海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン4 第21話に登場する、契約書の曖昧さや手続き不備を突いて反論する弁護士的な言い回しです。ルームメイト協定の条文を一読したプリヤが、条文の穴を次々と指摘し、シェルドンの訴えを退けていく場面を取り上げます。
ざっと目を通しただけという反論の切り出し方や、条文の曖昧さを逆手に取る言い方を、場面の流れとともに見ていきます。
「a cursory reading」「not specific as to what constitutes」に見る、条文の穴を指摘する言い方
場面はアパートの居間、シェルドンによる模擬裁判の続きです。協定文書を渡されたプリヤは、目を通しただけで反論の糸口を見つけます。
Priya: All right, based on a cursory reading, it doesn’t look like you have much of a case, Sheldon.
(いいわ、ざっと目を通しただけだけれど、あなたの言い分にはあまり根拠がなさそうね、シェルドン。)TBBT Season4 Episode21 (The Agreement Dissection)
シェルドンが食い下がると、プリヤは条文の文言そのものを根拠に切り返します。
Priya: Oh, I’m afraid not. Section seven here, on the right to enter the bathroom in emergency situations, is not specific as to what constitutes an emergency.
(残念ながら違うわ。緊急時にバスルームへ立ち入る権利について定めたこの第七条は、何が緊急事態に当たるのかを明記していないの。)TBBT Season4 Episode21 (The Agreement Dissection)
cursory は「急いで表面だけを見る」という意味の形容詞で、a cursory reading は「ざっと目を通しただけの読み方」を指します。本格的な検討ではないと前置きしつつ反論を切り出す言い方で、相手の主張を崩す合図にもなっています。
not specific as to what constitutes ~ は「何が~に該当するか明記していない」という、条文の不備を指摘する言い回しです。constitutes は「~に当たる」という意味の動詞で、法律文書で定義の曖昧さを問題にする際によく使われます。
「ambiguity in a contract benefits the party that did not draft it」「according to the document」に見る、条文解釈の言い方
プリヤはさらに、契約解釈の一般的な考え方を持ち出します。
Priya: My point is, Sheldon, the legal principle is ambiguity in a contract benefits the party that did not draft it, in this case, Leonard. So much for count one.
(要するに、シェルドン、契約書の曖昧な部分は、それを起草していない側に有利に解釈される、というのが法律の考え方なの。この場合はレナードのことね。これで訴因その一はおしまい。)TBBT Season4 Episode21 (The Agreement Dissection)
ambiguity in a contract benefits the party that did not draft it は、契約書の文言があいまいな場合に、それを作成していない側に有利な解釈が取られる、という契約解釈の考え方の一つとして知られる表現です。あくまで劇中でプリヤが持ち出す立場であり、国や場面で扱いが異なりうる一般論として押さえておきたいところです。
別の場面では、ピザの注文先(テイクアウト店)の変更を巡って、プリヤが文書そのものを根拠に手続き不備を突きます。
Priya: A good question, Howard. Turns out you can’t. According to the document you drew up, Sheldon, the selection of a new takeout restaurant requires public hearings and a 60-day comment period. Were those criteria met?
(いい質問ね、ハワード。実は変えられないの。シェルドン、あなたが作成した文書によれば、新しいテイクアウト店を選ぶには公聴会と60日間の意見募集期間が必要だと定められているわ。その条件は満たされた?)TBBT Season4 Episode21 (The Agreement Dissection)
according to the document ~ は「~という文書によれば」と、書かれたものを論拠として示す言い方です。drew up は draw up(文書を作成する)の過去形で、were those criteria met? は答えが明らかに「ノー」だと分かっている場面での問い詰めで、修辞的な問いかけとして機能しています。
まとめ|条文の穴を突くレトリックたち
a cursory reading、not specific as to what constitutes、ambiguity in a contract benefits the party that did not draft itは、条文の穴を突く弁護士的な言い回しです。プリヤの反論運びに、法律用語の使い方が見えてきます。
曖昧さの扱い方ひとつで、交渉の行方が変わっていく様子が読み取れます。
このエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


コメント