける英語
throw ~ together はありあわせで手早くまとめること、up one’s game は相手や状況に合わせてレベルを上げることでした。throw a party、make a fuss、get ~ on board とあわせて覚えると、準備の手間や段取りを英語で説明しやすくなります。
次回も『モダンファミリー』の会話を手がかりに、英語の言い分けを一緒に見ていきましょう。
嵐の日のほかの場面は、同じ回のコラムやフレーズ記事でも取り上げています。


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