海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン5 第15話に登場する、停電をきっかけにレナードとシェルドンが関係を立て直そうとする場面です。感謝の言葉ひとつでいいという申し出に対して、シェルドンが持ち出す対抗提案の言い方を見ていきます。ささやかな条件が、思わぬ規模の提案に姿を変えていく交渉の過程をたどります。
率直な申し出から、それを上回る提案の切り出し方まで見ていきましょう。
感謝の言葉だけでいいという、率直な申し出
停電の夜、レナードがシェルドンに歩み寄ります。
Leonard: Listen, Sheldon, this is stupid. I don’t see why we can’t be friends. And I’m willing to drive you around and help you out with stuff. I just don’t want to do it because of some silly roommate agreement.
(なあシェルドン、こんなのばかげてる。僕らが友達でいられない理由なんてないだろ。車で送り迎えするのも、いろいろ手伝うのも構わない。ただ、くだらないルームメイト協定のせいでやりたくないだけなんだ。)Sheldon: What are you proposing?
(何を提案しているんだ?)TBBT Season5 Episode15 (The Friendship Contraction)
I don’t see why we can’t … は、納得できない気持ちを伝える言い方です。I’m willing to … で協力の姿勢を示すと、What are you proposing? とシェルドンが交渉のテーブルに乗ってきます。
感謝の示し方を絞り込む、シンプルな条件
レナードが出した条件はシンプルです。
Leonard: That we go back to the way things were. But when I do something for you, you show a little appreciation.
(前の状態に戻ろうってことだよ。でも、僕が何かしてあげたときは、少しは感謝を示してほしい。)Sheldon: And how would I do that?
(それはどうやってするんだ?)Leonard: You say thank you.
(ありがとうって言えばいい。)TBBT Season5 Episode15 (The Friendship Contraction)
go back to the way things were(前の状態に戻る)、show a little appreciation(少しは感謝を示す)という言い方で、レナードは条件を絞り込んでいます。You say thank you. という3語の短さが、申し出のシンプルさを物語っています。
対抗提案―Counter-proposal.で条件を積み増す
ところが、シェルドンにとってこれでは物足りません。
Sheldon: Counter-proposal. We reinstate the full roommate agreement with the following addendum, in the spirit of Mother’s Day or Father’s Day, once a year, we set aside day to celebrate all your contributions to my life, both actual and imagined by you. We could call it Leonard’s Day.
(対抗提案だ。ルームメイト協定を完全に復活させる、ただし次の追加条項付きで。母の日や父の日の精神にならい、年に一度、僕の人生への君の貢献――実際のものも、君が想像しているものも含めて――を祝う日を設ける。Leonard’s Dayと呼んでもいいだろう。)TBBT Season5 Episode15 (The Friendship Contraction)
Counter-proposal.(対抗提案だ)は、より大きな条件を持ち出す切り出しです。reinstate(復活させる)・addendum(追加条項)という契約用語を重ね、感謝の言葉ひとつが記念日ひとつ分に膨らんでいます。レナードの反応は意外にも好意的です。
Leonard: I kind of like the sound of that.
(それ、ちょっといい響きだな。)TBBT Season5 Episode15 (The Friendship Contraction)
I kind of like the sound of that. は、提案の是非より先に響きの良さに惹かれたときの相槌です。感謝の言葉を求めただけのはずが、自分の名前がついた記念日の提案を受け入れかけているところに、この交渉のおかしみがあります。
まとめ|感謝の一言が、記念日になるまで
What are you proposing?、You say thank you.、Counter-proposal.、addendum。感謝の申し出が対抗提案を経て記念日に育つ様子を見てきました。提案をそのまま受け入れず、一回り大きな条件で切り返す言い方は、交渉の引き出しになりそうです。
『ビッグバン★セオリー』のこうしたやり取りを観ながら、英語表現の型を見つけていきましょう。
このエピソードで交わされた条項をめぐるやり取りは、フレーズ記事やエピソードまとめでも別の角度から扱っています。


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