海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回取り上げるのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン9 第10話から、寄せられた言葉に返す文面をひねり出す英語です。バンドを組んだハワードとラージのもとにファンからの書き込みが届き、2人はどんな返事を書くかを相談し始めます。
もらった言葉にどう返すか、画面の前で迷った経験は誰にでもあるのではないでしょうか。文面を練るときにそのまま使える表現を、2人のやり取りから順番に拾っていきます。
「What should we write?」返信の文面を相談する
ハワードの作業場で、ラージが返信の相談を切り出します。
Raj: Maybe we should post a comment back to our fan and thank him.
(ファンにコメントを返して、お礼を言ったほうがいいんじゃないかな。)Howard: What should we write?
(何て書く?)Raj: How about, uh, oh, how about, we might be Footprints on the Moon, but your kind words sent us over the moon.
(どうかな、あ、そうだ、こういうのはどう?僕らはFootprints on the Moonかもしれないけど、君のあたたかい言葉で月の向こうまで舞い上がったよ、って。)TBBT Season9 Episode10
Maybe we should ~ は「〜したほうがいいんじゃないか」という控えめな提案、What should we write? は文面そのものを相談する質問です。
ラージの案の鍵は your kind words sent us over the moon です。kind words(あたたかい言葉)は礼の文面の定番の語で、send someone over the moon は「人を有頂天にさせる」という言い回し。バンド名のMoonと掛けた言葉遊びに仕立てているのが分かります。
How about ~?(〜はどう?)という前置きを添えるだけで、文案を押し付けずに差し出せます。
「Something badass」調子を指定してから文案を出す
ラージの上品な案に納得しないハワードは、別の方向を目指します。
Raj: Well what do you want to write?
(じゃあ、君は何て書きたいのさ?)Howard: Something badass, you know, like, thanks for diggin’ our vibe. We’ll keep rockin’ if you keep rollin’.
(もっとワイルドなやつだよ。ほら、俺たちのノリを気に入ってくれてありがとう。君が転がり続けてくれるなら、俺たちはロックし続けるぜ、みたいな。)TBBT Season9 Episode10
注目したいのは Something badass, you know, like, ~ という組み立てです。Something+形容詞でまず文章の調子を指定し、like(たとえば)に続けて実例を出しています。
文面づくりの相談では、この「方向性が先、実例が後」の順序がよく機能します。日本語でも「もっと砕けた感じで、たとえば〜」と言うのと同じ流れです。
diggin’、rockin’、rollin’という綴りは、digging、rocking、rollingの語尾のgを落としたくだけた書き方です。dig には「気に入る」という口語の意味があり、thanks for diggin’ our vibeで「俺たちのノリを気に入ってくれてありがとう」となります。
「I don’t know if he’s our biggest fan or I’m his.」返信のあとの余韻
ラージが返信を投稿し、2人は相手の名前を確かめます。
Raj: Okay. I posted it.
(オーケー。投稿したよ。)Howard: So, who is this guy?
(で、こいつは何者なんだ?)Raj: Let’s see. Uh, his name is Trent Monaco.
(どれどれ。ええと、名前はトレント・モナコだ。)Howard: Cool name.
(イカした名前だな。)TBBT Season9 Episode10
文頭の So,(で、ところで)には話題を進める働きがあり、Let’s see.(どれどれ)は何かを確かめるときのつなぎ言葉です。
やがてハワードがつぶやきます。
Howard: Damn. I don’t know if he’s our biggest fan or I’m his. Hey, Trent just liked our comment.
(参ったな。あいつが俺たちの一番のファンなのか、俺があいつのファンなのか分からないよ。おい、トレントが俺たちのコメントにいいねしたぞ。)TBBT Season9 Episode10
I don’t know if A or B(AなのかBなのか分からない)の中で、he’s our biggest fanとI’m hisを入れ替えて落とすのが、この一言の面白いところです。
like が「いいねする」という動詞で使われている点も、SNS時代の英語らしいところです。
まとめ|方向性を決めてから言葉を選ぶ
今回は、Maybe we should ~で返信を提案し、What should we write?で文面を相談し、Something badass, like ~で調子を決めて案を出す流れを見てきました。send someone over the moonやdigのような口語も、文面に彩りを添えてくれます。
正解のない文面づくりに、ああでもないと知恵を絞る2人の姿から、言葉を選ぶ楽しさが伝わってきます。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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