海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
相手の言い分があまりにも都合よく聞こえて、思わず「いい加減にしてよ」と言いたくなる瞬間が、ドラマには時々あります。
そんな気持ちを込めた「give me a break」を、『モダンファミリー』シーズン10第11話の後半、ミッチェルの弁明に対するキャメロンのひと言から、一緒に見ていきましょう。
「give me a break」の意味とニュアンス
give me a break
意味:いい加減にしてよ、勘弁してくれ(信じられない・うんざりだという気持ち)
give me a breakは、相手の言い分や言動に呆れて、「いい加減にしてよ」「冗談でしょう」と退ける表現です。直訳は「私に休憩をください」で、breakは「休み・中断」を表します。続いている話や状況にひと区切りをつけてほしい、という気持ちが、「もう勘弁してほしい」という意味につながります。
もう1つの使い方は、厳しい扱いを受けたときの「大目に見てよ」「少し勘弁して」という頼み込みです。どちらの意味なのかは、声の調子と前後の文脈で見分けます。相手の話を切り捨てる調子なら前者、情けを求める調子なら後者です。
文頭にOh,を添えると、呆れた気持ちが先に出ます。使う場面は、言い訳や自慢話にうんざりしたとき、信じがたい主張に反論するとき、無理な要求に大目に見てと頼むときです。
【ここがポイント!】
- 「give me a break」の核は、相手の言い分に呆れて退ける気持ち
- 「休憩をください」ではなく、「勘弁して」と訳すとしっくりくる
- 「大目に見て」と頼む使い方もあり、声の調子と文脈で見分けたい
『モダンファミリー』S10E11のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ミッチェルとキャメロンが言葉を交わす場面です。写真を話題にしたやりとりの中で、ミッチェルがパムの早期出所に関わる手紙のことを弁明し、それを聞いたキャメロンが反応します。
Mitchell: You’re not in that picture.
(その写真には君が写ってないじゃないか。)Cameron: That’s how good I am at helping out. Now let’s take a look at some pictures of you helping out my family. Oh!
(それくらい僕は手伝い上手ってことさ。じゃあ今度は、君が僕の家族を手伝っている写真を見てみようか。おっと!)Mitchell: Cam, I tried to write the letter. I I really did, but she broke the law, and she got a fair sentence. She did not deserve to get out early. I-I couldn’t bring myself to lie about it.
(キャム、手紙を書こうとはしたんだ。本当に書こうとしたよ。でも彼女は法を犯して、妥当な刑を受けたんだ。早く出所するべきじゃなかった。それについて嘘をつく気にはなれなかったんだよ。)Cameron: Oh, give me a break.
(勘弁してくれよ。)Modern Family Season10 Episode11 (A Moving Day)
シーン解説と心理考察
ミッチェルの「その写真には君が写ってないじゃないか」に、キャメロンは「それくらい僕は手伝い上手ってことさ」と返します。指摘された点をそのまま自慢の根拠に変える返し方です。そこから「今度は君が僕の家族を手伝っている写真を見てみようか」と切り返し、「おっと!」で話の矛先をミッチェルへ向けます。
その流れを受けて、ミッチェルは「手紙を書こうとはした」と切り出します。彼女は法を犯して妥当な刑を受けた、早く出所するべきではなかった、嘘をつく気にはなれなかったと、理由を重ねていきます。ここで述べられているのは、本心からの説明で、皮肉ではありません。手紙を書けなかった事情を、相手に向けて順を追って述べる形で、話し方も丁寧に積み上げられています。
その弁明を受けたのが「勘弁してくれよ」です。キャメロンは、ミッチェルの「嘘をつく気にはなれなかった」という言い分を、信じられないと退けています。ミッチェルの理屈にまともに取り合わないという反応が、この一言に重なっています。
自分の手伝い自慢のあとに、ミッチェルの言い分を一言で退けています。話の運びの中で、give me a breakが相手の理屈を受け取らない合図として置かれています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
言い訳が次々と飛んでくる中で、手のひらを前に出して「ちょっと待って」と止める姿を思い浮かべてみましょう。ひと息つく間(break)がほしい、という気持ちが、「もう勘弁してほしい」「いい加減にして」という意味につながります。
キャメロンの一言も、ミッチェルの弁明を手のひらで止めるように響きます。止められた言い分は、受け取られないまま、その場に置かれることになります。giveは「与える」で、相手にひと息つく間を求める動きなので、「私にくれ」という向きも一緒に思い出せます。
例文で覚える「give me a break」
give me a breakは、呆れて退ける意味でも、大目に見てと頼む意味でも使えます。繰り返される言い訳、家事の分担、慣れない仕事という3つの場面で、見ていきましょう。
Oh, give me a break. You said the same thing last week.
(いい加減にしてよ。先週も同じことを言ってたじゃない。)
繰り返される言い訳にうんざりする場面です。後ろに理由を足すと、呆れる根拠も示せます。last weekのような時を示す語が、言い訳の繰り返しを具体的に見せています。
A: I’m too busy to help.
B: Give me a break. You’re sitting on the sofa.
(A:忙しくて手伝えないんだ。)
(B:勘弁してよ。ソファに座ってるだけじゃない。)
家事を手伝わない相手に反論する、日常の会話です。相手の言い分と目の前の事実のずれを、短い一言で突いています。
Give me a break! I only started this job yesterday.
(大目に見てよ!この仕事は昨日始めたばかりなんだ。)
慣れていないことを責められた、ビジネスの場面です。こちらは呆れて退ける使い方ではなく、「大目に見て」と頼み込む使い方になります。
あわせて覚えたい関連表現
come on
(ちょっと、いい加減にしてよ)
come onは、「やめてよ」「まさか」と軽く退ける言い方です。give me a breakは、呆れや信じがたい気持ちがより強く出ます。
cut me some slack
(大目に見てよ)
cut me some slackは、「厳しくしないで」と頼む言い方です。give me a breakにも「大目に見て」の意味がありますが、呆れて退ける意味はcut me some slackにはありません。
you’ve got to be kidding (me)
(冗談でしょう、まさか)
you’ve got to be kiddingは、「本気で言っているの?」と驚く言い方です。give me a breakは、相手の言い分を信じられずに退ける気持ちが強くなります。
Note|「休憩をください」ではない give me a break、2つの使い方の見分け方
give me a breakを「休憩をください」と訳すと、場面に合わない日本語になります。breakの意味と、2つの使い方の関係を整理します。
breakは、名詞で「休み・中断」を表します。続いていることにひと区切りをつけてほしいという気持ちが、「もう勘弁して」につながる、というのが文字どおりの意味と比喩の関係です。使い方は2つあり、呆れて退ける使い方では、相手の言い分を切り捨てる調子で言います。大目に見てと頼む使い方では、情けを求める調子で言います。たとえば、Oh, give me a break. You said the same thing last week.は前者で、Give me a break! I only started this job yesterday.は後者です。見分ける手がかりは、前後の文が相手の言い分への反論なのか、自分の事情の説明なのかという点にあります。meの部分にhimなどを入れて、Give him a break.とすると、「彼を大目に見てやって」という、第三者のための頼み方になります。
キャメロンのOh, give me a breakは、直前にミッチェルの言い分があり、それを退ける向きで使われています。呆れて退ける使い方で、頼み込む調子ではありません。
まとめ|ミッチェルの弁明を、キャメロンはひと言で退けた
give me a breakは、相手の言い分に呆れて、「いい加減にしてよ」と退ける表現です。直訳は「休憩をください」ですが、「勘弁して」と訳すとしっくりきます。
繰り返される言い訳にうんざりしたとき、信じがたい主張に反論するときに使えます。同じ形で「大目に見てよ」という頼み込みにもなるので、声の調子と前後の文脈で、どちらの意味なのかを見分けます。直前に相手の言い分があるかどうかを確かめると、聞き取りの場面でも意味を取り違えにくくなります。
自分の手伝い自慢のあとにミッチェルの弁明を聞き、取り合わずに退けるのがキャメロンです。「勘弁してくれよ」の一言の中に、相手の理屈を受け取らないという意思が収まっています。


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