「a marathon, not a sprint」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S11E12で学ぶ英会話

「a marathon, not a sprint」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

物事がなかなか進まず、周りの進み具合に焦らされて、つい「もう少し待って」と言いたくなる場面はありませんか。

そんな場面にぴったりの「a marathon, not a sprint」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン11第12話の後半、結婚式の付添人選びで友人たちを試し続けるシェルドンが、焦る友人たちに向けて放つ一言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「a marathon, not a sprint」の意味とニュアンス

a marathon, not a sprint
意味:一時的な勝負ではなく長期戦である

a marathon, not a sprintは、短期決戦(sprint)と長期戦(marathon)を対比させる定型的な比喩表現で、物事に焦らず長い目で取り組むべきだという助言として使われます。marathonは長距離をペースを保って走り続ける競技、sprintは全力で一気に走り切る短距離走を指し、この対比が「急いで終わらせるものではない」という発想をそのまま伝えます。

プロジェクトの進行管理や、ダイエット・学習のような長期的な取り組みを励ます場面でよく使われるほか、自分の行動の遅さを正当化する言い訳として使われることもあります。

結果をすぐに求められたときに、時間をかけて取り組む姿勢そのものを守るための一言として機能する表現です。励ましにも言い訳にも使える、この両面性こそがこのフレーズの懐の深さだと言えます。誰かを急かしたくなったときに、いったん立ち止まって自分に言い聞かせる言葉としても重宝します。

【ここがポイント!】

  • 「a marathon, not a sprint」の核は、急いで終わらせるものではなく時間をかけて取り組むものというイメージ
  • 励ましの言葉にも、行動の遅さを正当化する言い訳にもなる、両面性のある表現
  • marathonとsprintの対比をそのまま思い浮かべると、ニュアンスがすっと伝わる定番の比喩

『ビッグバン★セオリー』S11E12のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

結婚式の付添人を選ぶために友人たちを試していたシェルドンのやり方に、友人側が気づいて抗議する場面です。感情論ではなく独自の基準で友人たちを評価していたことが明らかになり、評価が低そうなラージは不安を隠せません。畳みかける友人たちに、シェルドンがどう返すのかに注目です。

Leonard: Hey, are you testing us to see who gets to be in your wedding?
(ねえ、これって僕たちが結婚式に出られるかどうかのテストをしてるってこと?)

Sheldon: Yes.
(そうだ。)

Amy: No.
(いいえ。)

Leonard: Wha– they’re rating us.
(は――つまり僕たちを評価してるんだ。)

Raj: And I’m in last?
(で、俺が最下位ってことか?)

Amy: Don’t panic, there’s still time.
(慌てないで、まだ時間はあるから。)

Sheldon: Look, it’s a marathon, not a sprint.
(いいか、これは短距離走じゃなくてマラソンなんだ。)

The Big Bang Theory Season11 Episode12 (The Matrimonial Metric)

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シーン解説と心理考察

レナードが「これって僕たちが結婚式に出られるかどうかのテストをしてるってこと?」と切り込むと、シェルドンは即座に「そうだ」と認め、エイミーは同時に「いいえ」と否定します。二人の返事が食い違うこの瞬間には、シェルドンの率直すぎる性格と、場を取り繕おうとするエイミーの対照的な反応がよく表れています。

ラージが「俺が最下位ってことか?」と不安そうに尋ね、エイミーが「慌てないで、まだ時間はあるから」となだめますが、シェルドンは「これは短距離走じゃなくてマラソンなんだ」と、友人たちを長期間試し続けるつもりであることを平然と告げます。スポーツの比喩を使って深刻な状況を軽く言い換えるシェルドンの態度には、友人の気持ちへの配慮の欠如と、本人なりの筋の通った理屈で突き進む姿が同時に重なっています。友人たちが不満を並べても、評価という名目そのものを取り下げようとしない粘り強さも、このキャラクターらしい一面です。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

全力で一気に走り切る短距離走(sprint)ではなく、長い距離をペースを保って走り続けるマラソン(marathon)を思い浮かべてみましょう。一気に終わらせるものではなく、時間をかけて続けるものだというイメージが、a marathon, not a sprintの意味にそのままつながります。

シェルドンが友人たちに告げたこの一言も、短期決戦ではなく長期戦であることを宣言するものでした。焦って結果を急ぐのではなく、ペースを保ちながら続けていく、そのイメージを持っておくと、仕事や勉強が長引く場面でもすっと口から出てくるはずです。

例文で覚える「a marathon, not a sprint」

長期的な取り組みを励ます場面で使いやすいa marathon, not a sprintを、3つの例文で確認していきましょう。

Remember, learning a language is a marathon, not a sprint.
(覚えておいて、語学学習は短距離走じゃなくてマラソンなんだ)
長期的な学習計画を語る場面です。Rememberという呼びかけを添えると、励ましの響きが強まります。

Building a successful business is a marathon, not a sprint.
(成功するビジネスを築くのは、短距離走じゃなくてマラソンだ)
経営方針を説明するビジネスの場面です。successfulという言葉が、長期的な努力の先にある成果を印象づけています。

A: Why haven’t we finished the renovation yet?
B: Relax, it’s a marathon, not a sprint.
(A:なんでリノベーションがまだ終わってないんだ?)
(B:落ち着いて、これは短距離走じゃなくてマラソンなんだから。)
進行が遅いことを言い訳する会話です。Relaxという一言が、相手をなだめる軽さを添え、深刻になりすぎない温度感を作っています。

あわせて覚えたい関連表現

slow and steady wins the race
(遅くても着実な者が勝つ)
a marathon, not a sprintが「時間がかかる性質そのもの」を説明する表現であるのに対し、slow and steady wins the raceは「着実さが最終的に勝つ」という教訓的な意味合いが強い表現です。

take it one step at a time
(一歩ずつ進める)
a marathon, not a sprintは物事全体の性質を説明するのに対し、take it one step at a timeは行動の進め方そのものを指す表現です。

in it for the long haul
(長期にわたって取り組む覚悟である)
in it for the long haulは取り組む人の覚悟や姿勢を表すのに対し、a marathon, not a sprintは対象となる物事の性質を表します。

Note|マラソンという競技が、英語の比喩表現に根付いている理由

マラソンという長距離競技は、アメリカの日常会話やビジネスの比喩表現として深く根付いています。

市民マラソンの参加者は世界的にも多く、完走そのものが大きな個人的成果として称えられる文化がアメリカには根強くあります。順位を競うよりも、自分のペースで長い距離を走り切ることに価値が置かれるこの競技の性質が、「急いで終わらせるのではなく、時間をかけて取り組むべきだ」という発想と自然に結びつき、仕事や学習、人間関係など、結果がすぐに出ない物事を語る比喩として定着しました。対照的なsprintが引き合いに出されることで、この対比がより鮮明に伝わる仕組みになっています。長距離走という身体的な実感を伴う比喩だからこそ、説明抜きで誰にでも伝わりやすいのでしょう。

シェルドンが友人たちに告げたa marathon, not a sprintも、結婚式の準備という長丁場の取り組みに、この競技の比喩をそのまま当てはめたものでした。友人たちをじっくり試し続けるという本人なりの理屈も、この一言に集約されています。

焦らず長い目で、という発想は、競技場の外でも広く息づいているようです。結果を急ぐ声に対して、この一言がさりげない防波堤になっている場面は、思いのほか多いものです。

まとめ|焦らず進む、というもうひとつの強さ

a marathon, not a sprintは、短期決戦ではなく長期戦であることを伝える比喩表現で、結果を急ぎたくなる気持ちにブレーキをかけてくれます。

仕事や学習など、すぐに結果が出ない物事を語る場面で、焦る気持ちをなだめる一言として使えます。

友人たちを試し続けるという身勝手な理屈を、スポーツの比喩でさらりと正当化してしまうシェルドンの態度も印象的ですが、焦らず長い目で物事を見るという発想自体は、日々の会話の中でも表現の引き出しに加えておきたい一言です。すぐに結果が見えない取り組みほど、この一言が気持ちの支えになってくれるはずです。

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