「on the fence」の意味と使い方|『モダンファミリー』S06E04で学ぶ英会話

「on the fence」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

行くか行かないか、買うか買わないか、どちらにも決めきれないまま時間だけが過ぎていった経験はありませんか。

そんな状態にぴったりの「on the fence」を、『モダンファミリー』シーズン6第4話の後半、キャメロンとミッチェルの夫婦が、この言葉をめぐって少しずれた会話をする場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「on the fence」の意味とニュアンス

on the fence
意味:どちらとも決めかねている、態度を決めていない

be on the fenceは、二つの選択肢のどちらにも決めていない状態を表す表現です。fenceは「柵、フェンス」で、フェンスの上に座って、どちら側にも降りていない様子にたとえています。賛成と反対、行くと行かない、買うと買わないなど、結論がまだ出ていない状況で使います。

形は「be on the fence about + 事柄」が基本です。about以外にも、overやbetweenが続く形があります。I’m on the fence about buying a new phone.のように、迷っている内容を後ろに置くと、何について決めかねているのかがはっきり伝わります。主語を替えれば、He is on the fence.のように、他人の態度を述べる言い方にもなります。

この表現は、決めていない状態を中立に述べるのが特徴です。強く迷って苦しんでいるという響きよりも、まだ結論を出していないという事実を淡々と伝える言い方です。会話の中では、意見が分かれる話題に対して、自分の立場を保留するときに使えます。

【ここがポイント!】

  • 「on the fence」の核は、フェンスの上に座ってどちらにも降りていない、決めかねた状態
  • 「be on the fence about + 事柄」で、何について迷っているのかを続ける形
  • 決めていない状態を中立に述べる表現で、深刻な葛藤を表すとは限らないのがコツ

『モダンファミリー』S06E04のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

キャメロンが、勝ったことを伝えながら、ミッチェルに怒らないでほしいと頼む場面です。ミッチェルの返事にキャメロンが反応し、ミッチェルがもう一度言い直します。同じ言葉が二度出てくるので、返し方の違いに注目です。

Cameron: Mitchell, we won! And I looked back, and you weren’t there! Please don’t be mad at me.
(ミッチェル、勝ったのよ! それで振り返ったら、あなたがいなくて! お願いだから怒らないで。)

Mitchell: I’m on the fence.
(僕はフェンスの上にいるんだ。)

Cameron: I don’t blame you. I feel stupid for making you think this was all your fault.
(あなたのことは責めないわ。全部あなたのせいだって思わせてしまって、私ったらばかみたい。)

Mitchell: No! I’m on the fence. Look to your right.
(違う! 僕はフェンスの上にいるんだよ。右を見て。)

Modern Family Season6 Episode4 (Marco Polo)

シーン解説と心理考察

キャメロンは、勝ったことを伝えたあとで、「振り返ったら、あなたがいなくて」と話し、「お願いだから怒らないで」と続けます。勝利の報告と謝罪の気持ちが同じ一言に入っているため、相手の反応を気にしている様子がにじみます。

これに対してミッチェルは、「僕はフェンスの上にいるんだ」とだけ答えます。英語では、言葉どおりの居場所の説明にも、決めかねているという意味にも聞こえる一言です。キャメロンの返事は「あなたのことは責めないわ。全部あなたのせいだって思わせてしまって、私ったらばかみたい」です。この返し方からは、ミッチェルの言葉を、怒りや迷いを表す比喩として受け取っているように見えます。

すると、ミッチェルは「違う!」とすぐに否定し、もう一度「僕はフェンスの上にいるんだよ」と言い直し、「右を見て」と付け加えます。「右を見て」という指示は、相手に自分のいる場所を示す言い方です。比喩ではなく、言葉のとおりの位置を伝える使い方として、on the fenceが響いています。

この場面では、on the fenceに「どちらとも決めかねている」という比喩の意味があることが、会話のずれを生んでいます。キャメロンが比喩として受け止めたように見える言葉を、ミッチェルは言葉のままの意味で言っていて、二人の理解がすれ違います。言い直しの「違う!」が、そのずれを修正する合図になっています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

フェンスの上に腰かけて、左右のどちら側にも降りずにいる姿を思い浮かべてみましょう。左の庭にも右の庭にも足がついていないので、どちらとも決めていない状態になります。座っているあいだは、どちら側の意見にも属していません。

ミッチェルの場合は、その姿が言葉どおりの意味と重なっています。決めかねているという比喩と、フェンスの上にいるという位置が、同じ一言に入っているのが、この場面の面白さです。

覚えるときは、「フェンス=境界」「その上=どちらの側でもない」という二つを合わせて、頭の中に絵を描いてみてください。I’m on the fence about ~.の形で、迷っていることを一つ挙げて口に出しておくと、使う場面も思い浮かびやすくなります。

例文で覚える「on the fence」

決めていない状態を伝えるon the fenceを、3つの例文で確認していきましょう。

I’m on the fence about buying a new phone.
(新しいスマホを買うかどうか、まだ決めかねているんだ。)
買い物で迷っている場面です。aboutの後ろに迷っている内容を置く基本の形です。

A: Are you coming to the party?
B: I’m on the fence. It depends on work.
(A:パーティーには来る?)
(B:迷ってるんだ。仕事次第かな。)
参加を迷っている会話です。決めていない理由を後ろに添えると、保留の事情まで伝わります。

Many voters were on the fence until the last week.
(多くの有権者が最後の1週間まで態度を決めていなかった。)
世論について話す場面です。主語が複数でも、be動詞を合わせれば同じ形で使えます。

あわせて覚えたい関連表現

sit on the fence
(どちらにもつかない、態度を保留する)
be on the fenceは、決めていない状態を中立に表します。sit on the fenceは、決断を避けているという印象を含みやすい表現です。

be undecided
(決めていない)
be undecidedは比喩を使わない直接的な言い方です。be on the fenceは、同じ状態をフェンスにたとえて表します。

be torn between A and B
(AとBの間で迷っている)
be torn betweenは、二つの選択肢の間で気持ちが引き裂かれるような強い迷いを表します。be on the fenceは、決めていない状態そのものに重点があります。

Note|「フェンスの上」と「決めかねている」、二つの意味が重なる仕組み

on the fenceには、言葉どおりの意味と比喩の意味があります。ここでは、fenceの文字どおりの意味と比喩の関係を整理して、この場面のやり取りがなぜ成り立つのかを確認します。

まず、文字どおりの意味です。on the fenceは、前置詞のonが「〜の上に」、fenceが「柵」を表すので、「柵の上に」となります。柵の上に人がいる、という位置の描写として、そのまま使える言い方です。

比喩の意味は、この位置から生まれています。柵は二つの領域を分ける境界で、その上にいる人は、どちらの側にも属していません。この様子から、「どちらとも決めていない、態度を保留している」という意味が出てきます。位置の描写と比喩は、同じ形のまま両方の意味を持てます。

ミッチェルとキャメロンのやり取りでは、この二つの意味の重なりが、会話のずれを作っています。ミッチェルの「I’m on the fence.」が、言葉のままの位置の報告なのか、決めかねているという比喩なのかで、受け止め方が変わります。キャメロンは比喩のほうで受け取ったように見え、ミッチェルは「右を見て」と言い直して、位置のほうを示しました。

一つの表現が二つの意味を持つとき、どちらの意味で話しているかは、前後の文脈や、次に続く言葉で決まります。「右を見て」のような具体的な指示があれば、位置の意味だとわかります。

まとめ|同じ一言が、二つの意味に聞こえた場面

on the fenceは、フェンスの上に座ってどちらにも降りていない様子から、どちらとも決めかねている状態を表す表現です。「be on the fence about + 事柄」の形で、迷っている内容を続けられます。

買い物や誘いへの返事、意見が分かれる話題など、まだ結論を出していないことを伝えたい場面で使えます。sit on the fenceやbe tornとの違いを押さえておくと、中立に述べるのか、決断を避けているのか、強く迷っているのかを言い分けられます。

同じ一言が比喩にも位置の報告にも聞こえて、夫婦の会話がずれていく様子は、言葉の二重の意味を体感できる場面でした。表現の引き出しに加えてみてください。

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