海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回取り上げるのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン9 第10話から、悪い話に明るい面を添える言い方と、話題を切り替える言い方です。エイミーの部屋での食事の場面では、会話が重くなりかけるたびに、エイミーとデイヴが言葉を選んで空気を立て直していきます。
気まずさをほどく英語には、決まった型があります。a silver liningからLet’s change the subject.まで、会話を前に進める表現を順番に見ていきましょう。
「a little silver lining」悪い話に明るい面を添える
エイミーの部屋に招かれたデイヴは、手料理を褒め、家庭料理は久しぶりだと打ち明けます。エイミーは、結婚していたころ奥さんは料理をしたのかと尋ねます。
デイヴは、最初は料理をしなかった妻が、後になって腕を上げたと答えます。前の結婚生活の話でしんみりしかけたところを、エイミーがこう受けます。
Amy: So, a little silver lining.
(じゃあ、ちょっとした不幸中の幸いね。)Dave: I suppose. Yeah. Nothing takes the sting out of a shattered life like a properly-seasoned bowl of onion soup. How long have you, uh, lived here?
(そうかもしれません。ええ。きちんと味つけされた一皿のオニオンスープほど、打ちのめされた人生の痛みを和らげてくれるものはありませんから。ここにはどれくらい、その、住んでいるんですか?)TBBT Season9 Episode10
a silver lining は「悪い出来事の中の明るい一面」。暗い雲の縁が銀色に光る情景を思い浮かべると、意味がつかみやすくなります。a littleを付ければ「ちょっとした」と控えめに響く表現です。
デイヴの返しにある take the sting out of ~ は「〜の痛みを和らげる」。Nothing ~ like …(…ほど〜なものはない)という最上級に相当する型と組み合わせて、自虐をやわらかい笑いに包んでいます。
「let’s change the subject.」出した話題を引き取って切り替える
住まいを尋ねられたエイミーは、5年ほどだと答えたあと、引っ越しを考えている理由を言いかけて、文末を well, you know(その、ほら)と濁します。名前を出したくない相手をぼかす言い方です。
その流れで話が例の人に及んでしまい、エイミーが場を引き取ります。
Amy: My fault. I brought him up.
(私のせいね。私が彼の話を出したんだから。)Dave: Yeah. Well, let’s change the subject. No more mentions of you-know-who. That’s a cool train. Where did you get that?
(ええ。さて、話題を変えましょう。例の誰かさんの話はもうなしです。あれは素敵な列車ですね。どこで手に入れたんですか?)TBBT Season9 Episode10
I brought him up. のbring upは「話題に出す」。My fault.と合わせて、気まずさの原因を自分から引き取る形です。
デイヴの Let’s change the subject. は、話題を切り替える直球の宣言です。you-know-who(例の誰かさん)と言い換えてから、目についた列車の模型へ話題を振ります。宣言、言い換え、次の話題の3手がそろった切り替えです。
「That’s an interesting tie clip.」目についたものに話題を振る
同じエピソードの後の場面では、今度はエイミーが同じ型を使います。
Amy: That’s an interesting tie clip.
(それ、面白いネクタイピンね。)Dave: Oh, thanks. It’s, uh, Avogadro’s constant. It’s useful for calculating the number of atoms in a substance, or causing regret in anyone who asks about it.
(ああ、ありがとうございます。これは、その、アボガドロ定数です。物質中の原子の数を計算するのに役立ちます。あるいは、これについて尋ねた人を後悔させるのにも。)TBBT Season9 Episode10
That’s a cool ~ / That’s an interesting ~ は、相手の持ち物に目を留めて話題を作る型です。褒め言葉と質問をひと組にすると、会話が自然に立ち上がります。
エイミーが I think it’s neat.(素敵だと思うわ)と受けると、デイヴは、これまで誰も気に入ってくれた人はいなかったと打ち明けます。持ち物への一言が、相手の人柄を引き出すきっかけになるという場面です。
まとめ|受け方ひとつで会話は立て直せる
今回は、a silver liningで悪い話に明るい面を添え、bring upとLet’s change the subject.で話題を仕切り直す表現を見てきました。That’s an interesting ~で持ち物に話題を振る型も、初対面の会話で頼りになります。
言葉の受け方ひとつで場の空気が変わっていく様子が、2人のやり取りからよく分かります。
同じエピソードを扱った他のコラムやフレーズ記事とあわせて読むと、この回の英語がより立体的に見えてきます。


コメント