「the train’s left the station」の意味と使い方|『モダンファミリー』S10E11で学ぶ英会話

「the train's left the station」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

「もう決まったことだから、前を向いて受け入れよう」と、不安を抱える相手に声をかけたくなる場面があります。

そんなときに添える「the train’s left the station」を、『モダンファミリー』シーズン10第11話の前半、気持ちの揺れを口にしたクレアにフィルが語りかけるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「the train’s left the station」の意味とニュアンス

the train’s left the station
意味:もう手遅れだ、事態は動き出していて後戻りはできない

the train’s left the stationは、すでに動き出した事態はもう止められない、というときに使う比喩表現です。出発してしまった列車は引き返せないので、「決まったことだから受け入れるしかない」という含みが出ます。

形としては、’sはisではなくhasの短縮で、the train has left the stationが元の形です。leftはleaveの過去分詞で、「出てしまって、いまは駅にない」という完了の意味を表します。the trainの部分には、止められない事態や計画が入ると考えると、比喩の仕組みがつかめます。

続けて言うGet on boardは、on boardの形で「乗り込んで」、つまり「賛同して加わって」を表します。動き出した列車を前に「乗ろう」と呼びかけるこの組み合わせは、事態を受け入れて一緒に進もう、という前向きな誘いになります。止める側ではなく乗る側に回ろう、という呼びかけです。

使う場面は、契約や発表が済んで変更がきかないとき、計画がすでに進行していて今さら止められないとき、反対していた人に受け入れを促すときです。相手を説得する場面でも、状況を説明して変更を断る場面でも使えます。

【ここがポイント!】

  • 「the train’s left the station」の核は、動き出した事態はもう止められないという比喩
  • ‘s はhasの短縮で、leftは過去分詞の完了形
  • Get on boardと続けると、受け入れて一緒に進もうという誘いに変わる

『モダンファミリー』S10E11のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

フィルとクレアが二人で話す場面です。クレアが不安を口にしたあと、フィルがこの比喩で後戻りのきかない状況を伝え、続くやりとりの中でクレアの気持ちが少しずつ切り替わっていきます。

Phil: The train’s left the station. Get on board.
(列車はもう駅を出たんだ。ほら、乗ろうじゃないか。)

Claire: Fine. You’re right. You’re right. I’ll I’ll try to be positive.
(わかったわよ。あなたの言うとおりね。そのとおりだわ。前向きに、前向きになるよう努力してみる。)

Phil: Good. I was gonna go pick up a house-warming gift for them. Why don’t you come with me?
(よし。あの子たちに引っ越し祝いを買いに行こうと思ってたんだ。君も一緒に来ないかい?)

Claire: Oh, okay, let’s do that.
(ああ、そうね、そうしましょう。)

Modern Family Season10 Episode11 (A Moving Day)

シーン解説と心理考察

フィルは「列車はもう駅を出たんだ。ほら、乗ろうじゃないか」と、動かせない事実を前に、前向きな受け止め方をクレアに促します。止める話ではなく乗る話へ切り替えるところに、フィルの陽気な性格がにじみます。

クレアは「わかったわよ」と受け、「そのとおりね」と、You’re rightを二度重ねます。そのあとに「前向きになるよう努力してみる」と続けていて、すっかり割り切ったというより、気持ちを切り替えようとする努力が表れています。tryという語が、まだ完全には割り切れていない気配を残しています。

フィルは「よし」と受けて、ヘイリーとディランへの引っ越し祝いを買いに行こうと思っていた、と話します。そして一緒に来ないかと誘います。比喩で気持ちを前向きにしたあと、すぐ具体的な行動へ話を移す流れで、クレアも「そうしましょう」と応じます。

フィルの比喩は、クレアの不安を打ち消すのではなく、「もう動いている」という前提を共有する形になっています。その前提があるからこそ、次の一歩として引っ越し祝いを買いに行こうという提案が自然に出てきます。

もう変えられないことは受け入れて、いまできることに目を向けるという切り替えが、二人の短いやりとりの中に収まっています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

ホームから遠ざかっていく列車を、ホームの上から見送る姿を思い浮かべてみましょう。走って追いかけても追いつけない様子が、「もう手遅れで後戻りできない」という意味につながります。

フィルの発言では、その列車に「乗る」側へ回ろうと呼びかけています。出てしまった事実は動かせないので、どちら側に立つかだけが残る、という絵です。ホームに残された側から見ると、列車の行き先を決めることはもうできません。決められるのは、乗るかどうかだけです。見送るか乗るかという二択の絵で覚えておくと、Get on boardが続く理由も、あわせて思い出しやすくなります。

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例文で覚える「the train’s left the station」

the train has left the stationは、変更がきかない決定や、すでに進んでいる計画について話すときに使います。契約、会場の変更、プロジェクトへの参加という3つの場面で、見ていきましょう。

We already signed the contract. The train has left the station.
(もう契約書にサインしたんだ。後戻りはできないよ。)
サインが済んだ契約について、変更の余地がないことを伝える、ビジネスの場面です。hasを省かずに言う形でも、’sの形でも同じ意味になります。

A: Can we still change the venue?
B: Sorry, the train’s left the station.
(A:今からでも会場を変えられる?)
(B:ごめん、もう手遅れだよ。)
準備が進んだあとの変更依頼を断る、友人や同僚同士の会話です。Sorryを前に置くと、断る口調が和らぎ、相手の依頼を受け止めたうえで答える形になります。

The project is moving ahead. If you want to be part of it, get on board now.
(プロジェクトは前に進んでる。参加したいなら、今のうちに乗ってきてね。)
賛同者を募る場面です。get on boardだけでも「加わる」という意味で使えます。

あわせて覚えたい関連表現

the point of no return
(もう引き返せない地点)
the point of no returnは、引き返せなくなった時点を指す名詞表現です。the train has left the stationは、すでに事態が動き出して止められないことを、動作として描く言い方です。

miss the boat
((好機を)逃す)
miss the boatは、自分が乗り遅れて機会を逃したことに重点があります。the train has left the stationは事態そのものが動き出したことを言い、乗る・乗らないは相手の選択として残ります。

water under the bridge
(済んだこと、過ぎたこと)
water under the bridgeは、終わって気にしなくてよい過去を指します。the train has left the stationは、これから先も変えられない進行中の事態を指します。

Note|’s は is か has か、the train’s left を読み分ける

the train’s leftのように、’sは短縮の形なので、isなのかhasなのかを文の形から読み分ける必要があります。

見分け方の目安は、’sの直後に来る語の形です。直後が過去分詞なら、’sはhasの短縮です。the train’s leftは、leftがleaveの過去分詞なので、has leftと読めます。直後が-ingの形や形容詞なら、’sはisの短縮です。The train’s leaving.は「列車は出ていくところだ」、The train’s late.は「列車は遅れている」になります。同じ’sでも、She’s finished the report.はhas finishedで「報告書を仕上げた」、She’s tired.はis tiredで「疲れている」と読み分けられます。

the train’s left the stationの’sがhasだと分かると、「出発してしまって、いまは駅にない」という完了形の意味が見えてきます。完了形は過去の出来事が、いまの状態に結びついていることを表すので、「もう出ていて止められない」という現在の状況を言う形に収まります。

‘sには所有を表す形もあり、Phil’s houseのように直後が名詞ならそちらになります。直後が名詞なら所有、過去分詞ならhas、-ingや形容詞ならisと、’sの直後の語を見れば区別できます。

まとめ|変えられないことを前にした、フィルとクレアのやりとり

the train’s left the stationは、すでに動き出した事態はもう止められない、という比喩表現です。’sはhasの短縮で、leftが過去分詞の完了形になっています。

契約が済んだとき、計画がすでに進んでいるとき、反対していた人に受け入れを促すときに、そのまま英文へ組み込めます。Get on boardを続けると、受け入れるだけでなく、一緒に進もうという誘いまで伝えられます。

不安を口にしたクレアに、フィルが比喩ひとつで前を向く道を示し、二人が引っ越し祝いを買いに出る流れへ移っていきます。決まったことを受け入れて前へ進みたい場面で、そのまま使えるひと言です。

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