「have no business doing something」の意味と使い方|『モダンファミリー』S05E14で学ぶ英会話

「have no business doing something」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

自分のプライベートな領域にまで踏み込まれて、「そこまで口を出される筋合いはない」と言い返したくなった経験はありませんか。

そんな場面にぴったりの「have no business doing something」を、『モダンファミリー』シーズン5第14話の前半、ジェイがフィルに携帯のメールの件を打ち明けるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「have no business doing something」の意味とニュアンス

have no business doing something
意味:〜する筋合いはない、〜する権利はない

have no business doing something は、相手がしていることは本来その人が関わるべきことではない、と強く咎める言い方です。ここでの business は、「仕事」や「商売」ではなく、「口を出したり手を出したりしてよい正当な立場」を指しています。have no を付けて「その立場を持っていない」と言うことで、「〜する筋合いはない」「〜する資格はない」という日本語につながります。

形は、have no business のあとに動名詞(doing)を置くのが基本です。You have no business reading my messages.(私のメッセージを読む筋合いはないでしょう)のように、「誰が」「何をする」筋合いがないのかを、主語と動名詞で言い表します。ドラマの中でフィルが使った got no business は、have got no business のくだけた形で、話し言葉で have got の have が省かれた形です。

この表現の特徴は、単に「してはいけない」と禁じるのではなく、「そもそもあなたにはそれをする立場がない」と、相手の立ち位置そのものを問題にするところにあります。そのため、言われた側にとっては、行為の是非だけでなく、自分の分をわきまえていないと言われたような響きが加わります。私物を見られた、勝手に決められた、余計な口出しをされた、といった場面で、強めに反発する言い方として使います。

【ここがポイント!】

  • 「have no business doing something」の核は、その行為をする正当な立場が相手にはない、という咎め方
  • 後ろには doing の形(動名詞)を置き、「誰が何をする筋合いがないのか」を言い表す
  • business を「仕事」と訳さず、「口を出してよい立場」と読むのが訳し分けのコツ

『モダンファミリー』S05E14のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ジェイが自分の携帯のメールが読まれたのではないかとフィルに話すと、フィルが「自分ならこう言う」と語り出す場面です。フィルの一言の中で、business という同じ語が二度出てくる点に注目です。

Jay: I think she snooped on my phone, read some of my e-mails.
(あいつ、俺の携帯を覗いて、メールを何通か読んだ気がするんだ。)

Phil: That’s not cool. E-mails are private.
(そりゃよくないな。メールはプライベートなものだ。)

Jay: They were from a friend I loaned money to.
(金を貸した友達からのメールだったんだ。)

Phil: 100% your prerogative.
(100パーセント、君の自由だ。)

Jay: A woman.
(女性なんだ。)

Phil: Oh, no. Well, I’ll tell you what I’d do. I’d tell my lady, “you got no business being in my business. Respect your man’s boundaries.
(おっと。じゃあ俺ならどうするか教えてやるよ。俺ならうちの奥さんにこう言う。「俺のことに首を突っ込む筋合いはないだろ。男の線引きを尊重してくれ」ってな。)

Modern Family Season5 Episode14 (iSpy)

シーン解説と心理考察

ジェイが口にしているのは、グロリアが自分の携帯を覗いてメールを読んだのではないか、という推測です。断定ではなく「〜な気がする」という言い方に、確信までは持てないまま気にしている様子がにじんでいます。

フィルはまず「メールはプライベートなものだ」と受け止め、ジェイの話に寄り添います。続くジェイの「金を貸した友達からのメールだった」という説明にも、フィルは「100パーセント君の自由だ」と返し、ジェイの立場を尊重する側に立っています。ここまでのフィルは、ジェイの話を否定せずに聞いている聞き役です。

流れが動くのは、ジェイが「女性なんだ」と付け加えるところです。フィルは「おっと」と反応したうえで、「じゃあ俺ならどうするか教えてやるよ」と切り出します。ここで大事なのは、フィルが語っているのが実際の出来事ではなく、「自分なら奥さんにこう言う」という仮定の話だということです。フィルは「俺のことに首を突っ込む筋合いはないだろ」と、自分がそう言い返す場面を思い描きながら、ジェイにお手本を示すような調子で助言しています。

フィルの言葉は、そのまま have no business doing something の使い方の見本にもなっています。「俺のことに首を突っ込む」という行為に対して、「そんな筋合いはない」と、相手の立場そのものに線を引く言い方です。続く「線引きを尊重してくれ」という一文は、その線引きの中身を言い添えたものです。助言の内容そのものより、フィルが「自分ならこう言う」と具体的な言葉まで示している点が、この場面の印象を決めています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

business を「用事」や「持ち場」と考えてみましょう。have no business doing something は、「その件に関わる用事を持っていない」と読めます。自分の持ち場ではない場所に人が入り込んでいる、というイメージです。

フィルの「俺のことに首を突っ込む筋合いはないだろ」という一言は、他人の持ち場に入り込んだ人へ、「ここはあなたの持ち場ではない」と伝える言い方でした。前半の business は「関わる筋合い」、後半の my business は「自分の私事」です。「私事に入り込む」と「筋合いがない」がひとつの文に組み合わさっていることを思い出すと、形が頭に残ります。

また、doing の形で終わることも覚えておくと便利です。「筋合いがない」のあとに、「何をする筋合いか」を動名詞で続けます。You have no business reading my messages. のように、人の行動を一言で咎める型として、まとめて覚えておきましょう。

例文で覚える「have no business doing something」

余計な口出しや踏み込みを咎める have no business doing something を、3つの例文で確認していきましょう。

You have no business reading my messages.
(私のメッセージを読む筋合いはないでしょう。)
私物を見られて抗議する場面です。reading のように、咎めたい行動を動名詞にして続けます。

He had no business making that promise for us.
(彼が私たちの代わりにあんな約束をする筋合いはなかった。)
勝手に決められた約束への不満を語る場面です。had と過去形にすると、すでに起きたことを振り返って咎める言い方になります。

A: Why did you open my mail?
B: I was just curious.
A: You had no business doing that.
(A:どうして私の郵便を開けたの?)
(B:ただ気になって。)
(A:そんなことをする筋合いはないでしょ。)
届いた郵便を開けられた場面の往復会話です。doing that のように、直前の話題を that で受けて短く言い切ることもできます。

あわせて覚えたい関連表現

none of your business
(あなたには関係ない)
have no business doing は「〜する筋合いがない」と相手の行為を咎める構文であるのに対し、none of your business は「あなたの知ったことではない」と、話題そのものを突き放す定型表現です。

mind your own business
(余計な口出しをしないで)
mind your own business は相手に口出しをやめるよう求める命令文であるのに対し、have no business doing は相手の行為に筋合いがないと述べる文です。

have no right to
(〜する権利はない)
have no right to do は権利の有無をそのまま述べる言い方であるのに対し、have no business doing は「立場をわきまえていない」という非難の響きが加わります。

Note|have no business のあとに続く形と、business の二つの意味

have no business は、あとに続く形を押さえると使いやすくなる表現です。ここでは、続く形の整理と、business という語の二つの意味を確認します。

まず続く形です。have no business のあとには、動名詞(doing)か名詞句を置きます。You have no business reading my messages. のように動名詞を置けば「何をする筋合いがないか」を述べる文になり、He has no business in this room. のように「in + 場所」を置けば「そこにいる筋合いがない」という文になります。「〜する筋合いはない」と言いたいときは、doing の形で覚えておくと使いやすくなります。

次に、business の二つの意味です。フィルの一言「you got no business being in my business」の中で、business は二度出てきます。前半の business は「関わる筋合い、正当な立場」を指し、後半の my business は「自分に関わる私事」を指しています。同じ語が、まったく違う意味で並んでいるわけです。日本語に直すと「俺のことに首を突っ込む筋合いはない」となり、後半の business は「こと」、前半の business は「筋合い」に分かれます。business をどちらも「仕事」と訳すと意味が通らなくなるため、前半は「筋合い」、後半は「こと」と訳し分ける必要があります。

ジェイの話に対するフィルの一言では、この二つの business が短い文に詰め込まれています。相手の立場を問題にする前半と、守りたい領域を示す後半が対になっていて、形のうえでも整った言い方になっています。

まとめ|「その立場はない」と線を引く言い方

have no business doing something は、相手がしていることに対して、そもそもそれをする立場がない、と線を引く表現です。business を「仕事」ではなく「口を出してよい正当な立場」と読み、あとに動名詞を続けて、「〜する筋合いはない」と言い切ります。

none of your business が話題そのものを突き放す言い方で、mind your own business が口出しをやめるよう求める命令文であるのに対し、have no business doing は行為に対する筋合いのなさを述べる文です。使い分けを意識すると、咎めたい気持ちの強さに合わせて言葉を選べます。

ジェイが携帯のメールの件を打ち明けたとき、フィルは聞き役から一転して「自分ならこう言う」と語り出し、have no business の一言を披露していました。ジェイの悩みに対して、フィルが自分ならこう言うという言葉を具体的に示していたやり取りでした。

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