「angry」と「upset」はどう違う?|『ビッグバン★セオリー』S10E14で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「angry」と「upset」はどう違う?|『ビッグバン★セオリー』S10E14で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン10 第14話から、angryとupsetの違いを取り上げます。この回では、シェルドンが感情を読み取る装置を試し、ペニーの兄が泊まりに来る件をめぐってレナードとペニーが言い合いになります。

同じ口げんかの中で、装置を見るシェルドンはangryを、ペニーはupsetとmadを口にしています。3つの語が場面ごとにどう使い分けられているかを、順に見ていきます。

目次

「angry」は外から見て分かる怒り

シェルドンのオフィスで、ハワードはMITから届いた感情を読み取る装置の試作品を、シェルドンとエイミーに見せます。試す前に、ハワードはこう念を押します。

Howard: Okay, remember, it can only detect happy, sad, angry and excited. Not other things you’re feeling, like, what have I done with my life?
(いいか、覚えておけよ。こいつが検知できるのは、うれしい、悲しい、怒ってる、興奮してる、だけだ。ほかの気持ち、たとえば「俺は人生で何をやってきたんだ?」みたいなのは無理だぞ。)

TBBT Season10 Episode14

装置が判定する4つの感情の一つとして、angry が挙がっています。後半の冗談も含めて、angryが細かな心の動きではなく、はっきりした基本的な感情として扱われているのが分かります。

別の場面で、ペニーが兄の就職を手伝っていると聞いたシェルドンは、手元の装置の表示を読み上げます。

Sheldon: Oh, ooh! And that makes Leonard angry.
(おっ、おお!そしてそれがレナードを怒らせている。)

Leonard: No, it doesn’t.
(いや、そんなことないよ。)

Sheldon: What, Leonard, please. I know an angry face when I see it. It’s this red frowny guy on my phone.
(何を言う、レナード、よしてくれ。怒った顔なら見れば分かる。僕の携帯に出ている、この赤いしかめ面だ。)

TBBT Season10 Episode14

make 人 angry は「(人)を怒らせる」という形です。シェルドンは画面の赤いしかめ面を根拠に an angry face と言い切っています。angryは、本人が否定していても外から見て取れる怒りを指すのに向いた語と言えます。

一方で、面と向かって Are you angry? と聞くと、相手の怒りを決めつけるような強い響きになりがちです。たとえば The delay made the customers angry.(遅れのせいで客が怒った)のように、出来事が人を怒らせたと述べる文では、angryの直接さがそのまま生きてきます。

「upset」と「mad」は相手に尋ねるときの語

シェルドンの実況を受けて、ペニーはレナード本人に確かめます。

Penny: What? Are you really upset about Randall coming?
(え?ランドルが来ること、本当に気を悪くしてるの?)

Leonard: No.
(いや。)

TBBT Season10 Episode14

upset は、怒りに限らず動揺や悲しみも含めて「気持ちが乱れている」状態を広く表す語です。ペニーがangryではなくupsetで尋ねているため、問い詰める響きが和らいでいます。短い応酬の後、ペニーは if you’re mad about this, just tell me(このことで怒ってるなら、そう言って)とも言います。mad はアメリカ英語の口語で「怒っている」を表し、mad about 物事 の形で怒りの対象を示します。

言い合いが進むと、ペニーは再びupsetを使って理由を尋ねます。

Penny: If you were this upset, why didn’t you say so when I told you?
(そんなに気を悪くしてたなら、私が話したときになんでそう言わなかったの?)

Leonard: Because I didn’t want to sound like a jerk.
(嫌なやつだと思われたくなかったからだよ。)

TBBT Season10 Episode14

後の、シェルドンの部屋の前の場面では、レナードが、ペニーが父親に電話して兄の訪問を断る予定だとシェルドンに伝えます。それを受けたペニーとレナードの会話です。

Penny: Hopefully, he won’t be too upset.
(あまり気を悪くしないといいんだけど。)

Leonard: Oh, you’re his little girl, he can’t stay mad at you.
(ああ、君はお父さんのかわいい娘だろ。君に怒ったままではいられないさ。)

Penny: He won’t be mad at me. I mean, you’re the one who doesn’t want my brother to come, so…
(私に怒ったりはしないわよ。だって、兄に来てほしくないのはあなたなんだし……)

TBBT Season10 Episode14

父親を気遣うペニーはupsetを使い、レナードとペニーはmadに at 人 を付けて怒りの向かう相手を示しています。

語 主な意味 劇中での使われ方
angry 怒っている 装置の判定・シェルドンの実況
upset 動揺・不快を含めて気持ちが乱れている ペニーが相手の気持ちを案じる
mad 口語の「怒っている」 mad about 物事 / mad at 人

まとめ|見える怒りと、気遣って尋ねる言葉

angryは怒りそのものを表し、upsetは動揺も含めて気持ちが乱れた状態、madは口語の「怒っている」で、aboutで対象の物事、atで相手の人を示します。相手の気持ちを尋ねるときにupsetを選ぶと、責める響きを抑えられます。

感情を表す一語の選び方に注目すると、『ビッグバン★セオリー』の口げんかの場面がまた違って見えてきます。

この回のほかのコラムやフレーズ記事も、場面ごとの英語をたどる手がかりになります。

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