海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は、『ビッグバン★セオリー』シーズン9 エピソード23から、謝罪を組み立てて差し出す英語を取り上げます。買い物の同行を巡ってエイミーを苛立たせたシェルドンが、「きちんとした謝罪には3つの段階が要る」と宣言し、その場で実演してみせる場面が軸です。
謝る側が謝罪の中身を要素に分けて名づけていく、シェルドンらしい理屈の光る回です。鍵になる名詞の形まで含めて、順に見ていきましょう。
「it’s time you apologize」自分で謝るよう促す一言
エイミーとの買い物に行かず、映画の上映イベントの列に並ぶことを選んだシェルドン。別の場面でエイミーは、行きたくないならそう言ってくれればよかったのに、と不満を漏らしています。
列に居合わせたレナードが、シェルドンに切り出します。
Leonard: You think it’s time you apologize to her yourself?
(そろそろ君が、自分で彼女に謝る頃合いだと思わない?)TBBT Season9 Episode23
It’s time you + 動詞 は「そろそろ〜する頃だ」。今すぐ動いてほしいという促しを、時期の話として柔らかく差し出す形です。
そこに yourself が添わることで、ほかの誰でもなく本人が、という念押しが加わります。促す側の定番の組み立てと言えます。
シェルドンもこれを認めます。ただし列を離れれば場所を失うと渋るあたりが、いかにもこの人物らしいところです。
「A proper apology requires three steps」謝罪を3つの段階に分ける
ペニーの部屋には、エイミーたちが集まっています。ドアの外から名前を呼ぶ声に続いて、シェルドンが現れます。
Sheldon: Amy. Amy. Amy.
(エイミー。エイミー。エイミー。)Amy: Come in.
(入って。)Sheldon: Hello, everyone. Oh, Beverly, good to see you. I’d love to chat, but there’s a line that could start moving any minute, so let’s do this. Amy? A proper apology requires three steps. Step one, an admission of wrongdoing. Amy, I was wrong. Step two, a promise never to repeat said action. Amy, that action will never be repeated, and that’s a promise. Step three, an earnest request for forgiveness. Amy, I hope you can forgive me.
(やあ、皆さん。ああ、ビバリー、会えてうれしいよ。おしゃべりといきたいところだけど、列がいつ動き出してもおかしくないから、さっそく始めよう。エイミー? きちんとした謝罪には3つの段階が必要だ。段階1、非を認めること。エイミー、僕が間違っていた。段階2、当該の行いを二度と繰り返さないという約束。エイミー、あの行いは二度と繰り返されない、これは約束だ。段階3、許しを求める真摯な願い。エイミー、どうか許してほしい。)TBBT Season9 Episode23
proper は「きちんとした・正式な」、require は「〜を必要とする」。謝罪そのものを、手順を踏むべき正式な工程として言い切る宣言です。
3つの段階は、それぞれ admission(認めること)、promise(約束)、request(求め)という名詞で名づけられています。admissionはadmit(認める)の、forgivenessはforgive(許す)の名詞形で、動詞をあえて名詞で言い直すと改まった響きになるのが分かります。
said action のsaidは「前述の」という意味で、契約書のような文書で見かける堅い限定詞とされています。日常の謝罪に紛れ込むから可笑しい、という仕掛けと読み取れます。
「puts them on their heels」謝らない人の謝罪
なお、この3段階は英語圏の謝罪の型というより、シェルドンが自分で唱えた手順です。エイミーは分かったと短く応じ、シェルドンは礼を述べて足早に部屋を出ます。
列に戻ると、首尾を尋ねるレナードにこう答えます。
Sheldon: It went well. Yeah, I’ve learned that if you never say you’re sorry, the times you do really puts them on their heels.
(うまくいったよ。ああ、学んだんだ。普段まったく謝らずにいると、いざ謝ったときに、相手は本当にたじろぐんだね。)TBBT Season9 Episode23
put someone on their heels は、ここでは相手をたじろがせる、勢いをそぐという趣旨で使われていると読み取れます。まずは聞いて分かる表現として押さえておきたいところです。
the times you do は「実際にそうする数少ない機会」。doが直前のsay you’re sorryを引き受けています。
謝罪の成功から、謝らない習慣の効用を引き出してしまう。この理屈の飛躍に、シェルドンの人柄が凝縮されていると言えます。
まとめ|謝罪を組み立てる英語
今回は、It’s time you ~の促しから、admission・promise・forgivenessという3段階の名づけ、put someone on their heelsまで、謝罪を巡る表現を見てきました。謝る中身を要素に分けて言葉にする発想は、言いにくい話を整理する手がかりにもなります。
次回も『ビッグバン★セオリー』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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