海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
「あの話、本当かな」と思ったとき、疑うだけで終わらず、実際に確かめに動く人がいます。
その動きを表す「do a little digging」を、『モダンファミリー』シーズン10第12話の前半、ジェイの先祖自慢に疑いを向けるマニーの一言から、一緒に見ていきましょう。
「do a little digging」の意味とニュアンス
do a little digging
意味:ちょっと掘り下げて調べる、少し探りを入れる
do a little diggingは、表に出ていない事実や情報を見つけるために、少し調べて掘り下げることを表す口語表現です。diggingは「掘ること」を表す名詞で、地面を掘る動作が、隠れた情報を探り出す調査の比喩になっています。
a littleは「少し」とやわらげる言い方で、控えめな調子を足します。a littleをsomeに替えたdo some diggingも、同じように使えます。調べる対象を示したいときは、do a little digging on 〜やdo a little digging into 〜のように、onやintoを足します。
調べる先は、噂や人の話の真偽、取引先の素性、過去の経緯のように、見かけだけでは分からない事柄です。さっと検索して終わりにするのではなく、一段下まで手を伸ばして、事実を確かめにいく感覚があります。
調べた結果を続けたいときは、andでつないで、found out(分かった)やuncovered(明らかにした)を置きます。調べたあとの発見まで一続きに言える点も、この形の使いやすさです。
diggingの部分は、digging aroundのように言い換えて、「あちこち探って回る」という動きを表すこともできます。
動詞はdoを使い、「調べる」という行為を一つのまとまりとして差し出す形です。「調べた」と過去にするときは、I did a little digging.のようにdoを過去形にします。
【ここがポイント!】
- 「do a little digging」の核は、隠れた事実を探り出すために、少し掘り下げて調べること
- a littleは控えめな添え物で、someにも替えられる
- 調べる対象はonやintoで足せる
『モダンファミリー』S10E12のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ジェイの家系の自慢話をめぐる場面です。ジェイは、エラスムスおじさんにまつわる大げさな話を披露し、ジョーが素朴な質問を挟みます。話が進んだところで、マニーがジェイの話に疑いを向けて、ある提案を口にします。
Jay: No disrespect, but I don’t think he was fit to shine Erasmus J. Pritchett’s boots, which, incidentally, were made by a 9-foot Texas diamondback he stomped to death while arm-wrestling Davy Crockett.
(悪気はないが、あいつはエラスムス・J・プリチェットのブーツを磨く資格もないと思うぞ。ちなみにそのブーツは、デイビー・クロケットと腕相撲をしてる最中に踏み殺した9フィート(約2.7メートル)のテキサスのダイヤガラガラヘビの皮で作ったんだ。)Joe: Did he kill all his clothes?
(その人、服ぜんぶ殺したの?)Jay: He sure did. Come upstairs. I’ll show you.
(そうとも。上に来いよ、見せてやる。)Manny: Jay does this all the time. He disrespects our heritage and inflates his own. I mean, I’m not buying this Uncle Erasmus guy at all. I say we do a little digging.
(ジェイはいつもこうなんだ。僕らの家系をけなして、自分の家系は盛る。正直、このエラスムスおじさんって人、全然信じられないよ。ちょっと掘り下げて調べてみようよ。)Modern Family Season10 Episode12 (Blasts from the Past)
シーン解説と心理考察
冒頭のNo disrespect, butは、「悪気はないが」と前置きしてから、本題を切り出す形です。ジェイはこの前置きのあとで、エラスムスのブーツの話に入ります。
ジェイの語りは、ブーツの材料の話から、どんどん大きくなっていきます。ヘビの皮で作ったブーツ、腕相撲と、並ぶのは目を引く話ばかりです。
ジョーの「服ぜんぶ殺したの?」は、ブーツがヘビの皮でできているという話を受けた、子どもらしい素直な質問です。ジェイは「そうとも」と答えて、上に来て見るよう誘います。自慢をさらに膨らませる流れです。
その流れを受けて、マニーが口を開きます。Jay does this all the timeは、「ジェイはいつもこうだ」という、前から感じていた不満の表れです。続くhe disrespects our heritage and inflates his ownで、不満の中身が言葉になります。僕らの家系はけなし、自分の家系は盛る、という二つの動詞の対比です。
I’m not buying this Uncle Erasmus guy at allのbuyは、話を「買う」、つまり信じるという意味で使われています。マニーはエラスムスの話を信じていません。そのうえで、I say we do a little diggingと続けます。I say we 〜は「〜しようよ」と持ちかける形で、疑いを口にするだけで終わらず、確かめる行動へ話を進めています。疑いを調べる動きに変える、その切り替えの場面で使われているのが、このフレーズです。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
地面にシャベルを入れて、少しずつ土をどけていく様子を想像してみましょう。最初は表面の土ですが、掘り進めるうちに、下に埋まっていたものが顔を出します。表からは見えない事実に手が届くまで、少し掘ってみる、というのがdo a little diggingの絵です。
マニーが言ったのも、ジェイの話の表面をなぞるのではなく、その下にある事実まで掘ってみよう、という提案でした。a littleは「少しだけ」という控えめな添え物で、掘る向きはあくまで下、つまり隠れた事実のほうです。
例文で覚える「do a little digging」
do a little diggingは、店の情報から取引先の素性まで、事実を確かめたい場面で使います。報告、仕事の前の確認、会話での返事と、使いどころの違う3つの例文を見ていきましょう。
I did a little digging and found out the store closes at six.
(ちょっと調べたら、その店は6時に閉まると分かった。)
調べた結果を報告する場面です。過去形のdidにして、調べた結果をandのあとに続けています。
Before we sign, let’s do a little digging on this company.
(契約する前に、この会社についてちょっと調べてみよう。)
取引先の素性を確かめるビジネスの場面です。onのあとに、調べる対象を置いています。
A: Do you think his story is true?
B: I’m not sure. Let me do a little digging.
(A:彼の話って本当だと思う?)
(B:分からない。ちょっと調べてみるよ。)
噂の真偽を確かめる会話です。Let me 〜で「私にやらせて」と、調べる役を引き受けています。
あわせて覚えたい関連表現
look into
(〜を調べる、調査する)
look intoは、中立的に「調べる」ことを表します。do a little diggingは、表に出ていない事実を探り出すという意味合いが加わります。
dig up
(〜を掘り出す、〜を探し当てる)
dig upは、見つけ出す対象(情報や過去の事実)を目的語にします。do a little diggingは、調べる行為そのものを表します。
get to the bottom of
(〜の真相を突き止める)
get to the bottom ofは、「真相にたどり着く」という結果に重点があります。do a little diggingは、「調べてみる」という過程に重点があります。
Note|「ちょっと」という控えめさと、掘り下げる深さの訳し分け
do a little diggingを「ちょっと調べる」と訳すと、訳文からはdiggingという動きの深さが抜け落ちます。
「ちょっと調べる」と聞くと、軽く検索する程度の作業を思い浮かべがちです。ところが、diggingは「掘る」ですから、表面よりも一段下にある情報へ手を伸ばす動きです。a littleは、その手間や量を控えめに言う添え物にすぎません。掘る向きが、隠れた事実へ向かっていることには変わりがなく、控えめな言い方にしているのは話し手の側です。そのため訳すときは、「ちょっと」を残しながら、「掘り下げて」「探りを入れて」のように、動きの向きもあわせて伝えると、原文の感じに近づきます。
訳し分けの目安は、場面の温度です。友人同士の気軽な会話なら「ちょっと調べるね」で十分ですが、相手の話の真偽を確かめる場面では、「少し掘り下げてみよう」のほうが、動きの向きまで伝わります。
マニーの発言は、まさにこの訳し分けが効く例です。「ちょっと調べてみようよ」と訳せば提案の軽さが出ますが、「ちょっと掘り下げて調べてみようよ」とすれば、ジェイの話の裏を確かめにいく気持ちまで届きます。控えめな言葉の下に、確かめにいく意志が隠れているのが、この一言です。
まとめ|疑いを、確かめる行動に変える
do a little diggingは、表に出ていない事実や情報を見つけるために、少し調べて掘り下げることを表す口語表現です。
調べる対象はonやintoで足せて、a littleをsomeに替えれば別の言い方にもなります。噂の真偽、取引先の素性、過去の経緯と、事実を確かめたい場面に幅広く使えます。
マニーは、ジェイの先祖自慢を信じられないと言うだけで終わらせず、「掘り下げて調べよう」と持ちかけました。信じるかどうかを決める前に、まず確かめてみようという一歩が、この一言に込められています。


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