海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン1第23話は、家族そろってのハワイ旅行が舞台です。ホテルで同じ部屋を使うことになったルークと、母クレアの継弟にあたるマニーのあいだで、大げさな不満とその落ちが何度も繰り返されます。
今回はこの場面から、不満を大げさに切り出してから軽い種明かしで締めるおどけた言い方と、その場の空気を代弁してから訴える言い方、材料を並べて開き直る言い方を見ていきます。
大げさな不満を切り出してから軽い落ちで締める言い方
ルークが同室のマニーへの不満をクレアにこぼします。
Luke: Manny is the worst roommate ever.
(マニーは最悪のルームメイトだよ。)Luke: Everything he finds, he folds.
(見つけたものを何でも畳むんだ。)Claire: Sweetie, it’s only for a few more days.
(ねえ、あと数日の我慢よ。)Luke: Last night we had a fire drill.
(昨日の夜、避難訓練があったんだよ。)Luke: Mm-hmm.
(うん。)Luke: Not the hotel.
(ホテル全体じゃなくてね。)Luke: Just us.
(僕たちの部屋だけ。)Modern Family Season1 Episode23 (Hawaii)
~ is the worst … ever. は、最上級を使って不満を大げさに切り出す言い方です。ルークはこの一言のあとに Everything he finds, he folds.(見つけたものを何でも畳む)という具体的な行動を挙げ、不満の根拠を示しています。
これに対してクレアが返す It’s only for a few more days. は、期間の短さを示すことで相手の大げさな不満を軽くいなす返し方です。深刻に取り合わず、あと少しの辛抱だと伝える定番の切り返しといえます。
続くルークの一言が面白いところです。Last night we had a fire drill.(昨日の夜、避難訓練があった)と言われると、ホテル全体の避難訓練を思い浮かべますが、Not the hotel. Just us.(ホテル全体じゃなくて、僕たちの部屋だけ)と続けることで、実は身内だけの小さな出来事だったと種明かしされます。大きな出来事だと思わせておいてから、実はごく身近な話だったと落とす組み立てです。
- A: We had a fire drill last night.
(昨日の夜、避難訓練があったんだ。) - B: The whole building?
(建物全体で?) - A: Not the building. Just my roommate practicing his speech.
(建物全体じゃなくて、ルームメイトがスピーチの練習をしてただけ。)
このように Not X. Just Y. の形を最後に添えると、聞き手に大きな出来事を想像させてから小さなオチへ着地させる会話の型として応用できます。ルークの不満そのものは大げさですが、種明かしの一言で笑いに変わる組み立てが、この場面のおどけた雰囲気を作っています。
その場の空気を代弁してから不満を言う言い方、材料を並べて開き直る言い方
夕食前、クレアが「みんなどこ?」と尋ねたところに、マニーが割って入り不満を切り出します。
Manny: Okay.
(よし。)Manny: Let me just say what everyone’s thinking.
(みんなが思っていることを、僕が代わりに言わせてもらうよ。)Manny: My jacket’s a mess.
(僕のジャケットがひどいことになってる。)Manny: It wouldn’t be, but someone used the iron to make grilled cheese.
(誰かがアイロンでグリルドチーズを作らなければ、こんなことにはならなかったのに。)Luke: I had bread, I had cheese and I had an iron.
(パンとチーズとアイロンがあったんだ。)Luke: What was I supposed to do?
(それでどうしろって言うんだよ。)Phil: Kids, kids.
(おいおい、二人とも。)Phil: We don’t care.
(もういいから。)Modern Family Season1 Episode23 (Hawaii)
Let me just say what everyone’s thinking. は、その場の全員の気持ちを自分が代弁すると前置きしてから不満を言い出す表現です。個人的な不満というより、みんなの総意であるかのように切り出せるため、話を切り出す口実として機能していると読み取れます。
これに対してルークが返す I had bread, I had cheese and I had an iron. What was I supposed to do? も見どころです。材料と道具が揃っていたことを淡々と並べたうえで、What was I supposed to do?(それでどうしろって言うんだ)と開き直る形です。理由を長々と説明するのではなく、条件を並べるだけで「他に選択肢がなかった」という言い分を伝えています。
- A: I had eggs, I had milk, and I had a whisk. What was I supposed to do?
(卵と牛乳と泡立て器があったんだ。それでどうしろって言うんだよ。) - B: Not make a mess in my kitchen, that’s what.
(私のキッチンを散らかさないこと、それが答えよ。)
I had X, I had Y and I had Z. What was I supposed to do? の形は、材料や条件を並べてから開き直る弁明の型として、日常のちょっとした言い訳にも使い回せます。この後をフィルが Kids, kids. We don’t care.(おいおい、二人とも。もういいから)と軽く収めているところも、二人の言い合いが深刻な喧嘩ではなく、いつもの掛け合いだと伝わってくる一場面です。
まとめ|大げさな不満とその落とし方から見える会話の型
~ is the worst … ever. の大げさな切り出しに Not X. Just Y. の種明かしを添えるオチの作り方、Let me just say what everyone’s thinking. で代弁してから不満を言う切り出し方、そして I had X, I had Y and I had Z. What was I supposed to do? の開き直り方。どれも身近な言い合いで応用の利く言い回しです。
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