海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン5 第22話に登場する、ハワードの独身さよならパーティーに出かけるレナードと、それを見送るペニーの、階段でのやり取りです。心配ないよと先回りする一言から、あえて不安の種をつつく問いかけ、そして具体的な行動を並べてからかいながら安心させる言い方まで、軽妙な掛け合いに耳を澄ませてみます。
軽口の応酬の中にある、相手を安心させる言い回しの型を見ていきます。
「Nothing to worry about.」に見る、心配される前に釘を刺す一言
レナードが今夜のパーティーに出かける前、階段でペニーに呼び止められる場面から始まります。
Penny: So, I hear you and the lost boys are having a bachelor party tonight.
(今夜、あなたとロストボーイズたちで独身さよならパーティーをするんだって?)Leonard: Yeah, just going to a restaurant, get some steaks and scotch. Nothing to worry about.
(うん、レストランに行ってステーキを食べてスコッチを飲むだけだよ。心配することは何もない。)Penny: Why should I worry?
(どうして心配する必要があるの?)TBBT Season5 Episode22 (The Stag Convergence)
Nothing to worry about. は、相手が何かを尋ねる前から、心配の芽を摘んでおく決まり文句です。予定を報告するだけでなく、あらかじめ「気にしなくていい」と付け加えることで、相手の不安を先回りして封じる働きがあります。
ところがペニーはこの一言をそのまま受け取らず、Why should I worry? と問い返します。「心配なんてしていない」という体を装いながらも、わざわざ確認するあたりに、軽い駆け引きの気配が漂っています。相手の予防線を、そのまま切り返しの材料に変える言い方と言えます。
「Wouldn’t that make you a little jealous?」に見る、不安をつついてから軽くいなす応酬
レナードは深読みせず、ペニーの問いに軽口で応じます。
Leonard: Well, I don’t know. It’s a bachelor party. There could be strippers. Wouldn’t that make you a little jealous?
(さあ、どうかな。バチェラーパーティーだからね。ストリッパーが来るかもしれない。それって、君を少し妬かせたりしない?)Penny: Oh, come on Leonard, it’s you. What’s going to happen? I mean, even if there was a stripper, all you’d do is avoid eye-contact and maybe offer to help her kid with his homework.
(もう、やめてよレナード、あなたのことだもの。何が起きるって言うの?たとえストリッパーがいたとしても、あなたがすることと言ったら、目を合わせないようにして、その子どもの宿題を手伝おうかって申し出るくらいでしょ。)TBBT Season5 Episode22 (The Stag Convergence)
Wouldn’t that make you a little jealous? は、あえて不安の種をつついてみせる問いかけです。深刻に心配させたいわけではなく、相手の反応を面白がるようなニュアンスが込められています。
対してペニーの What’s going to happen? は、その問いかけを深刻に受け止めず、軽く一蹴する切り返しです。さらに続く avoid eye-contact and maybe offer to help her kid with his homework という一節では、具体的な行動を並べることで、相手の几帳面さと奥手な性格をからかいながら、同時に「心配していない」という安心のメッセージを伝えています。相手をよく知っているからこそ成立する、からかいと信頼が同居した言い方です。
まとめ|からかいは、時に一番の安心材料になる
Nothing to worry about、Why should I worry?、Wouldn’t that make you a little jealous?、avoid eye-contact and maybe offer to help her kid with his homework。心配を先回りする一言から、あえて不安をつつき、具体的な行動でからかいながら安心させる言い方まで、階段でのやり取りを見てきました。相手の性格を踏まえてからかう言い方は、深刻な安心のさせ方よりも、かえって説得力を持つことが伝わってきます。
次回も『ビッグバン★セオリー』の会話を通して、英語表現の型を見ていきましょう。
同じエピソードの他のコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、場面全体の英語がより立体的に見えてきます。


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