「boot up」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S11E09で学ぶ英会話

「boot up」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

電源を入れてから画面が立ち上がるまでのあいだ、古いパソコンを前にじっと待たされる、そんな場面が誰にでもあるはずです。

そんな瞬間にぴったりの「boot up」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン11第9話の前半、ビットコインの取り分をどう使うかで盛り上がるレナードたちが、2010年に使っていたという古いノートパソコンを立ち上げる場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「boot up」の意味とニュアンス

boot up
意味:(コンピューターを)起動する、立ち上げる

boot up は、コンピューターや機器の電源を入れてから、実際に使える状態になるまでの起動処理を表す表現です。boot 単体でも「起動する」という意味を持ちますが、up を添えることで、起動作業が完了して使える状態に「仕上がった」ことを強調するニュアンスが加わります。

all booted up のように all を前に置くと、「完全に起動が終わった」という完了感がさらに強まります。パソコンの電源を入れる動作そのものではなく、起動が終わってようやく操作できるようになった、その瞬間を報告するときに使われる表現だと考えると分かりやすくなります。

【ここがポイント!】

  • 「boot up」の核は、電源を入れたあと使える状態まで仕上がる「起動完了」のイメージ
  • power on(電源を入れる動作)とは違い、起動処理そのものの過程や完了を表す表現
  • all booted up のように all を添えると、完全に立ち上がったという完了感が強まる

『ビッグバン★セオリー』S11E09のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ビットコインの取り分をどう使うかという話題で盛り上がるレナード・ラージ・ハワードの3人は、古いノートパソコンを立ち上げようとしています。トラを買うというラージの夢物語や、妻に内緒で学費を貯めようとするハワードのやり取りが挟まれたあと、ようやく機械が使える状態になったことを報告するセリフに注目です。

Leonard: So what are you gonna do with your share of the money?
(それで、お前の取り分の金で何をするつもりだ?)

Raj: Uh, well, as a responsible adult, I’ll put that money into a CD, wait for that CD to mature, and then buy a tiger.
(うーん、そうだな、ちゃんとした大人として、そのお金は定期預金に入れて、満期になるのを待って、それからトラを買うつもりだ。)

Leonard: How about you?
(お前はどうするんだよ?)

Howard: Oh, that depends on whether I tell Bernadette or not.
(それは、バーナデットに話すかどうかで決まるな。)

Bernadette: Howard, I can hear you. The baby monitor is on.
(ハワード、聞こえてるわよ。ベビーモニターがついてるの。)

Howard: I know. I was joking. I’m gonna put it in a college fund.
(分かってるよ。冗談だったんだ。大学の学費用の基金に入れるつもりさ。)

Leonard: All right, all booted up.
(よし、完全に立ち上がったぞ。)

The Big Bang Theory Season11 Episode9 (The Bitcoin Entanglement)

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シーン解説と心理考察

分け前をどう使うかという質問に、ラージは「ちゃんとした大人として」定期預金で堅実に資産運用してからトラを買うという、現実離れした夢物語をさらりと口にします。「ちゃんとした大人」という前置きと、その直後に続く「トラを買う」という落差に、育ちの良さゆえの金銭感覚のずれがにじんでいます。

一方のハワードは妻に内緒で学費を貯めようとした矢先、ベビーモニター越しに全部聞かれてしまいます。「分かってるよ、冗談だったんだ」と即座に言い訳する反応からは、妻には隠し事ができない、そしてすぐに見抜かれてしまう夫婦関係のおかしみが伝わってきます。最後にレナードが古いパソコンの起動完了を告げることで、話はビットコイン捜索という本筋に戻っていきます。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

boot up を覚えるコツは、ブーツの紐をしっかり結んで、よろよろした状態から自力で立ち上がる様子を思い浮かべることです。電源が入っただけではまだ準備が整っておらず、起動処理を終えて初めてしっかり「立ち上がった」状態になるのが boot up という表現です。

劇中でも、2010年に使っていたという古いパソコンが実際に操作できる状態になったことをレナードが報告する場面で使われています。途中のやり取りをよそに、機械が準備を終えて本筋に戻ってくるこの感覚を、ブーツを履いて立ち上がる動作とともに覚えておくと忘れにくくなります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「boot up」

日常のパソコン操作からオフィスでのやり取りまで、boot up を3つの例文で確認していきましょう。

It took a few minutes for the old computer to boot up.
(その古いパソコンが起動するまで数分かかった。)
古いパソコンの起動を待つ日常の場面です。take a few minutes と組み合わせることで、待たされるもどかしさが伝わります。

Once the server boots up, we can start the presentation.
(サーバーが起動したら、プレゼンテーションを始められます。)
会議前にシステムの準備を語るビジネスの場面です。once と組み合わせることで、起動完了を前提条件として示せます。

A: Is the laptop ready? B: Give it a second, it’s still booting up.
(A:ノートパソコンの準備はできた?)
(B:少し待って、まだ起動中だから。)
パソコンの準備状況を確認するカジュアルな会話です。進行中の状態を示す -ing 形で、まだ使える状態ではないことを伝えています。

あわせて覚えたい関連表現

start up
(起動する、立ち上げる)
boot up がコンピューター・機器の起動に特化した表現であるのに対し、start up はエンジンや事業など、もっと広い対象に使える汎用的な表現です。

power on
(電源を入れる)
power on は電源スイッチを入れる動作そのものを指す表現で、boot up はその後に続く起動処理の過程や完了を指します。動作の前後関係が異なる点に注目すると使い分けやすくなります。

fire up
((機械などを)起動する、始動させる)
fire up はやや口語的でエネルギッシュな響きを持つ表現で、boot up よりもカジュアルでくだけた場面で使われやすいニュアンスを持っています。

Note|boot up の boot は「自分のブーツの紐を引いて立ち上がる」bootstrap から

boot up という表現のルーツをたどると、コンピューター用語としての boot が、実は「ブーツの紐(bootstrap)」にまつわる比喩から生まれたという興味深い背景が見えてきます。bootstrap とは、もともとブーツの後ろについている、足を引き入れるための紐のことです。

この言葉から生まれた “pull oneself up by one’s own bootstraps” という表現は、「誰の助けも借りず、自分のブーツの紐を引いて自力で立ち上がる」という、やや不可能に近い自助努力を表す比喩です。コンピューターの世界でこの言葉が使われるようになったのは、電源を入れたばかりのコンピューターが、起動プログラムを自分自身の力で少しずつ読み込みながら、最終的に自力で立ち上がっていく様子が、この比喩にそっくりだったためだと言われています。外部から完成した指示を丸ごと与えられるのではなく、ごく小さな最初の一歩から段階的に機能を積み上げていく過程が、boot という一語に込められているのです。

劇中のレナードが報告した「完全に立ち上がったぞ」という一言も、まさにこの段階的な起動プロセスが終わった瞬間を指しています。ブーツの紐を引いて自力で立ち上がる比喩を知っておくと、boot up という一語がただの「起動」ではなく、「自力で少しずつ立ち上がる」過程を含んだ表現であることが実感できます。

電源を入れるだけでは終わらない、あの地味な待ち時間にこそ、この言葉の由来が重なっているとも言えるでしょう。

まとめ|電源を入れた先にある、もう一つの仕上がり

boot up は、電源を入れたあとの起動処理を経て、実際に使える状態まで仕上がることを表す表現です。power on との違いを意識しておくと、「電源が入った」段階と「使える状態になった」段階を正確に区別して伝えられるようになります。

古いパソコンを前に夢物語やベビーモニター越しの言い訳が飛び交うなか、最後に静かに告げられた「完全に立ち上がったぞ」という一言は、騒がしいやり取りをいったん収束させて本筋に戻す、合図のような役割を果たしていると言えます。

地味な待ち時間の先に訪れる、この小さな「準備完了」の感覚を覚えておくと、実際に機械の起動を報告する場面でも、そのまま一言として使える表現です。

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