長年支えてくれた人の引退を、気持ちよく送り出すときの英語|『モダンファミリー』S11E12で学ぶ英会話

『Modern Family』コラム: 長年支えてくれた人の引退を、気持ちよく送り出すときの英語|『モダンファミリー』S11E12で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

『モダンファミリー』シーズン11第12話では、ジェイを長く支えてきた助手マーガレットが、仕事に区切りをつけます。新しい助手を探しているアレックスのもとで働くことになったのが、そのきっかけです。

長年一緒に働いた人の引退は、日本語でも言葉選びに迷いやすい場面のひとつです。引き止める気持ち、辞めたかった本音、背中を押す一言を、3つの場面から順に英語で見ていきます。

目次

「put her out to pasture」に込められた遠慮

ジェイには40年来の助手がいますが、今は回せる仕事が足りていません。

Jay: I don’t have enough work for my assistant, Margaret.
(俺の助手のマーガレットに、回せる仕事が足りないんだ。)
Jay: Been with me 40 years.
(40年も俺についてきてくれた。)
Jay: I can’t just put her out to pasture like some worn-out plow horse.
(くたびれた農耕馬みたいに、ただ牧場に放り出すわけにはいかない。)
Modern Family Season11 Episode12 (Dead on a Rival)

put someone out to pasture は、働けなくなった馬を牧草地に放してのんびり過ごさせることから、「引退させる」「第一線から退かせる」という意味で使われる言い回しです。ただし「もう役に立たないから外す」という含みを持つことが多く、本人に向かって使うと失礼に響くことがあります。

ジェイはこの表現を I can’t just ~ と否定の形で使っています。just が入ることで、「ただ放り出すようなことはできない」と、扱い方そのものを拒む気持ちが強まります。like some worn-out plow horse と比べる対象まで添え、「そんなふうには扱えない」という遠慮をはっきり示しています。

Been with me 40 years. は She’s been with me for 40 years. の主語と動詞を省いた話し言葉です。be with someone は「〜のもとで働く」という意味でも使われ、勤続年数を伝えるときの自然な形と言えます。

このあと、ジェイは新しい助手を探すアレックスにマーガレットを推します。アレックスは「明日から始めてもらうことになる」と条件を出し、マーガレットはアレックスの助手として働くことになります。

「Am I fired?」から始まる本音

やがてアレックスは、マーガレットに辞めてもらうことを告げます。

Margaret: What’s going on here? Am I fired?
(どういうこと? 私、クビなの?)
Alex: I’m afraid so.
(残念だけど、そういうこと。)
Margaret: Oh, thank God! I’ve been wanting to retire for years now, but I could never let Jay down.
(ああ、よかった! もう何年も前から引退したかったのよ。でも、ジェイをがっかりさせるなんてできなくて。)
Modern Family Season11 Episode12 (Dead on a Rival)

I’m afraid so. は、相手の問いに「残念ながらそうです」と答える定番の形です。I’m afraid は「怖い」ではなく、言いにくいことを伝える前置きとして働いています。否定の答えなら I’m afraid not. となります。

マーガレットの反応は、解雇を告げられた人のものとは正反対です。I’ve been wanting to retire は現在完了進行形で、「ずっと引退したいと思い続けてきた」という長い期間の気持ちを表しています。for years now が加わることで、その思いが今も続いていることが伝わってきます。

let someone down は「〜の期待を裏切る」「〜をがっかりさせる」という句動詞です。マーガレットのこの一文は、辞めたい気持ちがありながら、ジェイを失望させたくなくて言い出せなかった、という事情をまとめて説明しています。

辞める側の本音を伝える場面では、I’ve been wanting to ~, but I couldn’t ~ の組み立てがそのまま使えます。長く迷っていたことと、踏み出せなかった理由を同時に言える形です。

「hang it up」と「It’s been a great run」で送り出す

ジェイは、マーガレット本人に気持ちを確かめます。

Jay: Is this true? Do you really want to hang it up?
(本当なのか? 本当にもう引退したいのか?)
Margaret: There are some things I wouldn’t mind trying.
(やってみたいことも、いくつかあるのよ。)
Jay: Well, then you should do it.
(なら、そうすればいい。)
Modern Family Season11 Episode12 (Dead on a Rival)

hang it up は「やめる」「引退する」を表すくだけた表現で、道具やユニフォームを壁に掛けて片づける様子から来たと言われ、スポーツ選手の引退にもよく登場します。retire が手続きとしての退職も含む中立的な語なのに対し、hang it up は長く続けてきたことに区切りをつけるという響きを持ちます。

マーガレットの I wouldn’t mind ~ing は「〜してもいいかな」と控えめに希望を示す形です。「ぜひやりたい」と言い切らずに希望を伝えられるため、相手に遠慮しながら本音を出すときに向いています。ジェイの Well, then you should do it. は、その控えめな希望をそのまま後押しする返事です。

別れのあいさつは、短い言葉で交わされます。

Margaret: I love you, Jay.
(大好きよ、ジェイ。)
Jay: I love you, too, Margaret.
(俺もだよ、マーガレット。)
Jay: It’s been a great run.
(いい時間だった。)
Modern Family Season11 Episode12 (Dead on a Rival)

run には「連続した期間」「ひと続きの活躍」という意味があり、It’s been a great run. は「長く続いたこの日々は最高だった」と振り返る一言です。仕事や番組、チームの活動が終わるときに使われ、長年の仕事仲間への感謝を一言で伝える締めくくりになっています。

まとめ|引き止める言葉と送り出す言葉

put someone out to pasture は引退させる側の言い回し、hang it up は自分から区切りをつける言い方、It’s been a great run. は長い日々を振り返る締めの一言です。let someone down なども押さえると、辞める側と送り出す側の気持ちを英語で伝えやすくなります。

ジェイとマーガレットの40年を思いながら別れの場面をたどると、短い台詞の重みが見えてきます。

同じ回のほかのコラムでは、家族の軽口の呼び方や、大きすぎる贈り物の断り方を扱っています。

このエピソードを見るには

(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)

※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次