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『モダンファミリー』シーズン1第23話は、家族そろってのハワイ旅行が舞台です。旅の終盤、フィルがクレアのために結婚式を用意する場面が描かれ、アメリカで見られるvow renewal(結婚の誓いを立て直す式)という文化の一端に触れられます。
今回はこの場面から、正式な結婚式を挙げなかった夫婦が旅先で誓いを立て直す式のあり方と、父親が花嫁をエスコートする慣習を、あわせて見ていきます。
正式な結婚式を挙げなかった夫婦が旅先で誓いを立て直す式
フィルが、サプライズで用意した式のことを明かします。
Phil: I figured out why we couldn’t have a honeymoon.
(どうして僕たちにハネムーンがなかったのか分かったんだ。)Phil: Because we never had a wedding.
(だって、結婚式を挙げてなかったからさ。)Claire: Oh, my God.
(うそでしょ。)Phil: I still can’t tell if you think this is lame or cool.
(これがダサいと思われてるのか、いいと思われてるのか、まだ分からないんだけど。)Claire: Honey, it’s incredibly cool.
(ハニー、最高にいいと思ってるわよ。)Jay: Looks like I finally get to walk you down the aisle.
(ようやくお前をヴァージンロードでエスコートできるみたいだな。)Claire: Daddy!
(パパ!)Modern Family Season1 Episode23 (Hawaii)
フィルは we never had a wedding(結婚式を挙げていなかった)という事情を踏まえ、式を用意したことを明かします。劇中では、この夫妻は正式な結婚式を経ていない設定として描かれており、その代わりに旅先で誓いを立て直す vow renewal という形が選ばれています。
地域や式場によって内容はさまざまで、必ずしもすべての夫婦が行うわけではありませんが、結婚式を挙げなかった夫婦や、記念日の節目に誓いを新たにしたい夫婦が、こうした式を開くことがあると言われています。フィルが I still can’t tell if you think this is lame or cool.(ダサいと思われてるのか、いいと思われてるのか分からない)と尋ねる様子からは、サプライズとして用意した式が相手にどう受け止められるか、当人も確信が持てていなかった心情がうかがえます。
続くジェイの Looks like I finally get to walk you down the aisle.(ようやくお前をヴァージンロードでエスコートできるみたいだ)という一言も見どころです。walk down the aisle は新郎新婦が祭壇までの通路を歩む場面を指す言い方です。
父親が娘の腕を取ってエスコートする慣習は、結婚式だけでなくvow renewalの場でも踏襲される様子がこの場面から読み取れます。ジェイにとっては、正式な結婚式では果たせなかった役割を、このvow renewalの場で果たせる機会になっているとも言えます。劇中では、ジェイがクレアの父親であることはこれまでの回で繰り返し描かれており、この場面のエスコートもその関係を踏まえた行動として描かれています。
進行役が定型の言葉で式を進め、夫婦の姓で紹介する型
ジェイの軽口にクレアが応じたところで、式が始まります。
Jay: Ow! You better walk me.
(痛っ! お前が俺を支えてくれよ。)Claire: Okay.
(分かったわ。)Claire: I’ll do that.
(そうする。)Minister: We’re here today to celebrate the renewing of the marriage vows of Phil and Claire.
(本日は、フィルとクレアの結婚の誓いを新たにする式を執り行うために集まりました。)Minister: On this day they’ve chosen to reaffirm their love for each other.
(お二人は本日、互いへの愛を改めて確かめ合うことを選ばれました。)Minister: You may kiss your bride.
(花嫁にキスをどうぞ。)Modern Family Season1 Episode23 (Hawaii)
進行役(Minister)は We’re here today to celebrate ~(本日は〜を執り行うために集まりました)という定型の言葉で式を始め、reaffirm their love for each other(互いへの愛を改めて確かめ合う)という言葉でvow renewalの趣旨を説明しています。結婚式の誓いの言葉と似た型が、誓いを立て直す式でも使われている場面です。
式の終わりには、進行役が続けて宣言します。
Minister: I present to you, still as husband and wife, Mr.
(ご紹介します。今もなお夫婦である、ミスター、)Minister: And Mrs.
(アンド・ミセス、)Minister: Dunphy.
(ダンフィーです。)Modern Family Season1 Episode23 (Hawaii)
I present to you, still as husband and wife, Mr. and Mrs. Dunphy. という締めの言葉は、新婚の紹介ではなく「今も夫婦である」ことを改めて示す言い回しになっています。結婚式の紹介の型を踏まえつつ、vow renewalならではの表現になっている点が印象的です。夫婦の姓で新たに紹介するという進行の型は、結婚式・vow renewalの双方に共通する定番の締め方として押さえておけます。
旅の初めでフィルは「この旅行をハネムーンにしよう」と持ちかけており、この式はその流れの締めくくりにもなっています。結婚式を経ずに夫婦になった二人が、旅先という非日常の場で改めて誓いの言葉を交わす流れは、劇中では、この回の旅の締めくくりとして描かれています。式の形式や言葉づかいには地域差や式場ごとの違いがあるとされ、進行役の職業(Minister)についても、本作では結婚式の司式者としての役割の範囲で描かれている点にとどめておきます。
まとめ|旅先で誓いを立て直す式に見えるアメリカの結婚文化
正式な結婚式を挙げなかった夫婦が旅先で誓いを立て直す vow renewal、父親が花嫁をエスコートする walk down the aisle の慣習、そして進行役が定型の言葉で式を進め夫婦の姓で紹介する型。地域や式場によって形はさまざまですが、この場面からはアメリカの結婚にまつわる文化の一端が見えてきます。
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