海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン2第13話では、ミッチェルとキャメロンが、アメリアの家で高価な絨毯に染みを作ってしまう騒動が描かれます。慌てる2人の会話には、同じ句が文脈によって二通りに聞こえる、英語ならではの取り違えが含まれています。
今回は、turn around の二つの意味を中心に、失敗を前にして取り繕うか正直に打ち明けるかで揺れる2人の会話から、慌てた場面の英語を見ていきます。
「Blot! Don’t rub, blot!」で染みに慌てる
アメリアが席を外している間、リリーとジャクソンを見ていたミッチェルとキャメロンは、絨毯の染みを前に慌てています。
Cameron: It’s not coming out! It’s not coming out!
(落ちない!落ちないよ!)
Mitchell: Blot! Don’t rub, blot!
(叩いて!こすらないで、叩くんだ!)
Cameron: We are beyond blotting and rubbing.
(もう叩くとかこするとかの段階じゃないよ。)
Cameron: We’ve moved on to sweating and crying.
(汗かいて泣く段階に進んじゃった。)
Mitchell: Okay.
(よし。)
Mitchell: Let’s not panic.
(落ち着こう。)
Mitchell: We’ll tell Amelia what happened, and then we’ll pay to have it cleaned.
(アメリアに事情を話して、クリーニング代を払おう。)
Modern Family Season2 Episode13 (Caught in the Act)
blot は、布やペーパーで押さえて水分を吸い取ることを指す語で、rub(こする)と対になる染み抜きの基本用語です。Don’t rub, blot! は、命令形を短く重ねて相手の手を止める言い方になっています。
キャメロンの We are beyond ~ は「もう〜の段階は過ぎた」、We’ve moved on to ~ は「〜の段階に移った」という意味です。ミッチェルの blotting and rubbing をそのまま受けて sweating and crying と言い換える、誇張を込めた返しです。
これを受けたミッチェルの Let’s not panic. は、「慌てるのはよそう」と自分たちに言い聞かせる言い方です。Let’s not ~ は Let’s ~ の否定形で、相手だけでなく自分も含めて「〜しないでおこう」と呼びかけるときに使います。
- A: I spilled coffee on the carpet!
(カーペットにコーヒーをこぼしちゃった!) - B: Don’t rub it. Blot it with a paper towel.
(こすらないで。ペーパータオルで押さえて吸い取って。)
「turn this around」と「turn the whole rug around」
この直後、染みが落ちなければ新しい絨毯を弁償すればいいと言うミッチェルに対し、キャメロンはその絨毯が5万ドルもするものだと明かします。
Mitchell: Oh, my God.
(なんてことだ。)
Mitchell: $50,000? For a rug? Cam, we don’t have that kind of money.
(5万ドル?絨毯に?キャム、そんなお金ないよ。)
Cameron: Maybe she won’t make us pay.
(払えって言われないかもよ。)
Cameron: I mean, we wouldn’t make someone pay if this happened to us.
(だって、僕らが同じことをされても、相手に払わせたりしないでしょ。)
Modern Family Season2 Episode13 (Caught in the Act)
that kind of money は「そんな大金」を表す口語的な言い方で、金額の大きさに驚いたときによく使われます。キャメロンの make us pay は「私たちに払わせる」という意味で、make + 人 + 動詞の原形 の使役の形です。
これに対してミッチェルは、アメリアが電話で「直せ、取り替えろ、小切手をよこせ」と話していたのを聞かなかったのか、と返します。wouldn’t make someone pay の would は「もし同じことが起きたら」という仮定の気持ちを表しています。
続いてキャメロンが、ある案を口にします。
Cameron: Maybe we can turn this around.
(これ、なんとかひっくり返せるかも。)
Mitchell: How?
(どうやって?)
Cameron: No.
(違うよ。)
Cameron: I mean the rug.
(絨毯のこと。)
Cameron: Maybe we can turn the whole rug around.
(絨毯ごと向きを変えればいいんだよ。)
Cameron: Put it under the couch.
(染みをソファの下に入れちゃうの。)
Cameron: See? No one would ever know it’s there.
(ほら、誰にも分からない。)
Mitchell: Well, we would know.
(でも、僕らには分かるよ。)
Modern Family Season2 Episode13 (Caught in the Act)
turn ~ around には、「(状況)を好転させる、立て直す」という比喩の意味と、「(物)の向きを変える」という文字どおりの意味があります。ミッチェルの How? は「どうやって立て直すのか」という問いに聞こえますが、キャメロンは No. I mean the rug. と、絨毯の向きのことだと言い直します。this が状況を指すのか絨毯を指すのか、という一語の曖昧さが取り違えを生んでいるのが面白いところです。
ミッチェルの Well, we would know. は、「誰にも分からない」という案に対して「自分たちには分かる」と返す一言です。would を使うことで、隠した後の自分たちを想像して答える形になっています。
「I’m only following your lead.」から打ち明けるまで
アメリアが戻ってくると、ミッチェルとキャメロンは染みの原因をこう説明します。
Mitchell: Jackson did it.
(ジャクソンがやったんです。)
Cameron: He grabbed Lily’s strawberry juice and started drinking it.
(リリーのイチゴジュースを取って飲み始めちゃって。)
Mitchell: Before we could stop him, it was all over everything.
(止める前に、そこら中にこぼれてしまって。)
Amelia: Oh, my God.
(なんてこと。)
Amelia: Oh, my God!
(なんてこと!)
Mitchell: We are horrible people.
(僕たち、最低だ。)
Cameron: I’m only following your lead.
(僕は君に合わせてるだけだよ。)
Mitchell: Yeah, so close that you stepped on the back of my shoe.
(ああ、ぴったりつきすぎて靴のかかとを踏まれたけどね。)
Modern Family Season2 Episode13 (Caught in the Act)
直前でうそをついた自分たちについて、ミッチェルが We are horrible people. と言い、そこから短い応酬が始まります。horrible は bad よりずっと強い語で、「最低」「ひどい」という強い言い方になります。
follow one’s lead は「〜の先導に従う、〜にならう」という意味です。キャメロンは責任の出どころがミッチェルにあると返し、ミッチェルは so close that ~(〜するほどぴったりと)を使って「かかとを踏むほどついてきた」とたとえで切り返しています。
その後、ジャクソンはイチゴにアレルギーがあるという話になり、アメリアは息子に痛みを伴う処置をしようとします。その直前、2人は本当のことを打ち明けます。
Mitchell: Jackson didn’t drink the juice.
(ジャクソンはジュースを飲んでいません。)
Cameron: I stepped on Lily’s bag.
(僕がリリーのかばんを踏んだんです。)
Cameron: The juice box fell.
(ジュースのパックが落ちて。)
Modern Family Season2 Episode13 (Caught in the Act)
短い平叙文を重ねて事実だけを伝える形は、言い訳を挟まずに打ち明けるときの基本の型と言えます。先ほどの Jackson did it. と Jackson didn’t drink the juice. を並べると、同じ人物を主語にした文が、肯定から否定へと入れ替わっているのが分かります。
まとめ|一語の曖昧さと本当のことを言う英語
turn this around と turn the whole rug around の取り違えからは、turn ~ around の比喩と文字どおりの二つの意味が見えてきます。Blot! Don’t rub, blot! や I’m only following your lead. も、慌てた場面で交わされた一言として印象に残ります。
ミッチェルとキャメロンの会話を観ながら、英語のやり取りを追ってみると新しい発見がありそうです。
この回の英語は、同じエピソードのほかのコラムやフレーズ記事からもたどれます。


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