海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
自分が疲れたり、お腹がすいたりしたときにどうなってしまうかは、家族や親しい友人なら、たいてい知っています。いちいち説明しなくても分かってほしいという気持ちを、英語で短く伝える言い方があります。
そんなときに使える「you know how I get」を、『モダンファミリー』シーズン8第12話で、ジェイとジョーが話す場面から、一緒に見ていきましょう。
「you know how I get」の意味とニュアンス
you know how I get
意味:(そういう状況だと)私がどうなるか、知っているでしょう
you know how I get は、ある状況になると自分がいつもと違う状態になることを、相手がすでに知っている前提で、中身を言わずにほのめかす口語表現です。「察してほしい」という気持ちを、短い一文に込めて伝えます。
形を分けると、you know が「知っている」、how I get が「私がどうなるか」です。get は、ここでは「手に入れる」ではなく、「(ある状態に)なる」の意味で使われています。how I get は、「私がなってしまう様子」を表す名詞のかたまりで、you know の目的語になっています。
使い方は、断る、頼む、言い訳をするといった場面で、理由や条件を述べたあとに添えるのが基本です。「疲れているとき」「緊張したとき」のような条件は、how I get のあとに when I’m tired のように続けることもできます。反対に、条件を前の文に任せて、you know how I get だけで終えることもできます。どちらの形でも、相手に「それは言わなくても分かるでしょう」と預ける働きは同じです。
主語を替えれば、第三者の様子にも使えます。You know how she gets. なら、「彼女がどうなるか知っているでしょう」となります。自分のことを言うときは自己申告になり、相手のことを言うときは、周りへの注意になります。
【ここがポイント!】
- 「you know how I get」の核は、自分がどうなるかを相手が知っている前提で、中身をほのめかすこと
- get は「手に入れる」ではなく「なる」の意味で、how I get が「私がなる様子」を表す
- 条件は when で続けても、前の文に任せて省いてもよい
『モダンファミリー』S08E12のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
先生への贈り物が場にふさわしくなかったことを、ジェイがジョーに言い聞かせています。「you know how I get」が出てくるのは、ジョーが話を切り上げるときの、締めの一言です。
Jay: True.
(まあな。)Joe: You do it every year.
(まいとし、やってるじゃん。)Jay: Look, you can give that kind of thing to your wife or your girlfriend. But it’s a little bit different when it’s your teacher, okay?
(いいか、ああいうものは奥さんや恋人になら贈ってもいい。でも先生に贈るとなると、ちょっと話が違うんだ。わかるな?)Joe: Fine. Can I go back to the quiet room now? I already missed half of my nap. You know how I get.
(わかった。しずかなへやにもどっていい? もうお昼寝の半分、のがしちゃったんだ。ぼくがどうなるか、知ってるでしょ。)Modern Family Season8 Episode12 (Do You Believe in Magic)
シーン解説と心理考察
ここで話題になっているのは、ジョーが先生に贈った品が不適切だった、という点です。ジェイは True. と相手の指摘を認めたうえで、Look と言い直して本題に入ります。Look は、「いいか、聞け」と相手の注意を引く前置きです。
ジェイの説明は、贈る相手によって話が変わる、というものです。you can give that kind of thing to your wife or your girlfriend は、ああいうものを贈ってよい相手を挙げています。but のあとの it’s a little bit different when it’s your teacher は、相手が先生となると事情が違う、と線を引く言い方です。文末の okay? は、言い分を受け止めたかどうかを確かめる念押しです。
これを受けたジョーは、Fine. と受け入れる返事をします。続けて、しずかなへやへ戻っていいかとたずね、お昼寝の半分をのがしたことを理由に挙げます。Can I go back …? は、許可を求める形です。そのあとの I already missed half of my nap. が、戻りたい理由にあたります。already は、「もう半分を過ぎてしまった」という残念さを足しています。
最後の You know how I get. には、具体的な中身がありません。お昼寝をのがすと自分がどうなるかは、相手がよく知っているはずだ、という前提だけで、話を切り上げています。説明を省いて短く言い切る点に、この表現の使いどころが表れています。直前に理由の I already missed half of my nap. があるため、聞き手は条件を自分で補うことができます。
また、ジェイのまとまった説明に対して、ジョーが短い言葉で自分の用件へ話を移す流れも、場面の見どころです。長い話のあとに、子どもらしい自分の事情をまっすぐ持ち出す落差が、台詞の面白さになっています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
how I get を、「私がなってしまう様子」というひとかたまりで覚えます。get は「なる」ですから、how I get は日本語の「私がどうなるか」にそのまま対応します。you know で包んで「どうなるか知ってるでしょ」と言えば、察してほしい気持ちを渡す一文になります。
迷ったときは、中身を言わなくても伝わる関係かどうかを確かめます。長く一緒にいる家族や友人にはそのまま通じますが、初対面の相手には、when I’m tired のような条件まで言葉にしたほうが親切です。
ジョーの台詞では、理由の I already missed half of my nap. のあとに you know how I get が置かれています。理由を言って、そのあとに察してもらう。ジョーの台詞は、その順番がそのまま一続きの形になっています。
例文で覚える「you know how I get」
空腹、夜更かし、緊張の場面を例に、you know how I get の形を見ていきます。
I can’t skip lunch. You know how I get.
(お昼は抜けないよ。私がどうなるか、知ってるでしょ。)
空腹に弱いことを友人に伝える例です。理由を述べたあとに添える、基本の形です。
A: Do you want to stay up and watch another episode?
B: No way. You know how I get without sleep.
(A:もう1話見て夜更かししない?)
(B:絶対いや。寝不足の私がどうなるか、知ってるでしょ。)
夜更かしを断る会話です。how I get のあとに without sleep を続けて、条件を言葉にしています。
I’ll apologize in advance for tonight. You know how I get when I’m nervous.
(今夜のことは先に謝っておくね。緊張すると私がどうなるか、知ってるでしょ。)
緊張する場に向かう前の例です。when 節で条件を足すと、どんな場面を指すのかがはっきりします。
あわせて覚えたい関連表現
You know how he is.
(彼がどういう人か知ってるでしょ)
You know how he is. は、その人の普段の様子を前提にする言い方です。you know how I get が特定の状況での変化をほのめかすのに対し、こちらは人となりを共有するときに使います。
You know what I’m like.
(私がどんな人間か知ってるでしょ)
what I’m like は、性格や人柄の全体を指します。how I get が条件つきの状態を指すのと比べると、守備範囲が広い言い方です。
I get cranky when I’m tired.
(疲れると不機嫌になる)
I get cranky when I’m tired. は、どうなるかを言葉にして伝える言い方です。you know how I get は、同じ内容を言わずに相手へ預ける言い方になります。
Note|get を「手に入れる」と訳さない。how I get の「なる」と、言われない条件の補い方
you know how I get の訳でつまずきやすいのは、get の意味と、言われていない条件の扱いです。2つに分けて整理します。
1つ目は、get の訳です。get には「手に入れる」の意味もあるため、how I get を「私がどう手に入れるか」と読んでしまうことがあります。ここでは、get のあとに目的語が続かず、how I get で文が閉じています。この形の get は「(ある状態に)なる」で、how I get は「私がどうなるか」と読みます。後ろに cranky や nervous のような形容詞が付く get も、同じ「なる」の仲間です。
2つ目は、条件の補い方です。ジョーの台詞では、条件が直前の I already missed half of my nap. に書かれています。そこで訳すときは、前の文を受けて「(お昼寝をのがしたから)ぼくがどうなるか、知ってるでしょ」と、頭の中で条件を足して理解します。条件が書かれていないときは、無理に具体化せず、「どうなるか知ってるでしょ」のまま訳せば、台詞の持つ余白が残ります。
日本語にするときは、「私がどうなるか、知ってるでしょ」が基本です。「私の癖を知ってるよね」のように言い換えると、get の「なる」という変化の感じが薄れます。条件が書かれている場合は、「寝不足の私がどうなるか」のように、条件を頭に出して訳すと自然です。
get の意味を「なる」と決めて、条件は前後の文から拾う。この2点を押さえておけば、この表現は取り違えずに読めます。
まとめ|理由のあとに「察して」と添える
you know how I get は、自分がどうなるかを相手が知っている前提で、中身をほのめかす表現です。get は「なる」の意味で、条件は when で足しても、前の文に任せて省いてもかまいません。
主語を he や she に替えれば、第三者の様子を周りに伝える言い方になります。how I get が条件つきの変化、what I’m like が人柄全体、と選び分けると、似た表現との違いも整理できます。
お昼寝をのがした理由を述べたあと、具体的な中身は言わずに一言添えるジョー。短い言葉に「察して」を込めるこの使い方が、そのまま表現の使い方の見本になっています。


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