海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン8第12話では、ミッチェルとキャメロンが、ヘイリーとサルに、相手の男性への向き合い方を次々に助言します。ところが、その助言は思いどおりの結果にはつながりません。
人の背中を押す言葉と、それがうまくいかなかったときに認める言葉。助言する側に立ったときに使える英語が、ミッチェルとキャメロンの一夜の会話にまとめて出てきます。ヘイリーとサル、それぞれの反応とあわせて追っていきます。
「used your words」と「told him off」
夜の外出を前に、二人はリリーが学校でしたことを、こう話します。
Cameron: Oh, and Lily gets to stay up a little later tonight because she had a big-girl moment at school.
(あ、それとリリーは今夜ちょっと遅くまで起きてていいんだ。学校でお姉さんらしいところを見せたからね。)Mitchell: Yes, this boy Jagger ‘cause that’s a name now teased her and she told him off in front of everybody.
(そう、ジャガーって男の子が、今どきはそういう名前もあるんだよ、からかってきて、この子はみんなの前でその子に言い返したんだ。)Cameron: And we’re proud of you because you used your words.
(僕たちは君を誇りに思ってるよ。ちゃんと言葉で伝えたんだから。)Cameron: She used our words.
(僕たちの言葉だけどね。)Cameron: We wrote her a little speech.
(ちょっとしたスピーチを書いてあげたんだ。)Cameron: She really told that kid off good.
(あの子、本当にしっかり言い返したよ。)Modern Family Season8 Episode12 (Do You Believe in Magic)
tell someone off は「(人を)はっきりしかる、言い返す」という句動詞で、tell him off のように目的語を間に挟む形になる点も押さえておきたいところです。use your words は、手を出したり黙り込んだりせずに言葉で気持ちを伝えるよう促すときの言い方として、子育ての場面でよく耳にすると言われます。
キャメロンは you used your words と褒めた直後に She used our words. と言い直します。your を our に変えるだけで「実は自分たちが考えた言葉だ」と打ち明ける、言葉遊びのような一言です。a big-girl moment は、子どもが年齢より一段大人びた振る舞いを見せた瞬間を指す言い方で、big girl や big boy は幼い子をほめるときにも使われます。
リリーに「言葉で言い返す」ことを促したこの場面は、この夜に続く二人の助言の出発点として読むことができます。
「confront」「stand up for yourself」「settle」で背中を押す
出かけた先では、レイナーが別の女性とデートしているように見えたことから、ミッチェルがヘイリーに No, you got to go confront him.(行って、彼に問いただしなよ)と促します。you got to は you’ve got to のくだけた形で、「〜しなきゃ」と強く勧めるときの言い方です。さらに二人はこう続けます。
Mitchell: Yup, because you’re bending over backwards to avoid standing up for yourself.
(そうさ、自分のために言い返さずに済むよう、体を反らすほど無理してるからね。)Cameron: And setting a good example for other women.
(それに、ほかの女性たちのいいお手本になるためにもね。)Modern Family Season8 Episode12 (Do You Believe in Magic)
confront は「(問題や相手に)正面から向き合う、問いただす」という動詞です。stand up for yourself は「自分の立場を守る、言うべきことを言う」、bend over backwards は「必死に無理をする」という慣用句で、ミッチェルは直前のアクロバットにたとえた冗談につなげてこの表現を使っています。set a good example は「よい手本を示す」です。
二人の助言はサルにも向かいます。恋人が不在のバレンタインを過ごしているサルに対しても、ミッチェルは動揺を認めようとしないと指摘し、二人はこう続けます。
All: We’re saying that you settle.
(君は妥協してるって言ってるんだよ。)Sal: You practice this at home, don’t you?
(それ、家で練習してるでしょ?)All: We do not.
(してないよ。)Modern Family Season8 Episode12 (Do You Believe in Magic)
settle は「(本当はもっと望めるのに)手を打つ、妥協する」で、settle for ~ の形で「〜で手を打つ」とも言います。声をそろえた二人に、サルが「家で練習したのか」と返すやり取りが印象的です。
「Do you think our advice—」と、裏目に出たと認める
その後、レイナーが二人のもとに来て、デートではなかった事情を説明します。ヘイリーは電話にも出ないと聞き、二人はこう言葉を交わします。
Cameron: Do you think our advice
(僕たちのアドバイスって)Mitchell: Sucked? Yes.
(最悪だったかって? そうだね。)Mitchell: Yes.
(そうだよ。)Modern Family Season8 Episode12 (Do You Believe in Magic)
キャメロンが言い終える前に、ミッチェルが続きを引き取って答えています。suck は「ひどい、最悪だ」というくだけた動詞で、親しい間柄で使う言葉です。改まった場面なら My advice didn’t work out. や I gave you bad advice. のように言い換えられます。
ヘイリーとサルのいる船では、サルが自分のしたことを報告します。
Sal: I took your advice.
(あなたたちのアドバイスに従ったの。)Sal: Called Werner.
(ヴェルナーに電話した。)Sal: Told him I wasn’t going to settle.
(妥協はしないって言ってやったの。)Mitchell: How did that
(それで、どう)Mitchell: How how did that go?
(ど、どうなったの?)Sal: He was thinking that we might be something special, and then I gave him the ultimatum, and he said, “Maybe we’re not actually meant to be.
(彼は、私たちは特別な関係になれるかもって思ってたのよ。それで私が最後通告をしたら、彼、「たぶん僕たちは本当は結ばれる運命じゃない」って。)Modern Family Season8 Episode12 (Do You Believe in Magic)
take someone’s advice は「(人の)助言に従う」で、follow someone’s advice とも言います。結果を尋ねる How did that go? は、助言した側が相手の報告を聞くときに使いやすい一言です。
その後、サルはヴェルナーについて Werner is not good enough for me. と結論を出し、二人には You’re perfectly matched.(あなたたち、ぴったりお似合いよ)と告げます。皮肉まじりの評価ですが、二人はそれを前向きに受け取ります。
Cameron: Well, it’s kind of sweet when you look at it that way.
(まあ、そう考えると、ちょっといい話だね。)Mitchell: Yeah.
(うん。)Mitchell: We are very lucky.
(僕たちはすごく運がいいよ。)Modern Family Season8 Episode12 (Do You Believe in Magic)
when you look at it that way は「そういう見方をすれば」と、受け止め方を切り替える表現です。We are very lucky. と重ねることで、助言をめぐる話が、最後は二人自身の関係の話に返ってくる流れです。
まとめ|背中を押す言葉と、引き取る言葉
tell someone off や stand up for yourself、settle で背中を押し、うまくいかなければ Do you think our advice— と認め、How did that go? と結果を尋ねる。助言する側の英語が、一つの夜の中でひと通りそろっていることが分かります。
これからも『モダンファミリー』の会話から、場面ごとの英語を拾っていきましょう。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、贈り物や家族へのひいきをめぐる英語も取り上げます。


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