海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン2第20話では、週末のキャンプを目前にしたマニーが体の不調を訴え、ジェイがその言葉の裏にある緊張を言い当てる場面があります。店ではからかい混じりに励ましていたジェイが、後の場面では行かない選択肢まで示したうえで、決めるのはマニーだと伝えます。
今回は、相手の不安に名前をつける言い方と、判断を任せて味方でいると伝える言い方を、場面の順に見ていきます。
「It’s butterflies.」で不調の正体を言い当てる
ジェイは週末の外出に必要な用品をそろえるため、マニーをスポーツ用品店に連れて行きます。店に着くと、マニーは体の具合を口にし始めます。
Manny: I just wish I felt better.
(体調さえ良ければいいんですけどね。)Manny: I think I’m coming down with flu-like symptoms.
(インフルエンザみたいな症状が出てきた気がします。)Jay: A couple of hours before your camping trip, huh?
(キャンプの2、3時間前にか、え?)Manny: I want to go.
(行きたいんですよ。)Modern Family Season2 Episode20 (Someone to Watch Over Lily)
I’m coming down with ~ は「〜にかかりかけている」という意味で、風邪などの引き始めを伝えるときの言い方です。ジェイの A couple of hours before your camping trip, huh? は、不調を否定せずに「キャンプの直前というタイミング」だけを指摘する返し方になっています。語尾の huh? が、言葉にしない疑いをにじませます。
一方でマニーは I want to go. とも言っています。不調の訴えと「行きたい」という言葉が並ぶことで、ジェイが不調の理由を別のところに探す流れにつながっていきます。
マニーは、自分が病気なら付き添いの大人にうつしてしまうと理由を並べます。それを聞いたジェイの返事が次のやり取りです。
Jay: It’s butterflies.
(そいつは緊張だ。)Manny: Where?
(どこに?)Jay: You’re just nervous because there’s gonna be a lot of physical activity which is not exactly your strong suit.
(体を動かすことが多いから緊張してるだけだ。そういうのは得意なほうじゃないからな。)Manny: It is a little daunting out there.
(外の世界はちょっと気後れしますね。)Jay: Listen, don’t use the word “daunting” in nature, okay?
(いいか、自然の中で「気後れする」なんて言葉は使うな。)Jay: You just need a little self-confidence.
(お前に要るのは、ちょっとした自信だけだ。)Modern Family Season2 Episode20 (Someone to Watch Over Lily)
butterflies は、have butterflies in one’s stomach(胃の中で蝶が舞っている)という言い回しから、本番前のそわそわした緊張を表します。ジェイは It’s で言い切り、マニーの不調を緊張の一語に置き換えています。マニーの Where? は、蝶を文字どおりの意味に取れば成り立つ返事で、慣用句と字義のずれが笑いになっている箇所です。
ジェイは続けて You’re just nervous because ~ と理由まで添えます。なお、ここで出てくる not exactly your strong suit は、同じ回のフレーズ記事で扱っている表現です。締めの You just need a little self-confidence. は、足りないものを一つに絞って示す励まし方と言えます。
行かない道を示してから「I’m behind you」と伝える
後の場面で、ジェイはマニーが旅行を避けようとしていることを問いただします。マニーはシャワーのことが気がかりだと打ち明け、ジェイはこう答えます。
Jay: First of all, you don’t have to go.
(まず、行かなくたっていい。)Jay: I’ll write you a note.
(俺が一筆書いてやる。)Jay: We’ll plan on doing something fun this weekend.
(今週末は何か楽しいことをする計画を立てよう。)Manny: Really?
(本当に?)Jay: You bet.
(もちろんだ。)Manny: And you’re not mad at me?
(それに、僕に怒ってないんですか?)Modern Family Season2 Episode20 (Someone to Watch Over Lily)
You don’t have to go. は「行かなくてもいい」と逃げ道を先に示す言い方で、店での場面とは向きが変わっています。
I’ll write you a note. の note は、ここでは参加しない理由を大人が書く短い書面のことと読み取れます。We’ll plan on doing something fun this weekend. と代わりの予定まで出しているので、行かないことを負けのように感じさせない組み立てです。You bet. は「もちろん」と短く請け合う返事です。マニーの And you’re not mad at me? に対し、ジェイは叱るのではなく、マニーの長所を並べ始めます。
Jay: You’re already about the bravest kid I know.
(お前はもう、俺が知ってる中でいちばん勇敢な子と言っていいくらいだ。)Manny: I am?
(僕が?)Jay: Come on.
(何言ってんだ。)Jay: You wear blazers to school.
(学校にブレザーを着ていくだろ。)Jay: You play the pan flute.
(パンフルートも吹く。)Modern Family Season2 Episode20 (Someone to Watch Over Lily)
the bravest kid I know は、最上級に I know を続けて「自分が知る中でいちばん」と伝える形です。マニーの I am? に返す Come on. は、ここでは「何を言っているんだ」と相手の驚きを打ち消す使い方です。そのうえですぐに具体例を挙げるので、ただのお世辞に聞こえにくくなっています。さらにジェイは、自分の子ども時代と比べてから話を締めくくります。
Jay: I couldn’t even talk to girls when I was your age.
(俺がお前の年の頃は、女の子と話すことすらできなかった。)Jay: Shower thing’s nothing compared to all that.
(シャワーのことなんて、それに比べりゃなんでもない。)Jay: But whatever you decide, I’m behind you.
(でも、お前がどう決めても、俺は味方だ。)Modern Family Season2 Episode20 (Someone to Watch Over Lily)
be behind someone は「〜の後ろについている」から「〜を支持する」という意味になります。前に whatever you decide を置くことで、結論を相手に任せたうえで支えると伝えられます。この後、マニーはキャメロンに、キャンプに行くつもりだと話しています。
- A: I’m not sure I can do this presentation.
(このプレゼン、できるか自信がないよ。) - B: You don’t have to decide now. But whatever you decide, I’m behind you.
(今決めなくていいよ。でも、どう決めても応援してるから。)
まとめ|不安に名前をつけ、判断を任せて支える
It’s butterflies. で不調の正体を言い当て、You don’t have to go. で逃げ道を示し、whatever you decide, I’m behind you で判断を任せる。ジェイの言葉の順番から、緊張している相手を追い詰めずに支える言い方が読み取れます。
次回も『モダンファミリー』の家族の会話から、英語表現を一緒に拾っていきましょう。
このエピソードのほかのコラムやフレーズ記事でも、同じ回の英語表現を場面ごとに扱っています。


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